#132 今気になっていること
いつもありがとうございます、ロウレイです。
今週はまともな記事を書くだけの段取りがうまくいかず、普段と同じような形をとれませんでした。
そこで、最近気になっていることを書こうと思います。
それはミトコンドリアDNAです。
ご存じの方もいるかと思いますが、家族でキャンプに訪れていた小学生が迷子になり、その後数年たってから骨の一部が発見された出来事で注目をされました。
白骨化した骨は、DNA鑑定では個人を特定できず、ミトコンドリアDNA鑑定により、迷子になった子と母親に血統があることが証明でき、迷子になった子どもだと断定できました。
一般的なDNA鑑定は、その個人を特定するために使われますが、ミトコンドリアDNAでは母性遺伝がわかるので、今回のケースのように、母親の体内にあるミトコンドリアDNAと娘のミトコンドリアDNAはおなじものになるため、個人は特定できなくても、母親と娘は同じ母性遺伝があることは証明できます。
わたしは、ミトコンドリアDNAの存在を知りませんでしたが、ミトコンドリアDNAの母性遺伝子が過去も今も同じ遺伝子を共有しているなら、今生きている人のなかで、何千年前に生きていた人と同じミトコンドリアDNAを保有している人がいるんじゃない?と思いました。
案の定調べてみると、ヒトの場合、父親と母親の間に出来た子供のミトコンドリアは、母親のミトコンドリアDNAを受け継ぎ、父親のミトコンドリアDNAは受け継がれないことを利用し、アフリカ、ヨーロッパ、アジアの女性のミトコンドリアを採集して、その祖先を辿る研究が行われたようです。
そして研究により、アフリカ人が最初に分岐するグループだということが判明し、さらに、このグループをたどると約17万年前に生きていたアフリカの女性に行き当たったそうです。
でも、なぜミトコンドリアDNAは女性にしか受け継がれないのでしょうか?
どうやら、受精の際に男性のミトコンドリアDNAは切り離され、受精卵に入れてもらえないからだそうです。
これを二つの村の統合として考えてみましょう。
ここに男性の村と女性の村があります。
男性村には男性ミトコンドリアの住人が沢山いて、男性DNAを持つ村長が一人います。同じく女性村には女性ミトコンドリアの住人が沢山いて、女性DNAを持つ村長が一人います。
時が来ると、男性村と女性村は統合し、ひとつの村になります。
そのときに必ず決まったルールがあり、男性村と女性村が統合する時には女性の村に男性の村長一人だけが入村を認められます。
女性村には、沢山の男性村からの統合の話があるので、女性村の村長はできるだけ優秀な男性村の村長を選び、それ以外を受け入れなくても問題ありません。
あくまでも、女性村の繁栄のために男性村から男性村の村長を受け入れるのです。
そこで統合された村は女性の村長の個性を50%、受け入れた男性村長の個性を50%受け継ぎ、新たな村が誕生します。
生まれた村長が男性なら男性村に、女性なら女性村になります。
ここで、面白いのは女性村の村長は変わっても女性村にいる住人であるミトコンドリアは住人として居続けるわけです。
生まれた村長が男性なら、いずれどこかの女性村と統合しても、村長がいなくなった男性村は廃村になるので歴史に埋もれます。
しかし、女性村は違く、村長は変わっても村は生き続けるのです。
そうやって、何代にも女性村を受け継いできたのであれば、現代でも過去の女性村が残っていてもおかしくありません。
つまり、男性は女性のための環境適応のための素材でしかないことがわかります。
男性として生まれても自分の遺伝子は子に50%、孫に25%、ひ孫に12.5%、といずれ、ゼロに限りなく近くなりいつしかその影もなくなるのです。
そう考えると男性とは儚い生き物だと思えます。
もっとも、自分の生きている今だけが良いのであれば関係ありませんが。
カマキリのオスが交尾後にメスに食べられることを考えると、生物的には当然の帰結なのかもしれませんね。
おわり
最後まで読んでいただきありがとうございます。
本田しずまるさん画像を使用させていただきました。
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