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【速い白黒ジェネラルはいかがですか】EDH「歪んだセンギア、ヴェラック」構築紹介


はじめに

唐突ですが、白黒を使ってみませんか!? Sasakinaです。

白黒のジェネラルと言われて真っ先に思い浮かぶのは《織り手のティムナ》であることは想像に難くありません。誰が見ても強力なジェネラルで、さらには色を追加することもできてしまいます。強すぎます(;´Д`)

他には《テイサ・カルロフ》や《配分の領事、カンバール》大衆扇動者、ブリーナ》《アーボーグのラタドラビック》、強いけれどもジェネラルとしてあまり見かけないのは《堕落したしょうさつがしら、ロソ》《夢の巣のルールス》あたりでしょうか。(ちなみに「ロソ」はかなり速いです)

EDHRECのデッキ登録数を見ると、

https://edhrec.com/commanders/orzhov より

この5体が特に人気なようです。

往々にして白黒の構築といえばライフゲインアリストクラッツ、妨害しつつ攻めるといった搦め手が多いです。そして、動きがもっさりしているという印象を持つ人も少なくないことでしょう。

そこで、「ゆがんだセンギア、ヴェラック」です。あなたが白黒で経験したことのないくらいの速度とドローの量で戦うこのジェネラルは、相手の意表を突くには十分な力を持っています。

私自身、出張時にカバンに忍ばせておいて高レベル帯の野良EDHで使用するくらいに気に入っています。そんな「ヴェラック」の紹介を今回していきます🦇

流した血が彼の力になる
積極的に自傷しよう

まず気になるのは「ヴェラック」に何ができるのかですが、

だいたい何でもできます!

もう少し正確に言うのであれば、何でもできるための「マナを伸ばすこと」や「ドロー」を、「自分のライフが尽きるまで」することができます。そのため、白と黒を含んだあらゆるコンボが構築の選択肢になり得ます。(殴り切ることはちょっと苦手です。)


🌞💀《歪んだセンギア、ヴェラック

Verrak, Warped Sengir / 歪んだセンギア、ヴェラック (1)(白)(黒)
伝説のクリーチャー — 吸血鬼(Vampire)

飛行、接死、絆魂
あなたがマナ能力でない能力を起動するたび、それを起動するためにライフが支払われていた場合、あなたは再びその点数に等しいライフを支払ってもよい。そうしたなら、その能力をコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。

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MTG:Wiki

注目すべきはその特異な能力。ライフを支払うことで起動する能力を、もう一度同じ点数のライフを支払うことでコピーします。(マナ能力は❌)

どういうことかというと、フェッチで土地が2つ持ってこれますヽ(=´▽`=)ノ
たとえば、白黒のフェッチランドである《湿地の干潟》のテキストを見てみましょう。

Marsh Flats / 湿地の干潟
土地

(T),1点のライフを支払う,湿地の干潟を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから平地(Plains)カード1枚か沼(Swamp)カード1枚を探し、それを戦場に出し、その後ライブラリーを切り直す。

MTG:Wiki

「タップ」と「1点のライフの支払い」と「自身の生け贄」がコストですから、起動するとともに、追加でもう1点のライフを支払うことで、コピーとオリジナルの2回分の土地をサーチすることができます。これによってゲーム展開をかなり早めることができます。
枠を圧迫することなく土地を伸ばすことができるのはかなりの魅力です。4ターン目や5ターン目に10マナ以上あることも稀ではありません(๑•̀ㅂ•́)و✧

しかし、こんな疑問を抱く方もいると思います。

土地だけ伸びても手札がなかったら意味なくない?

大丈夫です。《ヴェラック》と相性が良いのはフェッチランドだけではありません。黒のエンチャントには、ライフを支払うことでドローできる「自傷系ドローエンチャント」が複数存在します。

その中でも一番効率が良いのが強欲です。

Greed / 強欲 (3)(黒)
エンチャント

(黒),2点のライフを支払う:カードを1枚引く。

MTG:Wiki

「黒1マナ」と2点✕2のライフを支払うことで2ドローです。黒マナの2倍のカードを引くことができ、さらにその黒マナはフェッチランドで十分確保できます(*‘ω‘ *)
黙示録、シェオルドレッド》がいればライフの増減は±0です。

他にも死者の神、エレボス》《アルゲールの断血》《月の集会がありますし、地下世界の人脈も相性が良いです。

これらのカードによって大量のマナと大量のカードを手に入れ、速やかにコンボで勝利する。それが「ヴェラック」のコンセプトになります。

続いて《ヴェラック》と相性の良い他のカードたちを紹介しましょう。


相性の良いカード

💀《通りの悪霊

捨てるだけで2ドロー!!

💀《偽りのパラディン

毎ターン、2マナで宝物を2つ生成します。
1マナクリーチャーであるのが優秀で、下のパンプ能力はどのクリーチャーに対しても起動できるといういぶし銀カード。

パラディン》とフェッチだけで4ターン目に6マナ以上の状態を作ることが可能。

1T目:
セットランド。《パラディン》をキャスト。

2T目:
セットランド。《パラディン》の能力を起動→宝物1つ生成。

3T目:
宝物を使って《ヴェラック》キャスト。フェッチをセット→能力を起動&コピー→土地を2つサーチ→《パラディン》の能力を起動&コピー→宝物2つ生成。

4T目:
土地4つ、宝物2つの計6マナからスタート。(セットランドで7マナ(フェッチなら8マナ))

2マナで、能力の起動が1マナになった《宝さらい》もいます。こちらは宝物生成以外の能力はありません。

🌞💀《不吉な儀式の僧侶

2マナで自分の墓地にあるクリーチャー2体をリアニメイト! 5マナかかりますが「蘇生」を使えば召喚酔いもしません。
だいたいコンボがスタートします。

小テクですが、能力を起動して《ヴェラック》でコピーした際、リアニする対象を墓地にあるこのカード(《僧侶》自身)にすることができます。

他にリアニするクリーチャーには《狂気を操る者チェイナー》がいます。こちらは本体に5マナ、さらに起動に3マナかかりますが、相手の墓地からでも蘇らせることが可能です。

💀《穢れた血、ラザケシュ

大型デーモン。クリーチャー1体の生け贄で2枚のカードがサーチ可能。
だいたいコンボがスタートします。
不吉な儀式の僧侶》の能力で《堂々たる撤廃者》と一緒に釣り上げたらほぼ終わりです。

💀《血の取引者、ヴィリス

大型デーモンその2。黒1マナでクリーチャー1体に-2/-2を与えつつ4ドローします。いろいろおかしい。

💀《スランの医師、ヨーグモス

除去。素出ししやすいのが良いですが、《ヴィリス》に比べるとちょっと地味。サクり台として使えます。

💀《巣穴の魂商人

サクり台かつコンボパーツ。
クリーチャーを宝物2つに変換します。つまり、《墓所這い》を生け贄に捧げるとライフ1点を宝物1つに変換できるようになります。《チャネル》かな?
魂の従者》がいれば無限マナ、《がめつい市長、カンバール》や《盲従》で無限ドレインが成立します。
※《市長カンバール》の場合は《ヴェラック》がいなくてもコンボは可能。

💀《ヨーグモスの息子、ケリク

可能性の塊。

💀《苦悶の泉

ライフを支払う回数が増えるため2倍のスピードでカウンターが乗っていきます。ロングゲームを見据え、複数体のクリーチャーを除去したいなら有りです。

💀《悪意の調合

置き除去その2。2マナでクリーチャーを2体除去できると考えるとなかなかの性能です。《ルールス》で使いまわしましょう。

💀《夜の断片

土地がクリーチャー2体に変換されます。軽いコストで大型クリーチャーを次々とリアニできます。
リアニする1体を《真面目な身代わり》のような土地をサーチするクリーチャーにするとデメリットが気にならなくなります。その際にはサクり台もセットであると良いです。

🏺《完全化の杖

8点で2ドローは痛いですが、ほぼ森の知恵です(?)
最低でもマナは出るので腐りません。

🏺《イスの秘宝、エデンの林檎

対戦相手の溜めた手札を使用できるようになる珍しい効果を持っています。コンボ前に起動して対戦相手2人を行動不能にすることができます。

🏞️《作戦室

土地。実質4マナで2ドロー。

🏺《世界のるつぼ

フェッチランドを回収することで土地を爆発的に伸ばすことができます。
ハルマゲドンで土地をすべて破壊し、《ヴェラック》ですぐさまリカバリーするという構築も存在します。
ギラプールの宇宙儀》があると便利です。

🌞《エメリアの番人

フェッチランドと相性が良い「上陸」ともシナジーを形成します。ドローやドレインができる《戦慄の存在》、トークンを生成する《フェリダーの撤退》なども強力です。

🏺《永遠の器

ロマンカード。自分のライフが、《永遠の器》が出たときの値に固定されます。
早い段階に出すと上陸もしやすいデッキであるためライフが支払い放題になります。逆に中盤以降だと役に立ちません。

上陸の能力の解決前にこのカードが破壊されたとしても、ライフがカウンターと同じ値になることを「選ばない」ことができるので敗北することはありません。

💀《鏡の大魔術師

ライフがものすごい勢いで減っていくことを逆に利用し、その少なくなったライフを相手に押し付けるという構築で採用されます。《砂の逆流》や《定命の枢軸》、繰り返し使える《魂の導管》などがあります。

Mirror Universe》は再録禁止のため効果のわりに高価です。起動するのは次以降のアップキープになるため《鏡の大魔術師》でOKです。

🌞《コーリスの子

失ったライフを一気に回復できます。似たカードに《汚れた印章》があります。もう1回遊べるドン!

🌞💀《大衆扇動者、ブリーナ

直接《ヴェラック》とシナジーがあるわけではありませんが、「飛行、接死、絆魂」のすべてが非常に役立ちます。
対戦相手がこちらを殴る優先度が下がるため少しライフを守りやすくもなります。効果が複雑ですが、防御側のプレイヤーのライフが「対戦相手の中で最小でなければ」誘発します。



などなど、いろいろなカードがあります。
なお《血の執行司祭》の能力はマナ能力のためコピーできません。ご注意を。


私の構築

⬇️2024年12月25日現在の私のリストはこちら。想定レベルはです。

日本公式サイトより

⬇️最新のリストはMoxfieldのこちらです。採用を検討しているカードたちも見ることができます。https://www.moxfield.com/decks/J_PnhCtZ5U2bAC71vUjlsA


基本的な動きとしては、前述のとおりフェッチランドと自傷ドローエンチャントによってマナと手札を潤沢にしていき、コンボを狙います。

マナファクトで加速し、《ヴェラック》は3ターン目にキャストしてそのままフェッチで土地を2つ持ってきます。これで4ターン目には6マナ以上のアクションができるようになります。

マナが足りなくて困ることはあまりなく、むしろそのマナの注ぎ先であるドローエンチャントの有無が大事です。

コンボはワールドゴージャーを採用し、それが構築の軸となっています。《歩行バリスタ》という共通項が存在するためヘリオッドバリスタも採用しています。


🍷 🍷 🍷 🍷 🍷 🍷 🍷 🍷 🍷 🍷


🌞💀白黒ワールドゴージャー

ゴライオンの養子、アブデル・エイドリアン》+《動く死体

墓地にある《エイドリアン》を《動く死体》で釣り上げることで、無限にETBとPIGを繰り返すとともに無限体の兵士トークンを生成します。
オークの弓使い》や《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》《食肉鉤虐殺事件》が場にあればそのまま無限のダメージやルーズを与えることができます。
また、マナファクトがある場合は無限マナを生成することができ、《歩行バリスタ》や《瀉血》でゲームを決めることが可能です。

このコンボの良いところは納墓》と《動く死体》の3マナで成立するところです。さらにその3マナも《暗黒の儀式》1枚で賄えます。

墓地を利用した高速コンボであり、大量マナによって相手の妨害をケアしながら成立させることができます。

動く死体》と同じ役割を持つエンチャントにはDance of the Deadネクロマンシーがあります。また、《エイドリアン》ではなく、レオニンの遺物囲いを釣り上げることで無限にETBとPIGを誘発させることができます。

ネクロポーテンスは単体でも非常に強力なドローソースです。クリンナップで捨てたカードは一度墓地に置かれるため、《ネクロマンシー》で《エイドリアン》を釣り上げてコンボを始めることが可能です。また、この動きは《出現領域》を使うことで《動く死体》でもできるようになります。

Necropotence / ネクロポーテンス (黒)(黒)(黒)

エンチャント

あなたのドロー・ステップを飛ばす。
あなたがカードを捨てるたび、あなたの墓地にあるそのカードを追放する。
1点のライフを支払う:あなたのライブラリーの一番上のカードを裏向きのまま追放する。あなたの次の終了ステップの開始時に、そのカードをあなたの手札に加える。

MTG:Wiki

🌞🏺ヘリオッドバリスタ

太陽冠のヘリオッド》+《歩行バリスタ

9マナという重さがありますが、2枚で無限ダメージが成立します。《ヴェラック》が「絆魂」を持っているので戦闘ダメージを与えられたら2マナ軽減することができます。

「信心」が足りない《ヘリオッド》を《動く死体》で釣り上げた場合、エンチャントが不適正となるため状況起因処理で《動く死体》が墓地に送られます。その後《動く死体》の場を離れたときの能力が誘発して《ヘリオッド》が墓地に送られます。


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この「ヴェラック」、使う上で注意すべきことがいくつかあります。一番は、ライフがものすごい勢いで減っていくことです。ライフ40点はあまりにも少ない!

対戦相手がそんなに動いていないにもかかわらず、自分のライフの少なさに焦るときがけっこうあります。長期戦には向かないため、遅くとも5、6ターン目には決着をつけることを目指して動きましょう。

相手が積極的に殴ってくるデッキであるときも注意が必要です。ライフ2点は1ドロー相当だと思って引ける枚数を計算していきましょう。

しばらく使っているとそのハラハラ感も楽しめるようになります(●´ω`●)


他の構築

他の方の構築で採用されている主なコンボを紹介します。型が読めないのは「ヴェラック」の1つの強みです。

💀💀極上の血コンボ

極上の血》+《血なまぐさい結合

ライフルーズとライフゲインを無限に繰り返すコンボです。《ヴェラック》が絆魂を持つため採用されることは多いです。

極上の血》は《血に飢えた征服者》、《血なまぐさい結合》は《ヴィズコーパのギルド魔道士》や《薄暮薔薇の棘、ヴィト》《永劫の不屈》《星景の僧侶》などで代替が可能です。
特に《血なまぐさい結合》に類似したクリーチャーが複数体存在するのでコンボを成立させやすいです。


🌞💀魂商人コンボ

巣穴の魂商人》+《墓所這い》+《がめつい市長、カンバール

巣穴の魂商人》の紹介部分で書いたとおりです。最近、白黒を含むいろいろなデッキで採用されることが多くなっている気がします。
モダンでは《マリオネットの見習い》がお供です。

【流れ】
① 魂商人の能力で1点のライフを支払うとともに墓所這いを生け贄に捧げ、宝物を1つ生成する。

② 宝物トークンが出たためカンバールの能力が誘発して1点ドレインする。
※自分のライフは±0、対戦相手は-1

③ 魂商人(ゾンビ)がいるため、宝物からのマナを使って墓所這いを墓地からキャストする。

④ ①に戻る


🌞💀タイタンゴージャー

太陽のタイタン》+《動く死体》+《Dance of the Dead》+サクり台

ゴージャーと同じような動きをしますが、こちらの方がコンボパーツが多く、複雑です。無限にETBとPIGを繰り返し、サクり台に《ファイレクシアの供犠台》を使えば無限マナ、《狂気の祭壇》ならLOが狙えます。

墓地の《太陽のタイタン》を釣り上げるためには2種類のエンチャントが必要になります。《霊体の先達》などでも代用は可能です。
なお《ケイヤ式幽体化》であれば1枚で済むようになります。

【流れ】
① タイタンで墓地の動く死体を対象にする。

② タイタンの能力の解決前にサクり台でタイタンを生け贄に捧げる。

③ タイタンの能力が解決し、動く死体が墓地のタイタンを対象にして場に出る。

④ 動く死体が解決。タイタンが場に戻り、墓地のDance~を対象にする。

⑤ タイタンの能力の解決前にサクり台でタイタンを生け贄に捧げる。

⑥ タイタンの能力が解決し、Dance~が墓地のタイタンを対象にして場に出る。

⑦ Dance~が解決。タイタンが場に戻り、墓地の動く死体を対象にする。(≒①)

⑧ ②に戻る。


💀🏺城塞独楽

ボーラスの城塞》+《師範の占い独楽》+《霊気貯蔵器

トップから《独楽》を無限にキャストすることで、50点砲を3人に叩きつけます。
溜め込み屋のアウフ》で止まるので注意してください。

ボ城》と《独楽》は単体でもカードパワーが高く、この2枚が揃えば3枚目の《霊気貯蔵器》を探しにいくことができるのも優秀です。

霊気貯蔵器》は《市長カンバール》の代わりに魂商人コンボのフィニッシャーとしても使うことができます。


💀🏺トリミケ

トリスケリオン》+《不浄なる者、ミケウス

ETBとPIG、好きな対象に1点ダメージを無限に繰り返します。

今日見かけなくなった古のコンボ。普通にキャストするには12マナかかるためリアニされることが多いです。「ヴェラック」では《不吉な儀式の僧侶》で2体を釣り上げることができるため、《生き埋め》で墓地に落として即コンボに入れます。

サクり台があれば、《トリスケリオン》の代わりに《歩行バリスタ》を使ってもコンボが可能です。


おわりに

今の私の構築は《むかつき》を採用しているためマナ総量は低めになっていますが、別の構築も検討中です。特に《太陽のタイタン》や《巣穴の魂商人》が気になっています。

このnoteで少しでもEDH「歪んだセンギア、ヴェラック」に興味を持っていただけたら嬉しいです。
欲を言えば、使用感などを共有し合い、構築の話ができたらとてもとても嬉しいです。

またお会いしましょう。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

いつかこのブランクAPに
スケッチを描いてもらうのが夢です✨️

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