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ジーンズの品質管理と製品検査
KENZOです。
過去記事で、デニム生地ができるまでの過程や、それがジーンズになっていく過程について解説してきました。
完成形に近づいたジーンズも、しっかりと品質管理や製品検査が行われているからこそ、我々消費者の手にとどているのです。
この記事では、ジーンズの品質管理や製品検査について解説していきます。
品質管理
ジーンズに限らず絵すさすが、より良い製品を生産し提供し続けるためには、品質保証体制が重要になります。
品質保証体制とは
品質保証体制とは以下のようなことです
製造工程基準(どう正しく作るかのマニュアル)
試験方法基準(業界基準を参考にどの試験方法を採用するか)
品質基準(どのレベルを守るか)
人的組織体制(責任担当者はどうするかなど)
デニム素材を用いたジーンズの品質管理には、ほかの衣料品と異なる性質を持っています。
・生地は丈夫だが、色落ちや色移りしやすい
・ダメージ加工による傷や穴がある
・縫製後の洗い加工で不具合が出現することがある
・製織、縫製、洗い加工、最終製品の段階で検査を行う
デニムの特性、ジーンズの特性を理解して品質管理を行うことが大切です。
製品検査
製品検査は主に以下のように分類されます。
寸法検査
外観検査
物性、堅牢度検査(公的機関に依頼)
検針機検査(PL法対策)
製品検査はチェックシートなどを使って行われますが、その内容には次のようなものがあります。
仕様書の指示通りに縫製されているか
縫製後の外観の不良や不具合はないか
各部位のサイズは適正化
商品としての不具合はないか
実際はこれらを細分化して項目分けされチェックされています。
ですが中には縫製時の不良製品も出てきてしまいます。
形態不良:ポケットなどのズレ
縫目とび:縫い目の形の不揃いや縫い目とびなど
縫糸切れ:張力が強すぎるなどで縫糸が切れる
パッカリング:縫い合わせ箇所の縮みや生地ズレによるシワ
縫いはずれ:縫い目が布端からはずれる
カン止め不良:カン止めが適正にされていない
このような不良品は製品検査で引っかかるわけですが、細かいチェック項目があるからこそ、高い品質の商品を手にすることができているのですね。
検針対策
欠陥商品による消費者の被害救済を目的としたPL法があります。
PL法では消費者に事故が起こったとき、その製品に何らかの問題を認めた場合には、消費者は製造者の過失の有無に関わらず製造者に損害賠償を請求できるようになっています。
ジーンズではミシン針や金属片などの混入は、特に消費者を傷つけてしまう恐れがあります。PL法という法もありますが、消費者に安心して身につけてもらうためにも、徹底した品質管理が行われています。
染色堅牢度
ブルーデニムの染色堅牢度は悪いといわれています。
なぜならインディゴ分子と線維との結合が非常に弱いからです。
堅牢度を表す用語に「乾摩擦堅牢度」と「湿摩擦堅牢度」があります。それぞれ乾いた布へこすりつけたときの色移りの度合いと、湿った布へこすりつけたときの色移りの度合いを示します。1級〜5級で示され、5級が最高で1級が最低です。特にデニムでは、湿摩擦堅牢度が1級〜2級程度で「濡れてこする」と色落ちしやすいという特性があります。
ブルーデニムの製品には、インディゴ染め製品の色移りに関する注意書きを添えつけて、消費者に特性を理解して使ってもらう工夫をしています。