船と食の仕事をしてきた僕が、あらためて自分の仕事を誇りに思えた大分での話。
こんにちは。「わくわくドリブン」をモットーに作り手さんのブランディングをお手伝いするTETOTETO Inc.という会社の代表をやってます。ゴウキです。
今回、「大分で会いましょう。」というPRプロジェクトが展開されている大分県(僕の故郷でもある)で、食やものづくりなどいろんなものごとに触れるため、小旅行に訪れた話を綴ります。
僕は会社の経営者でもありますが、料理人でもありまして、妻と二人で「てとてと」という夫婦ユニットを組んで、都内で完全紹介予約制のホームパーティ「てとてと食堂」を主催したりしています。
他にも色々やっていて、企業コンサルや他の会社で社員もやってるし、猟師だったり、お菓子作家だったり、アクセサリー作家としても活動しています。複業家とか言われることもあるけど、そんなかっこいいものじゃないくて、、、端的に言って多動症なんじゃないかと思います。
ただ、色々やってると傾倒する分野、得意な分野ってのがでてきます。僕の場合それの一つが「食」というジャンルみたいです。
自分探しって、ちょっとバカっぽい響きだけど、僕は未だに「自分探し」の最中で、色々なことをやっていたら、たまたま「食」が好きということがわかって、色々な人と関わる中で「食」が得意であることにも気づきました。
「色々な体験を、色々な人と。ワクワクしながら仕事したい。」って言うのが僕の心情で、働き方の根幹なんだと思います。
「色々な人と繋がりたい。各地の美味しいものに出会いたい。」という欲求から、定期的に日本全国を旅して回って、いく先々で友人を作っているわけですが、グッと距離を縮めるために、仲良くなりたい人は食事に誘うようにしています。
一緒に食卓を囲むと、仲良くなれる。
と言う経験ないでしょうか?
大人ならみんな体験として、一緒にお酒を飲んだら距離が縮まるってあると思います。飲みニケーションという言葉があるくらいですし…。
僕は「食」は最強のコミュニケーションツールだと思っています。
仲良くなるには、程度の差はあれど「感覚」と「時間」の共有が必要なんだと思います。同じ趣味、同じ仕事、同じ価値観などの「感覚」の共有(=共感)と、どれくらいその人と一緒にいたかという「時間」の共有。この二つの濃度が濃くなればなるほど仲良くなるんじゃないかなって考えていて…。
(この方程式を無視して、魂レベルで共感する人もいたりします。)
で、「一緒に食卓を囲む」という体験は、強制的な「感覚」と「時間」の共有だと思うんです。
ある程度の「美味しい」っていう体験は、誰にとっても等しく「美味しい」なので共感を生み、この共感体験を一緒にするには、ある程度の「時間」を共有することになります。
しかも、「美味しい」「楽しい」という、ポジティブな感情から楽しい会話が生まれやすいのも良いところだと思います。
美味しいという感覚で共感して、楽しい時間を共有するということです。
「一緒の食卓を囲むと言うこと」は、「感覚」と「時間」の共有で、仲良くなるため最強のコミュニケーションツールなんです。
一緒に旅して、食卓を囲むと、もっと仲良くなれる。
前段のように、僕にとって「食事を一緒にしよう!」というお誘いは「仲良くなりたいよ」っていう宣言とほぼ一緒なので、70seedsの岡山史興の、「大分県で美味しいお寿司食べましょう。」というお誘いは、片思いだった岡山くんからの愛の告白に近く、「両思いやったか!」と嬉しくなった。
岡山くんとは、僕が主催する「てとてと食堂」で出会い、同じような価値観で同じような仕事をしているので、仲良くなりそうなもんだけど、いつまでたっても敬語の壁があって、コミュニケーションに変な摩擦があったような気がする。
もう一人。リバ邸の代表の廉くんも一緒にいくことになった。
廉くんとの出会いも「てとてと食堂」。
廉くんの周りにはいつも賑やかな面々がいて、なかなかタイミングが合わず、話したいのにきちんと話したことがなかったので、廉くんが参加すると聞いて、思いがけず喜んでいる自分がいた。
そんな岡山くん、廉くんとの旅のお誘いだ。
しかも、二泊三日。そんなに長い時間を一緒に旅をするって、共有する時間も長くて濃いわけで、これまで二人との間にあった変な摩擦を取り除こうと、そんな決意表明をして、旅を快諾した。
「旅」もまた「感覚」と「時間」の共有。
ただし「食」とはちがい、体験に角度がたくさんある気がする。例えば同じ風景を見ても、感動する人もいればしない人もいる。
なので、一緒に旅するときは、必然会話が生まれる。と言うか、会話なしに共有できないところがミソだと思う。あの風景を見てどんなふうに感じたか?あの体験をしてどんなふうに感じたか?
そんなことを会話しながら、相手のことを知っていく。
今回の旅のハイライトの一つに進水式があったと思う。
僕らの旅の目的地は佐伯市(さいきし)。
大分県の南東端に位置し、豊後水道に面した日本有数のリアス式海岸を有する漁業が盛んな港町だ。この街にあるNARUMIというお寿司屋さんが最大の目的地だったんだけど、滞在したホテルからほど近くにある佐伯重工という造船所で進水式があると言う情報を得て、岡山くんと二人して早起きして向かってみた。(廉くんは朝が弱いので・・・)
ただでさえ見ることのない進水式。
昨日までの雨が嘘のように晴れ渡った空。見慣れない町。潮の香り。ピカピカに磨かれたど巨大なプロペラ。竣工記念の紅白饅頭。
しばらくすると花火の音とともに、楔が放たれる弾けるような金属音がして、つっかえが取れた巨大な船体は後ろ向きに海に進出していく。
拍手やフラッシュに見送られ、徐々に遠ざかっていく船の船首には、色とりどりの紙テープが風に棚引き、祝賀ムードに輪をかけていた。
とても綺麗だなと思った。
岡山くんも僕も少し二日酔い気味で最悪の顔色だったのだけど、進水式の興奮と雰囲気に呑まれて、顔色が少し良くなっていた気がする。
あっという間の出来事だったので、お互いに「すごかった。」くらいの感想しか出てこなかったけど、一緒に体験を共有したことで、少し距離が縮まった気がした。
思い出とはこう言う特別な体験を指して言うのかもしれない。僕にとっていい思い出になった。
僕の場合、旅の最大の楽しみは「食」と「出会い」だ。
多くの人にとっても同じだと思う。
今回の旅の目的は、「大分県で美味しいお寿司を食べながら、普段できない話をしよう」というもの。
佐伯といえばお寿司が有名で、僕らがお邪魔したNARUMIは、そんな佐伯にあって異彩を放つお寿司屋さんだ。
熟成寿司というジャンルのお寿司を提供してくれる、おそらく佐伯で一番うまいと思われるお寿司屋さん。佐伯のみならず大分県を牽引する職人さんじゃないかと思います。それくらい心が踊る料理の数々でした。
握りが出てくるまで、1時間くらいかかるんですが、それまでに出てくる丁寧な肴がまた最高で、会話も弾みました。
よく考えたら聞いたことなかった、三人の出自の話や家族のこと、仕事や遊びのこと、将来のこと、心の内っ側の本当の自分のこと、、、。
こうやって食卓を囲んで、酒をに飲み交わし、仲を深めるって、大昔からやってることだけど、改めてこの体験の素晴らしさを実感しました。
てとてと食堂を始めてからここ数年、友人たちを自宅(てとてと食堂)に招くことが多かったので、誰かが自分のために作った食事を囲んで友人と食べるってなかったことに気が付きました。
食卓で繋がり深くなる感動体験を改めて実感して、僕もこんな体験を提供しようと頑張っているわけで、もし提供できていたら、それは結構誇れる仕事をしているのかもなと、少し自分が誇らしくなりました。
これまでの自分のあり方は間違ってなかったけど、これからはもっと自信を持って、美味しい時間を提供しようと思ったのでした。
この旅で、岡山くん、廉くんの二人と仲良くなれたこと以上に、自分のあり方について気がつけたのが大きかった気がする。
旅と食、そして会話を通じて、初めて自分のことを客観的に見つめることができた気がしました。
ーー
最後に、今回はこんな企画でもない限りご一緒できないであろう二人と一緒だったので、出会いもかなり面白いものになって、方々の方に貴重なお時間と出会いを提供していただきました。この場を借りてお礼を言いたい。
お寿司を握ってくれたNARUMIさんには心から感謝したい!
鳴海さん、また行きます。今度はカウンターで食べたいです。
それと、廉くんが代表を務めるリバ邸は、大分にも2店舗あるらしく、そこのオーナーさんが廉くんを訪ねてきてくれました。そのオーナーさんが佐伯で地域おこしに取り組む方をご紹介してくださったんですが、ゆっくりお話しできなかった。
矢野さん、橘木さん、曽根田さん、今度はもっとゆっくりお話ししましょー。
そして、「大分で会いましょう。」チームの動画撮影に同席させていただきました。
松田さん、バタバタとお騒がせしましたが、色んな人をご紹介いただきありがとうございました。機会があればてとてと食堂にいらしてください。
出会ったシンガーソングライターのコジマサトコさんと進水式でバッタリ遭遇して、帰りに車で送っていただきました。
コジマさん、ありがとうございました。お寿司の歌めっちゃ楽しみにしてます。
「大分で会いましょう。」チームの一人でもあるカモシカ書店のオーナーの岩尾さんとも仲良くなってカレーをご馳走になりました。
岩尾さん、長々とお店に居座っちゃってごめんなさい。居心地よすぎて昼寝しちゃいました。今度は弟とカレー食べに伺います。
今回の旅で出会った全ての人と関係者の方々に多大なる感謝を!
今度は、てとてと食堂であいましょう!
今回の企画の発端になった「大分で会いましょう。」についてはこちら。
プロローグと2人の記事はこちらから。
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