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大好きでたまらないディズニー映画について

幼稚園くらいのときは『シンデレラ』だったな。
幼い頃からの辛い境遇の中でも、夢と光を見失わずに夢を見続けて、夢を叶えたプリンセス。
あの水色のふんわりドレス・・・憧れた。

でもいつからか、『美女と野獣』が1番好きって言い切るようになった。

まずはベルに惹かれた。
あのドレスかわいい。
歌声が素敵。
自分の欲求を貫く強さも秘めた優しさ。
人から変わっていると言われているけど自分を貫く軸の強さ。
愛する父を探しに恐ろしい城に飛び込む行動力。
読書家なところ。
読書で夢を見る姿。
あの歌たちの旋律。

でも大人に近づいていった頃、私は野獣に惹かれ始めた。
美しい人だなぁ、と思ったから。
登場人物の誰よりも人間臭い彼。
弱さと強さの両面を持つ姿。
繊細な心。
思い通りにならないことから、暴れたり落ち込んだりしてきたありのままの姿。
本が大好きなベルへ、城の図書室をプレゼントしたところ。
ベルの本当の望みのために、彼女を城から解放してあげたところ。
ガストンの真っ直ぐな殺意にすら善意が湧いて彼から手を引いてしまうほど、ベルと出会ってから触れてきたベルの優しさによって彼の内面に秘められた真の優しさが目覚めていたところ。
ベルの心を真っ直ぐに受け止めていた姿。

あの物語では、ベルが何かを教える側の人物だとずっと考えてきたけど、たぶんそれだけじゃなかった。ベルが野獣を目覚めさせていた点ももちろんあるけれど、野獣もベルに教えていたし伝えていた。「君の優しさは唯一無二で、ありのままの強さを秘めた君こそが美しい」って。野獣がベルにそう伝えていたから、ベルはクライマックスで自分の気持ちに気づくことができたんだなって。
野獣がいなかったら、きっとベルは、他者への「愛おしい」って気持ちに気付かないまま人生を進んでいたかもしれない。
本当にあったかい心を持っていたのはベルじゃなくて野獣だった。
大人になってからはそう感じる。

実写版で追加された野獣の曲「Evermore」は主題歌よりも好きだ。
聞くと、堪らない気持ちになる。

2人はお互いのことを大好きになった。
命をかけてお互いを守るくらい。
そこにはお互いへの「こうあってほしい」っていうコントロールはなくて、あるのは「そうである、ここにいる、そのもののあなたが好きなんだ」っていう気持ち。
これが人を本当に好きなるということだって、野獣に惹かれるようになってからようやく理解できるようになった。

観るたびに感動して泣いてしまうのは、2人がスープを飲むシーン。
ズズズ、と皿から直接飲む野獣をコントロールせず「それなら私も」って、一緒にお皿から直接飲むベル。
あのワンシーンを考えた人に手紙を送りたいな。
あのシーンでしゃくりあげるほど泣いてしまう。
愛が育っていく過程って美しい。

実写版では、野獣とベル、それぞれの人物が抱えるどうしようもない悲しみや寂しさについて、ストーリーが掘り下げられいていたことが嬉しかった。2人が惹かれあった根本には寂しさがあったっていう深みに繋がっている気がして、より物語に没頭することができた。

アニメーションも、実写版も、この作品には温かみがある。華やかな城のダンスシーンの中にも、豪華さと紙一重の冷たさはない。どのシーンにも、どこか素朴な雰囲気と感情が含まれていて、特にホールのダンスシーンでは、シャンデリアの光の熱もなんとなく感じることができる。
だからあの物語は、私の心の中の、特別な、あったかい場所に在る。
愛は愛。
心の繋がりは互いを救うことを教えてくれた。

私が見たことのある美女と野獣は、ディズニーのアニメ版と2017年の実写版の2つ。
フランス版のものは少しストーリーが違っているという話を聞いたことがあるから、いずれそれも観てみたい。
それにしてもベルのあのドレス・・・一度でいいから着てみたい。アニメ版のも実写のも。
書いていたらまた観たくなってきた。

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