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アメリカを読むミステリ100冊
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イントロダクション
1 アメリカ小説の世紀 ――1920年代まで
1 偉大なアメリカ探偵の先駆け
ジャツク・フットレル『十三号独房の問題』1905
メルヴィル・D・ポースト『アンクル・アブナーの叡知』1918
シオドア・ドライサー『アメリカの悲劇』1925
アーサー・コナン・ドイル『恐怖の谷』1914
2 百パーセントのアメリカ製名探偵 Ⅰ
S・S・ヴァン・ダイン『ベンスン殺人事件』1926
S・S・ヴァン・ダイン『僧正殺人事件』1929
アール・D・ビガーズ『チャーリー・チャンの活躍』1930
T・S・ストリブリング『カリブ諸島の手がかり』1929
3 百パーセントのアメリカ製名探偵 Ⅱ
ダシール・ハメット『赤い収穫』1929
ダシール・ハメット『マルタの鷹』1930
4 アメリカの奥の果て
H・P・ラヴクラフト『インスマウスの影』1930
2 黄金時代 ――30年代から戦中へ
1 予告された悲劇
エラリー・クイーン『エジプト十字架の謎』1932
エラリー・クイーン『Yの悲劇』1933
2 あらかじめ回避された悲劇
ジョン・ディクスン・カー『三つの棺』1935
ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』1937
3 アメリカ的小説工房の名探偵二人
アール・スタンリー・ガードナー『ビロードの爪』1933
レックス・スタウト『料理長が多すぎる』1938
アーヴィング・ストーン『クラレンス・ダロウは弁護する』1941
4 マルチチュードの女たち
ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』1942
レイモンド・チャンドラー『さらば愛しき女よ』1940
5 三十年代実存小説の諸相その他
ジェイムズ・ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』1934
ホレス・マッコイ『彼らは廃馬を撃つ』1935
ナサニエル・ウェスト『クール・ミリオン』1934
ジョナサン・ラティマー『処刑六日前』1935
6 死体置場行きロケット打ち上げ
H・H・ホームズ『死体置場〈モルグ〉行きロケット』1942
クレイトン・ロースン『棺のない死体』1942
ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ『赤い右手』1945
オーガスト・ダーレス『ソーラー・ポンズの事件簿』1945
7 この素晴らしき〈ワット・ア・ワンダフル〉ミステリたち
クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』1944
パット・マガー『七人のおば』1947
アラン・グリーン『くたばれ健康法!』1949
8 アメリカの災厄と光明と
エラリー・クイーン『災厄の町』1942
ウィリアム・フォークナー『八月の光』1932
リチャード・ライト『アメリカの息子』1940
9 早く来すぎたポストモダン
キャメロン・マケイブ『編集室の床に落ちた顔』1937
3 大戦後社会小説の多様化 ――大戦以後から50年代
1 クイーン家の出来事
エラリー・クイーン『十日間の不思議』1948
エラリー・クイーン『九尾の猫』1949
パトリック・クェンティン『わが子は殺人者』1954
2 社会化される個
ヒラリー・ウォー『失踪当時の服装は』1952
ミッキー・スピレーン『裁くのは俺だ』1947
エド・マクベイン『警官嫌い』1956
3 社会化されざる人びと
アイラ・レヴィン『死の接吻』1953
フレドリック・ブラウン『彼の名は死』1954
4 アメリカの庭の外で
チェスター・ハイムズ『イマベルへの愛』1957
デイヴィッド・グーディス『深夜特捜隊』1961
ジム・トンプスン『内なる殺人者』1952
ジョン・D・マクドナルド『夜の終り』1960
5 冷戦と洗脳
ジャック・フィニイ『盗まれた街』1955
ロバート・ハインライン『人形つかい』1951
リチャード・コンドン『影なき狙撃者』1959
6 クイーンの定員と非定員
ハリー・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」1947
ジェイムズ・ヤッフェ「ママは何でも知っている」1952
スタンリー・エリン「特別料理」1948
ロアルド・ダール『あなたに似た人』1953
7 暗い鏡の中のマクロイ
ヘレン・マクロイ『暗い鏡の中に』1949
ビル・S・バリンジャー『歯と爪』1955
ジョン・フランクリン・バーディン『悪魔に食われろ青尾蠅』1948
4 もう一つの黄金時代 ――60年代と70年代
1 この不条理な夜に
カート・ヴォネガット『母なる夜』1961
ジョーゼフ・ヘラー『キャッチ=22』1961
ケン・キージー『カッコーの巣の上で』1962
2 ミラー=マクドナルドの試練
ロス・マクドナルド『ウィチャリー家の女』1961
マーガレット・ミラー『見知らぬ者の墓』1960
3 アンドロイドペット・シンドローム
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』1968
リチャード・ニーリィ『殺人症候群』1970
4 さまざまな定型の継承者たち
アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会』1974
エドワード・D・ホック「有蓋橋の謎」1974(サム・ホーソーンの事件簿)
ドナルド・E・ウェストレイク『ホット・ロック』1970
ジョー・ゴアズ『ハメット』1975
ジェイムズ・クラムリー『さらば甘き口づけ』1978
ロバート・B・パーカー『レイチェル・ウォレスを捜せ』1980
ローレンス・サンダーズ『魔性の殺人』1973
ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ『裁くのは誰か?』1977
5 ポスト・レイシズムの視点
トニイ・ヒラーマン『死者の舞踏場』1973
エド・レイシー『褐色の肌』1967
6 遅れてきた不条理小説
ジョゼフ・ウォンボー『クワイヤボーイズ』1975
ジェローム・チャーリン『ショットガンを持つ男』1975
7 境界線上に立つ
トマス・ブロック『超音速漂流』1979
トレヴェニアン『シブミ』1979
ロバート・ラドラム『暗殺者』1980
8 カウンター・カルチャーの申し子たち
スティーヴン・キング『シャイニング』1977
ディーン・クーンツ『ウィスパーズ』1980
5 世界のための警察国家 ――80年代
1 アメリカ人よアメリカから出ていけ
トム・ウルフ『虚栄の篝火』1987
カール・ハイアセン『殺意のシーズン』1986
2 犯罪小説の二人
ロス・トーマス『神が忘れた町』1989
エルモア・レナード『ラブラバ』1983
3 鷲の翼に乗って
マーティン・クルーズ・スミス『ゴーリキー・パーク』1981
ケン・フォレット『鷲の翼に乗って』1983
4 すべての哀しきサイコ・キラーたち
トマス・ハリス『レッド・ドラゴン』1981
ジェイムズ・エルロイ『キラー・オン・ザ・ロード』1986
トマス・ハリス『羊たちの沈黙』1988
5 わたしのなかのわたしでないわたし
ダニエル・キイス『24人のビリー・ミリガン』1982
ダン・シモンズ『殺戮のチェスゲーム』1989
6 ヴェトナムから遠く離れて
ネルソン・デミル『誓約』1985
ピーター・ストラウブ『ココ』1988
7 私立探偵小説の変容 一 女探偵登場
サラ・パレツキー『サマータイム・ブルース』1982
スー・グラフトン『探偵のG』1990
パトリシア・コーンウェル『検屍官』1990
8 私立探偵小説の変容 二 ポストモダンのタフガイ
ポール・オースター『シティ・オブ・グラス』1985
ピート・ハミル『マンハッタン・ブルース』1978
9 私立探偵小説の変容 三 本流はどこに
ジェイムズ・エルロイ『ブラック・ダリア』1989
ローレンス・ブロック『八百万の死にざま』1982
アンドリュー・ヴァクス『赤毛のストレーガ』1987
10 新たなアメリカン・ヒーローの登場
スコット・トゥロー『推定無罪』1987
ジョン・グリシャム『評決のとき』1989
6 グローバリゼーション革命に向けて ――90年代
1 生まれながらの殺人者たち
デイヴィッド・リンジー『悪魔が目をとじるまで』1990
ウィリアム・ディール『真実の行方』1993
ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター』1997
グレッグ・アイルズ『神の狩人』1997
トマス・ハリス『ハンニバル』1999
2 過去を振り返る
マックス・アラン・コリンズ『リンドバーグ・デッドライン』1991
ジェイムズ・エルロイ『ホワイト・ジャズ』1992
3 歴史をさかのぼる
デイヴィッド・ハンドラー『女優志願』1992
フェイ・ケラーマン『慈悲のこころ』1989
ウィリアム・ヒョーツバーグ『ポーをめぐる殺人』1994
ルイス・シャイナー『グリンプス』1993
シオドア・ローザック『フリッカー、あるいは映画の魔』1991
ダン・シモンズ『諜報指揮官ヘミングウェイ』1999
4 夜明けの光の中に
オットー・ペンズラー『愛の殺人』1996
ローレンス・ブロック『殺し屋』1998
D・W・バッファ『審判』2001
スティーヴン・ハンター『極大射程』1993
トマス・H・クック『夏草の記憶』1995
5 神の見捨てた地
ジェス・モウリー『ウェイ・パスト・クール』1992
ポーラ・L・ウッズ『エンジェル・シティ・ブルース』1999
マイケル・スレイド『暗黒大陸の悪霊』1996
エドワード・バンカー『ドッグ・イート・ドッグ』1996
リチャード・プライス『フリーダムランド』1998
ボストン・テラン『神は銃弾』1999
ビル・ボナーノ『ゴッドファーザー伝説』1999
6 アメリカ的デラシネの遺書
パトリシア・ハイスミス『死者と踊るリプリー』1991
7 バッドランズのならず者 ――9.11から現在へ
P・J・パリッシュ『死のように静かな冬』2001
ジェフリー・ディーヴァー『青い虚空』2001
マイクル・クライトン『プレイ 獲物』2002
バリー・アイスラー『雨の牙』2002
デニス・ルヘイン『シャッター・アイランド』2003
エドガー・アラン・ポー「群集の人」1840
ダシール・ハメット「ターク通りの家」1924