【超短編小説】「面影」

「懐かしいわねえ」
「当時の面影は全然ないなあ」
 五十年ぶりに母校を訪れた卒業生たちはそんなことを言い合った。
 卒業時に寄贈した兎が、電極を挿された脳味噌だけの姿で生かされているのを見て。

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