MRの今昔
MR(Medical Representatives)は、医薬情報担当者の略称で、自社医薬品の適正使用ならびに薬物療法の向上に貢献するために、医薬品の品質・有効性・安全性等の情報を扱う医薬品情報の専門家です。(MR認定センター MRとはより引用)
製薬会社の営業と言われるこの職業の今昔を書いてみようと思います。
①仕事内容 30年以上前はMRという言葉ではなくプロパーと言われていました。仕事内容はまさに営業そのもの、価格交渉も含めて医療機関に売りにいくというスタンスでした。接待、差し入れ等も普通に認められており、日中から夜遅くまで忙しい日々でした。
今は接待はなくなり、適正なガイドラインに沿った情報提供を行う仕事に変化しています。会社からの評価も売り上げだけではなく、様々な活動(行動)を評価するという方向性に変わってきています。得意先との人間的関係性は薄くなっています。これは人によって良し悪しが分かれると思います。
②世の中からの評価
昔はダークな職業とされることが多かったように思います。
医療系ドラマに登場するMRは大体悪いことを企むような存在‥
今は爽やかな役柄でも描かれており、少し誇らしくなります。
③人数
昔は製品コール数が売り上げに直結すると言われた時代、各社MR数を増やすことに躍起になっていた時代がありました。兎に角製品名連呼ということでは、医療を馬鹿にしているように感じていました。新製品の発売に合わせてMR数を大幅増員する会社も多かったです。病院はMRだらけで不気味になってしまっている時期もありました。
今は各社様々な理由でMR数は減少しています。今後更に減少していくことと思われます。
④情報提供のスタイル
MRは医療や薬剤の情報を伝えるのが主な仕事です。情報は常に研究によってアップデートされていきます。発売時は効くと思われていた薬剤が後になってどうも効かないようだ‥とか、別の疾患に効くようだ‥等いろいろなことが発売後にもわかってきます。そのような細かい新情報は出てきた際は真偽のほどが判断できないものももの多いですが、同様の方向性を示す情報が蓄積してくることで真偽がはっきりしてくるものです。
昔はそのような新情報も細かく情報提供のすることができました。むしろしっかり海外論文を読んで勉強していることで最前線の情報提供ができました。
しかしながら今はそのようなスタイルは国の方針で禁止されています。
薬の添付文書に沿った情報を中心に、確定した情報のみ提供するようになっています。
添付文書は薬の有効性、安全性を法的にも担保する位置付けなので仕方ない措置とも言えます。一方で情報提供のの質が低下していると思われることも多いでしょう。
思いつく数点の記載になりました。
書きながら色々と思う部分がありますのでそのうち深掘りしてみようと思います。