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介護経験 〜介護うつについて〜

私自身の両親の介護経験によるうつについて記しておこうと思います。

両親の介護は私が50歳強で突然始まりました。
年齢的にも仕事が充実している時期です。介護は両親ともにほぼ同時に急激に始まり、私自身医療に関係する業界で働いていたこともあり、在宅での介護も乗り切れると思っていました。

しかしながら、私の場合の介護は次から次へと発生する様々なことを解決していく時間を、只只費やしていく日々です。両親も人の手を借りたくないという思いがとても強いタイプでしたので、その分スムースに行かないことが多く起こります。
会社の有給休暇も凄い勢いで無くなっていきます。
親族に状況を報告することで、余計に課題が積み上がっていくことも多いです。
仕事中は介護のことが気がかりで、介護中は仕事のことが気がかりで仕方ない状態になります。
自分の仕事のこと、キャリア、お金、また自身の時間などいろいろなものにピンチを感じます。

私も介護うつについてはよく知っているつもりでしたので気をつけていました。
自身のストレスチェック(Zaritや不知火式)も定期的に実施し、ギリギリの線を維持できていました。
でも、ある時期からストレスチェックを止めました。実施したら悪いに決まっていると感じたこと、うつの兆候が表に出たら、自身が丸抱えしている介護がどうしようもなくなるということも思ったからです。

最終的には乗り切りましたが、今になって思えばあの時の自分は普通ではなかったと思います。また、その程度で踏みとどまれたとも言えます。

その際の自身の状態です。
頑張っても被介護者の状態が改善するものではないことが体験的に刻まれていき、ネガティヴ思考が強いなる
介護者自身の居場所がなくなるように思ってしまう
社会的、親族家庭内でも精神的に孤立してしまう
不眠、目眩、耳鳴り、深酒、血圧上昇、悪夢等様々な身体への影響が生じる‥

自身の中で一番大きいと思ったことは、仕事との両立でした。
それなりに役割を果たしていたことが、どんどんできなくなっていく‥自分の社会的な価値がなくなってしまうような錯覚です。やはり人間、社会的との繋がりに価値を感じることが多いのでしょう。


今、介護に追われる子供、介護に集中するするために仕事ができない大人の人達がいます。
システムとしてフォローする体制の整備が始まりかけているようです。

支援の形は様々ですが、私は自身の経験から、まず「あなたの居場所は確保されているし、あなたにはとても大きな価値がある」ということを伝えたいと思います。

介護される側の人には何も悪いことはありません。そのような人達、あるいは先輩たちの価値はとても大きいと思います。私も将来的に自身もそちらの側に立つことになります。

被介護者が穏やかに暮らすことができて、また介護者にもを優しい社会になってほしいと心から思います。

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