私のバレンタイン 2020.03.03
今年のバレンタインは恋人からチョコレートをもらった。恋人は男性だから、世間で言う「逆チョコ」にあたる。
私は昨年の11月から(!)転職活動をしていて、今年の2月14日前後は本命企業の最終面接の時期とかぶりそうだったので、チョコレートやメッセージカードの用意がむずかしかったのだ。
恋人にこのことを伝えると、「あ、そうなんだ。じゃあ私が(わたす側を)やりますよ」とあっさり逆バレンタインが決まった。
バレンタイン直前の日曜日、恋人はデパートが開く10時に合わせてひとりで家を出た。前日は夜遅くまでふたりで映画を見ていて寝不足だったから、もう少し遅くてもいいんじゃない? と言ったら、「せっかくお休みなんだから、お昼とか夜は一緒にいたいじゃん」と笑ってくれた。
一緒に暮らしていて、毎日顔を合わせるのに数時間を惜しむ彼がたまならなく愛しかった。「恋の寿命は3年」なんてフレーズに怯えたこともあったけれど、こういうことが起こる度に恋に落ちなおして寿命が3年延長されている気がする。
催事場はあらゆる年齢の女性でごった返していたらしい。人混みを嫌う恋人が、そんな中でひとつひとつ試食してチョコレートを選んでくれたという事実に顔がほころんだ。
チョコは4箱もらったが(すべて恋人からだ)、選んだ理由を丁寧に教えてくれたのも嬉しかった。
これまでの人生で私の周りには、チョコレートの数をものすごく気にしたり、「バレンタインの時期になるとチョコが買いにくくなる」とこぼす男性が少なからず存在した。
一方で逆チョコをさらりと受け入れ、女性だらけの催事場でチョコを買って、おすすめポイントや店員さんに聞いた商品知識をニコニコと解説してくれる恋人はちょっと変わった人の部類だ。私はそんな恋人のちょっと変わったところが大好きだし、その優しさやフラットな視線と共にあれる私でありたいと思う。
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