僕は夢の国に連れてってあげられない

かれこれ半年以上、自担のこの発言に拗らせまくっている。

この発言、というのは私の自担である田中樹くんが2023年6月11日放送の「あざとくて何が悪いの?」にて、彼女の浮気について質問された際に、「別に気にしない」と答えるなかで『(例えばディズニーに彼女が他の男と行っていたとしたら)僕は連れてけないから、もし行けないことで何か不自由やフラストレーションが溜まるくらいなら別に行ってもらってもかまわない』と発言したものである。

私がこの発言に半年以上もこじらせている理由は、アイドルという職業、身分が根底にあるうえでの発言のように思えるからだ。

アイドルが自身の恋愛観を聞かれるとき、それは別にアイドルという職業を無視して話すケースもある。
視聴者や受け手が求めているのは、アイドルから垣間見える生身の男性性(または女性性)だったり、もし自分の身近に彼(彼女)がいたら…というifの想像を膨らませるためのひとつの種である。

だから、アイドルということを無視して赤裸々に恋愛観を話す(あくまでもメディアによって脚色されるので完全に赤裸々に語っているというケースはほとんどないが)のは別におかしなことではないし、「アイドルとしての自覚がない!」なんて批判されることもない。

でも、自担のこの発言はアイドルという職業のうえで自分がどのような行動をするか、という視点で語っていて。

私の脳内HDD上だと樹くんが自身の恋愛観を語る際にアイドルというある種の障壁を無視して話しているというのは見たことがない。

赤裸々に話しているように見えて、自身のパブリックイメージを操作するために発言しているっぽかったり、結局アイドルという職業に還元されるような発言であったり、アイドルであることを無視して物事を語るということがない。

そこが私はすごく好きで。
これらの行動、発言ってアイドルであることを誇りに思っていたり、アイドルという自身のままで語ることが誠実であると思っていないとできないことなんじゃないかなって思うから、彼のこういうふるまいを見るたびに胸がぎゅってなる。

「僕は夢の国連れてけない」ってパッと見ロマンチックみたいな顔をしながらめちゃくちゃ切ないフレーズだと思う。アイドルと付き合うっていうことをまさに体現した言葉のようにも思えて、なんて心がきゅるきゅるする言葉なんだろうって、思ってこの字列を見るたびに新鮮に感動する。

自担がアイドルになった日ということで、何か彼に関わることを書きたいなと思ってフリックを進めていたが、いつの間にか自分の拗らせフレーズの話をしてしまっていたので、ここで少しだけ、樹くんに対してアイドルになってくれて続けてくれてありがとう、という気持ちを書き綴ろうと思う。

好きな子を夢の国に連れてけないという障壁をかかえた職業をわざわざ選んでくれてありがとう。

アイドルというものは煌びやかで多くの人に夢や希望、笑顔を届けられる仕事だけれど普通の人が簡単に掴めるようなちょっとした幸せは掴めない、周りとのギャップに時々落ち込んでしまうこともあるようなお仕事だと思う。

それでも、自分がアイドルであることに誇りを持って、応援してくれる人に対して応えようとする責任、使命感を持ってアイドルをしてくれる自担は見ていてとても誇らしくて。

私は樹くんと出会うまで自分の職業にこんなにも誇りを持って頑張っている大人を見たことがなかったから、樹くんがこんなにもアイドルというフォーマットや職種に対して信念を持っていることを知るたびにかっこいいって、素敵だなって、思う。

樹くんみたいなかっこいいアイドルと、かっこいい大人と出会えたことがとても幸せだなと、思います。

アイドルになってくれて、ありがとう、といつも以上の大声で叫ばせてください。


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