【ブックレビュー】ブランディングが9割
会社の上司に勧められて読んでみたのですが、マーケティング・ブランディング初心者の私にとってとても分かりやすい内容でした。
以前別のブランディングについての本を読んだのですが、教科書的な内容で専門用語が多く、まずはその理解をすることに四苦八苦・・・という有様。しかもそういう本は言っていることは分けるけど、今抱えている実務になかなか結びつけられないということは結構あると思います。
この本ではある程度噛み砕いた内容で企業やプロジェクトの大きさにかかわらず実践できるように配慮してくれているので、私のような初心者向けです。一度一通り読んだ後にこのレビューのために再度目次を見直してみたのですが、ブランディングのプロセス順になっているので、とても分かりやすかったです。
具体的な事例が多く載っているのでイメージが想起しやすい分、ブランディングのコアとなる知識やフレームワークについての説明はそこまで多くないです。なので読みやすくすいすい読めました。
大まかに以下のような構成になっています。自分用のメモも兼ねて。
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◆ブランドとは?
・顧客との接点(Web/店頭/CMなど)を通じて、顧客の心の中に蓄積されていく価値。ざっくり言ってしまうと「イメージ」ですね。ブランディング活動はそのイメージを「より良いイメージ」にするための活動と言えます。各接点で一貫したアプローチをしないと意図したイメージは植え付けられません。製品だけでなくサービスや施策、企業の姿勢もブランドになります。
・マーケティングはそのブランドを軸に顧客との接点についての戦略を練るので、マーケティングの際は狙いたいブランドイメージを綿密に練る必要がある。ブランディングは中長期的な視点だが、マーケティングは短期的に収益を築くという性質の違いがある。
◆ステップ①ブランドの現状分析:3C分析を利用
・自社:理想の姿と現状を分析。そのギャップを明確にし、埋める努力をする
・対象顧客:ペルソナ化して年齢・性別・職業・嗜好など細かに設定し購買プロセスをイメージする
・競合他社:市場の中での自社のポジション、自社の強みなどを他社と比較しつつ把握
◆ステップ②ブランドらしさを明確化:ブランドのコアとなる概念
・ブランドの目指す姿を明確にする。
・自社の提供価値を明確にする:機能的価値(スペック等)/ 情緒的価値(商品・サービスを使用したときのポジティブな感情。カッコいい/楽しい/ 安心など)/ 自己表現的価値(商品・サービスを使用したときの自身の理想に対する達成感)
・ブランドパーソナリティ(個性)も明文化しておくと方向性がぶれにくい
◆ステップ③ブランドらしさを作る制作物:全てにおいて統一感を持たせることが重要
・ブランドロゴ
・ブランドカラー
・キービジュアル/ビジュアルイメージ
・デザインシステム:店舗・商品パッケージ・Webサイトなど顧客とのタッチポイントとなるもの全てのデザインについて構造化したもの
・タグライン = ブランドのスローガン
・ブランドステートメント:ブランドが掲げる理想や目指す姿を簡潔な文章で表したもの。自分たちのブランドがどのようなもので、どんな人にどんな価値をもたらすかを表現。
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本当はブックレビューは要点だけ3行程度でまとめることを目標にしているんですが、回を重ねるごとに長くなってしまっているので「次からはスパッと読んでスパッと書く」を心掛けたいと思います・・・。