「好き」だから、降りる。
はじめて自分で選び取ったアイドルを担降りすることになりました。正直担降りという言葉が相応しいのかイマイチ未だに分かっていません。
私が今まで担降りしてきた自担は皆友達の影響を受けて、とか自分から好きになったという人は一人もいなくて。だから降りる時は、もう担降りブログも公式写真をばら撒くような動画もそのことに触れることさえも面倒になったら、というのを基準にしていました。だからこれも正直、担降りブログというか、なんなのかよくわからないけど、でもとりあえず前のような応援スタンスを一回休業しようみたいなそういう話です。
何故こうなったのか、という要因は様々あるのですが大まかに分けると①視野が狭まりすぎたということと、②義務感由来の好きがどんどん膨らんでしまった、ということにあるかな、と思います。
①視野が狭まりすぎたについてお話しします。
彼らを好きになって、ファンアカウントを作ってその中でコミュニティを作ったり入れさせてもらったりして、どんどん時間が経つたびに、『彼らのファン、オタク』という鋳型に流動的な好きが注がれて埋まっていく感覚が、所属感を感じたり安心できたり普通なら出会わないような人と関われたり、すごく楽しかったんです。すごく楽しかった。全部素敵な思い出です。
でも、もとは流動的である感情を、一分一秒変わっている感情を無理やり型に嵌めているということなので、その型が窮屈に感じる瞬間はどうしてもあって。でも、いろんな人と出会っちゃったし、その人たちとの関係性があるし、コミュニティを作らなければ入らなければ、ただ別のところに流れたりすることができたのに、そうできなくなってしまって。ライブに行く理由もアイドルに会いたいからじゃなくて、〇〇ちゃんと会わなきゃいけないから、みたいな、もうそっちにいってしまって。他に好きなものができても、それを口に出すことを憚れるというか。何か一つの共通項のみだけで繋がってしまったからこそ、相手が知っているのは受け入れられるのは、この彼らを好きな私だけなんだって思わずにはいられなくて。彼らを、アイドルを通じて出会ってくれた人への申し訳なさが、一番しんどくて、これが決め手だったし、だからアカウントも一度消しました。これは特定の誰かが悪いとかそういうのではなくて、思想が合ってないと凄く不安になってしまう自分の性格が一番悪くて、こうなったことの理由で原因です。
次に②義務由来の好きが膨らんでしまったことについてお話しします。
私は、一年ほど前から自担に対して『かわいい』という言葉を前よりも多用するようになったなと感じていました。そのときから私は凄く自分のオタクスタンスに対して、アイドルへの感情として不安というか、落ち着かなくて。今までだって何度も『かわいい』って使ってきたけど、でも“言葉を尽くして”『かわいい』って言えてたんです。ノート一冊びっしり埋まるくらいの言葉を並べて、最後に『かわいい』と添える。みたいな。そういう感じだったのに、去年くらいから自分が『かわいい』の四文字に頼るようになったというか。『かわいい』って誰でも共感できて、攻撃性が低くて、どんなところから『かわいい』という感情が湧き上がっていたとしてもなんとなく共感できちゃうじゃないですか。自分の「好き」よりも周りにとって見栄えの良い「好き」を優先させるように
なってしまったというか、もう自我を放棄したというか。尽くしたい言葉を拾い集める行為に面倒くささを感じるようになってしまいました。
精神的にガタがきてしまったので、とりあえずオタクをお休みしようということにして、もう全部辞めてみました。ラジオもテレビも雑誌もブログもSNSも全部見ないことにしました。いつか編集しようと思って放置していた長尺の本当に数分しか出ないバラエティ番組や自担以外のドラマ、全部ハードディスクから消しました。
土曜日の23時半を過ぎた時、無意識に「あ、解放された……」って思っちゃったんです。確かにここ数ヶ月のラジオは毎週かかさず聴いていたけど中身は1ミリも覚えていなかったので、やっぱり自分は追うという行為が惰性で業務のようにやっていたんだなって、すごく思いました。
こんな義務感でオタクするなんて、義務感由来で好きって言うなんて、めちゃくちゃ自担に対して失礼だなって思いました。だから、私は担降りしようと思いました。まだ自担のことが好きだからこそ、ちゃんと正直に好きって言えないうちはオタクを辞めようって決めました。そういう経緯です。
何度も言っていますがまだ未練たらたらではあるのでグッズも処分する気はないし時々ツイートすると思います。とりあえず4年間、楽しかったです。私がもっと言葉を尽くして好きと言えるようになったら、流動的な自分が周りから浮いてるように感じてもそれでいいって言える強さを身につけたら、また戻ってきます。凄く前向きな担降りです。オタクじゃないってところから彼を見るのがとても楽しみです。もう一回新規をやれるって面白そうだし。とっても前向きで明るい担降りです。やっぱりこれ担降りって言うのかな。まあいっか。