EDH「深海の破滅、ジャイルーダ」100枚解説(クリーチャー編)
全31体のうち《クローン》は14体で、マナ総量はすべて偶数です。
※執筆時以降、《フレッシュの複製体》や《オートンの兵士》など非常に強力な《クローン》が追加されています。そちらについては下の記事で言及しています。⬇
クローン系
2.幻影の像/Phantasmal Image
2マナの《クローン》。デメリットはあるが、軽さは正義。ときどき相手の墓地から飛び出してくる。強い。
コピーには「イリュージョン/Illusion」のクリーチャー・タイプが追加される。
3.ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph
3マナでも出せる《クローン》。クリーチャーだけでなく、アーティファクトのコピーにもなれる。コピーできるカードタイプが広いのは大きなメリット。相手の強力なアーティファクトになることもよくある。
コピーにはアーティファクトのタイプが追加される。
《一つの指輪》の登場により、いろいろなデッキに入っていることが多くなった。
4.灯の分身/Spark Double
「ジャイルーダ」デッキにおけるキーカード《クローン》。伝説でない状態で選んだ自分のクリーチャーのコピーになれるので、《ジャイルーダ》を横並びさせるために必須。
クリーチャーだけでなく、自分がコントロールするプレインズウォーカーのコピーにもなれる。
+1/+1カウンターが乗ることは通常メリットに働くが、「不死/Undying」が誘発しないことだけには気をつけよう。
5.千の顔の逆嶋/Sakashima of a Thousand Faces
《灯の分身》に次ぐ「ジャイルーダ」デッキにおけるキーカード《クローン》。レジェンド・ルールを無視する能力により、《ジャイルーダ》を横並びさせることが可能。
実は他にクリーチャーがいなくても3/1として場に出せる。出したことはない。
何かのコピーになった《千逆嶋》のコピーに別の《クローン》がなると、「他の能力」である「あなたがコントロールしているパーマネントには『レジェンド・ルール』は適用されない。」も持った状態で場に出る。
6.騙り者、逆嶋/Sakashima the Impostor
これ以上は並ばないが、2体目として《ジャイルーダ》の横に並ぶことができる《クローン》。名前は「騙り者、逆嶋/Sakashima the Impostor」になる。
コストは重いが何度も場と手札を行き来できるところが強み。こちらも他にクリーチャーがいなくても3/1として出すことができる。
ダブルシンボルが少し出しにくい。
7.逆嶋の学徒/Sakashima's Student
ダブルシンボルになり、「忍術/Ninjutsu」を持った《クローン》。忍術で出せばデメリットのない《幻影の像》という破格の性能になる。
また、忍術を複数回起動すればその分だけ攻撃クリーチャーを手札に戻すことができる。可能なだけで使うことはほぼない。
8.替え玉/Stunt Double
瞬速持ちの《クローン》。
インスタント・タイミングで《ジャイルーダ》のコピーになることで、相手ターンに勝利できることもある。4マナを残しながら動くのは難しいが、奇襲性があるのは他にはないメリット。
9.賢いなりすまし/Clever Impersonator
ダブルシンボルになったが、土地以外のどのパーマネントにもなれる《クローン》。便利なはずだが、あまりそのことを実感したことはない。
オーラのコピーになる際には、注意が必要。コピーオーラが出る際には対象を取らないので呪禁や被覆持ちにもエンチャントが可能。
10.巨体原形質/Gigantoplasm
P/Tを変えることができる《クローン》。かなり便利。
無限マナを注ぎ込めば∞/∞のサイズになることができ、反対に0/0 にすることで任意のタイミングで墓地に落とすことができる。
忘れられがちだが、サイズ変更能力は「ターン終了時まで」ではなく永続する。
11.内密の調査員/Undercover Operative
ダブルシンボルの《クローン》。自分がコントロールするクリーチャーのコピーになると「盾カウンター/shield counter」を1つ置くことができる。
破壊耐性が付くのはありがたいが、当然ながらレジェンド・ルールによって墓地に置かれることは回避できない。
12.なりすましの壁/Wall of Stolen Identity
「壁/Wall」。行動制限《クローン》。相手クリーチャーのコピーになることにメリットがある。
クリーチャーのコピーになるとともに、そのクリーチャーをタップし、アンタップできなくする。(この能力は対象を取らない。)そのため、相手の殴りジェネラルやファッティ、タップが必要な起動型能力を持つクリーチャーを止めることができる。
この枠に通常の《クローン》を入れている構築をよく見かけるが、守りに使えるので個人的にはこちらの方が好み。
13.多面相の侍臣/Vizier of Many Faces
ダブルシンボルになった《クローン》。しかし、「不朽/Embalm」の能力はかなり強力。
《ジャイルーダ》の能力は墓地にカードを落としやすいので相性が良い。
不朽のトークンは、マナ・コストを持たない白の「ゾンビ/Zombie」になる。プロテクションをすり抜けることがあるので忘れずに。
14.鏡の間のミミック/Mirrorhall Mimic
「降霊/Disturb」を持った《クローン》。
コピーには「スピリット/Spirit」のクリーチャー・タイプが追加される。
降霊のおかげで2枚分の働きが期待できる。しかし、5マナという重さと、次のアップキープからでないと効果を発揮しないことからあてにはできない。
15.邪悪な双子/Evil Twin
多色になった《クローン》。同名カードを破壊する効果はタップを要するのであくまでおまけ。
よく《金属モックス》に刻印される。
クローン補助系
16.ディスプレイサーの仔猫/Displacer Kitten
c環境でも使われることがある強力なぴょんぴょん猫。コンボは狙わず、除去をフィズらせたり、相手のエンド時にブリンクして盤面を構築したりする。ピッチスペルとの相性が非常に良い。
ブリンクできるのはクリーチャーだけではないため、ピッチスペルでマナ・ファクトを起こして一時的に加速することもできる。
17.深海住まいのタッサ/Thassa, Deep-Dwelling
毎ターン、他のクリーチャーをブリンクできる神。6/5破壊不能も強力で、《ジャイルーダ》が2体並ぶことで顕現する。
ブリンク能力は「オーナーのコントロール下」ではなく、「あなたのコントロール下で戦場に戻す」。
マナが余った際にはタップ能力も地味に役立つ。
18.悪夢の番人/Nightmare Shepherd
入っていないリストは多いが、レジェンド・ルールを利用することで《クローン》を落とし、《ジャイルーダ》の能力を2回ずつ使うことができる。
全除去を打たせにくくできるのも良い。
4マナ4/4飛行というスタッツも悪くないクリーチャー・エンチャント。
コピー・トークンには「ナイトメア/Nightmare」のクリーチャー・タイプが追加される。また、場に出る際には、コピー元が場にあったときの「最後の情報」を参照する。
19.狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator
無限マナの注ぎ先の1つ。《ジャイルーダ》をブリンクしてLOを狙える。
常に2マナを残すのは難しく、特にゲーム序盤で釣り上げると十分効果を発揮できないことが多い。また、「結魂/Soulbond」の能力が解決する前に除去を打たれるとブリンクできないので躱せない。
組になることは対象を取らない。組でなくなる条件は以下の3つ。
今回は採用していないが、4枚のカードによるリア二ループが存在する。
必要なのは、《ジャイルーダ》と《灯の分身》(※レジェンド・ルールを無視できれば何でも良い)、そして組になっている《航海士》と《無情な屍技術師》。
《無情な屍技術師》のETB能力で《灯の分身》をサクって宝物を生み出し、その後、宝物4つ(3マナと宝物1つ)で能力を起動して《灯の分身》をリアニし、宝物2つでブリンク、これによって無限に《ジャイルーダ》のETBを繰り返すことができる。
重コスト
20.聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx
序盤に釣り上げたら宇宙。マナ・ファクトによる手札消費をすぐさま回復してくれる。4/6飛行というスタッツも優秀で、天使までなら止めることができる。
クリーチャー・タイプに「ファイレクシアン/Phyrexian」が追加されたことがあったが、最終的になくなった。
以前、挙動が分からなくてジャッジに確認したが、対戦相手が《覆いを割く者、ナーセット》をコントロールしている状態で、対戦相手がカードを引いた場合、《スフィンクス》の効果でカードを引くことはできない。理由は《スフィンクス》の能力は「引いてもよい」であるから。
21.虐殺のワーム/Massacre Wurm
つよわい。効く相手には効くが、効かないときにはとことん効かない。EDHにおいてはタフネス3を落とせるかどうかが重要だと思うので、主な役割はトークン一掃。
黒トリプルシンボルもなかなか素出ししにくい。
全体除去は入れておきたいが、入れ替え候補。似た能力を持つものに《陰謀の悪魔/Demon of Dark Schemes》がいるが、こちらはマイナス修正に自分のクリーチャーも巻き込まれるため使いどころが難しい。
22.不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed
《クローン》による《ジャイルーダ》の誘発を2回にできる優秀なクリーチャー。全体除去対策にもなる。
《ミケウス》といえば神代の頃から《トリスケリオン》とのコンボが有名なため、出した瞬間から非常に警戒される。
不死を付与する能力に目が行きがちだが、「いずれかの人間があなたにダメージを与えるたび、それを破壊する。」という能力も地味に役立つ。
忘れられがちだが、「威嚇/Intimidate」を持っている。
23.トリスケリオン/Triskelion
《ミケウス》の相方。しかし、入れていない構築は多い。
採用理由は、序盤で釣り上げた際にも3点火力として使えること、ブリンクと相性が良いこと、そして《ミケウス》がいれば唐突に勝つことができること。
24.残虐の執政官/Archon of Cruelty
勝利への貢献度が非常に高いクリーチャー。レガシーやモダンでも採用されているが、制圧力が凄まじい。複数体並べると相手はやる気をなくす。
レジェンドでないため横に並べやすいのも良い。
無限にブリンクするだけで勝つことも可能。(LOに注意)
25.溜め込む親玉/Hoarding Broodlord
パイルによってはこれだけで勝つことができるカードだが、ランダムに切削していくというデッキの都合上、専用のコンボは採用していない。
そうはいってもサーチしたいカードはいくつかあり、第1候補は《幽霊のゆらめき》。これによって何かをブリンクしながらもう1枚カードをサーチできる。続いて《Saw in Half》、《ネクロマンシー》。攻めにも守りにも使える柔軟さが良い。
「召集/Convoke」は少しルールがややこしいので注意が必要。この能力はスタック上にあるときに機能する常在型能力。代替コストでもない。
追放されたカードは《親玉》が場を離れても唱えることができる。しかし、召集は失われる。
《親玉》の「あなたが追放領域から唱える呪文は召集を持つ」の能力は、自身の効果によって追放したカード以外にも影響が及ぶ。
26.潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant
無限コンボパーツ。
「自身のマナ総量よりも多くのマナを生み出すことのできるマナ・ファクト」を使うことで無限マナを生成することができる。
たとえば、《太陽の指輪》から2マナ出して1マナを使って《魔力の櫃》を唱える。唱えた際に《太陽の指輪》は手札に戻り、《魔力の櫃》の3マナから1マナを使って《太陽の指輪》を唱える。唱えた際に《魔力の櫃》が手札に戻って……という手順を繰り返して好きなだけマナを生み出すことができる。
また、《太陽の指輪》と《秘儀の印鑑》などのマナが増えない組み合わせでも、無限に呪文を唱えることはできているので《ディスプレイサーの仔猫》の能力を無限に誘発させることはできる。
さらに、《クローン》で《暴君》をコピーすると、1つ呪文を唱えるたびに2つのパーマネントを戻すことができるようになるため、相手の盤面を更地にすることができる。勝ち。
しかし、序盤に釣り上げると何もせずに落ちることもよくある。
27.真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth
LO対策、ライブラリー修復要因。
稀に場に出る。滅殺4が強力。横に並ぶ姿は巨人の地鳴らし。
釣り上げた《クローン》の《ジャイルーダ》の能力と《コジレック》によるライブラリーを修復する能力は同時に誘発するので、だいたいの場合、先に《ジャイルーダ》の能力を解決する。
除去耐性は持っていない。
《解体者コジレック》と同じ能力を持っている《廻モグ》や、《清純》などのローウィンのエレメンタル・インカーネーションサイクルは《ジャイルーダ》の能力で釣り上げることが可能。
その一方、《大祖始》や《荒廃鋼の巨像》は墓地に置かれずにライブラリーに戻ってしまうので釣り上げることができないことには注意が必要。
その他
28.ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker
墓地対策。2マナと軽いところが良い。
相手が黒や赤の場合は出しておきたい。
唱える呪文は「虚空カウンター/void counter」があるかどうかしか参照しないため、どの《虚空歩き》が追放したものでも唱えられる。
「マナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい」という能力は、代替コストで呪文を唱えることに該当する。(「プレイ」なので土地も置ける。)
そのため、《意志の力》をピッチで唱えたり、《サイクロンの裂け目》を超過で唱えたりすることはできないので注意。
29.金粉のドレイク/Gilded Drake
だいたい相手のジェネラルを奪う。
フィズった際にも生贄に捧げる能力は解決される。
《パンハモニコン》などで2回誘発した際には1回目の誘発で交換し、さらにその《ドレイク》と別のクリーチャーを交換できる。
30.古術師/Archaeomancer
便利なインスタント・ソーサリー回収クリーチャー。
打ち消しを回収することが多い。
「人間/Human」のため《ミケウス》の不死で帰ってこられないことには注意。
31.アンフィンの反逆者/Amphin Mutineer
除去内蔵クリーチャー。
この枠には《貪欲なチュパカブラ》や《害悪の機械巨人》、《キャリダス・アサシン》が採用されることが多いが、「サラマンダーでないクリーチャー」という制限はほぼ無視できるし、破壊ではなく追放である点からこちらを採用。また、「再演/Encore」を持っているのも良い。
ときどき《タッサ》と組んで戦場をサラマンダーだらけにする。
32.エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage
事前に置いておく《否認》。「頑強/Persist」持ちであるため2回効果を使用できるし、相手の飛行クリーチャーをチャンプブロックすることもできる。
このカードがめくれるかもしれないということを考えて青1マナを残した状態で《ジャイルーダ》の能力を誘発させることも多い。
《ミケウス》が隣りにいるとさらに強力だが、そうでなくても相手の行動をかなり制限できる。
「ジャイルーダ」100枚解説第2弾クリーチャー編は以上です。
枚数的にはまだ1/3です(。ŏ﹏ŏ)
今回、自分の中でも曖昧だったルール部分の復習がたくさんできました。少しでも参考になればと思います。
それでは、よろしければまた次回。
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