soumbalgwang 来日公演 一日目、名古屋金山ブラジルコーヒー。
まずは、今回soumbalgwangの名古屋、東京の2公演に遊びに来てくれた皆さん、協力してくれた金山ブラジルコーヒー、下北沢BasementBar、サポートをしてくれたnicfit、BOARD、schedars、ANISAKIS、情報拡散などに協力してくれた皆さん、ありがとうございました。
soumbalgwangに取ってもかけがえのない体験になった様で、この2日間が無事終える事が出来たのは本当に嬉しくて、自分に取っても有意義な体験となりました。
こういった文章を書くには少し日にちが空き過ぎたかも知れませんね。今年あったことは今年のうちに書いておくべきでしょう。
2024年12月20日(金)
事前のやり取りでこの日、中部国際空港セントレアに14:20に着くとの連絡をもらっていたので飛行場には1時間前に着いていることという鉄則が身体に染み付いてしまっている為、迎えに行くだけにも関わらず13:20には空港に到着していた。正確に言えば12:50分。レンタカーのプロボックスバンをチャーターして。
空港に着き普段からsoumbalgwangとの連絡をやり取りしていたInstagramを開いた。
soumbalgwangアカウントから予想通りDMが届いていた。
するとそこには「ベーシストのキム・ソンビンのみ諸事情飛行機に乗る事が出来ませんでした!私たちは怒りと悔しさで一杯でしたが、ソンビンは後で必ず来ると信じていますので出発します!他の3人は時間通り到着する予定です」とのメッセージが!!
一体何が起こっているのか?
そんな頃、6eyesのベーシストのれんくんから連絡があり一緒に空港に迎えに行くとの連絡あり、合流した。れんくんにその緊急事態を話し我々は一体どういう状況なのかわからないままsoumbalgwangを待ち続けた。
するとsoumbalgwangのインスタストーリーには3人が飛行機に乗ってピースしている写真が投稿されていた。写真の中の彼らは笑っていた。まぁ大丈夫なんだなと私たちも思えた。
14:20釜山発中部国際空港着の飛行機は無事着いた。そこから15分ほどするsoumbalgwangのカン・ドンス、パク・ソンギュの顔が見えた。私たちは今年5月に会ったばかりだったが、長年の友人に何年ぶりかに会ったくらいに感動した。そしてもう1人、新メンバーのマ・ジェヒョンとも初対面した。(正確に言えばジェヒョンは5月の6eyesの釜山のライブに遊びに来てくれていたので初対面ではないが。)
金山ブラジルコーヒーに着いた。車の中では色々な話をしたが不思議とキム・ソンビンについての話は少なかった(笑) 。彼らが到着してすぐソンビンが当日中に名古屋に来ることは不可能で翌日の東京にソンビン1人で来る事になったという報告を受けたので若干心配ではあったがまぁ大丈夫だろうと思えたからだ。そして今日のライブはれんくんが代わりにベースをやるという話が瞬間で決まった。なのでソンビンに関しては翌日を待つのみという状態で運命に身を委ねた。
到着してすぐにリハーサルがスタートし、れんくんも参加した。まるで何度もリハーサルを重ねたかの様にれんくんはsoumbalgwangの曲を演奏していた。すごくないか。そして6eyes、BOARD、nicfitとリハーサルを行い、初めての海外からの召喚イベントで若干緊張していたおれはここでようやく普段のイベント開始前の様な落ち着いた気分になれた。
オープン時間の18:30の前、soumbalgwangにBOARD、nicfitのメンバーを紹介した。カン・ドンスは日本のアンダーグラウンドシーンへの知識量が凄い。初めておれとDMのやり取りをした時に既に6eyesを知ってくれていた。まさか韓国におれらの事を知っている人がいるとは夢にも思っていなかったから本当に驚いた。カン・ドンスの知識は裸のラリーズから現代のSPOILMANまでに及ぶ。その中にはおれの知らない様な80年代のアンダーグラウンドパンクバンドがいくつもいる。そんな彼が2023年もっとも聴いていた日本のバンドがnicfitと schedersだった。そんな事から今回の日本ツアーの名古屋にはnicfit、東京にschedarsにオファーをかけた。カン・ドンスは初めて生で見るnicfitのリハーサルで既に感動していた。そりゃそうだろう。ドンスにとっては例えて言えばおれが韓国でnewjeansのリハーサルを目の前で見ているのと同じくらい念願の出来事だったのだから。
19:00になり10分押でイベントはスタートした。平日の名古屋にも関わらず沢山の人が金山ブラジルコーヒーに遊びに来てくれた。一番手はnicfit。ご存知のとおり、nicfitのドラマーは6eyesのドラマー桑ちゃんである。なので6eyesとnicfitは共演する機会が少ない。おれも随分と久しぶりにnicfitのライブを観た。相変わらずソリッドなアートパンクでかっこいい。曲の入りでトチる度にチャーリーがメンバーでもないおれに「これで良いよな?」と訴えかける様なアイコンタクトを送ってくるがこれもnicfitの一部なのか。これを受けておれが「え?」みたいな表情をする事でnicfitのサウンドが形成されている可能性もあるかもしれないので、おれはその都度「え?」という顔を続けた。
続いてはBOARD。カン・ドンスはBOARDの事は知らなかったが絶対に好きだと思い、またDMだけでやり取りしてる期間にライブ映像などを送った。この日のBOARDは同じ月の頭にKING BROTHERSと共に金山ブラジルコーヒーでライブを行ったばかりの為かこのタイプのバンドだと難しい感じのするブラジルコーヒーのステージを完全にマスターしていた。おれがBOARDの好きなところは不良がやっている冷めた鉄を打つ様な音楽だからだ。サウンドが似ているどうのではなく、JOY DIVISION、当時のFACTORYの連中とそこが共通しているところだ。(映画24hour party peopleを観て貰えばおれが言っていることがわかるはずだ)この日のライブはまさにその不良性が剥き出しになっていてカン・ドンスもそこを凄く気に入っていた。韓国に来たら人気が出るはずだと言っていた。
BOARD、韓国に行こう!
そして6eyesだ。今まではどんなイベントに呼ばれたり自分が主催であっても自分たちが一番観客に喰らわせられないと気が済まないといった呼ばれた結婚式で花嫁より目立つ衣装で出席して叩かれるインフルエンサーの様なマインドだったのだが、手を抜くという事とは違って次に控えるsoumbalgwangのライブこそが今日来てくれているお客さんに観てもらいたい、印象に残ったものになって欲しいと初めて他人のバンドの事を思いながらライブをやった。熱量としては同じだがベクトルが違う。その違いに気づかれた方がいらっしゃいましたらご連絡ください。細やかな景品を差し上げます。
いよいよこの日の主役、韓国釜山から来たsoumbalgwang。彼らとは本当に偶然というか運命めいた出会いでまず5月に6eyesが、そして今回12月にsoumbalgwangがそれぞれの国に行ってライブをするという自体にまで発展したのでついにこの日が来たな、そしてもうその1日目が終わりに近づいているのかと感情の二重構造でそのライブを観た。彼らのライブは5月の釜山で目の当たりにして、その迫力に圧倒されたが今回はドラマーが前ドラマーのアヨンちゃんからジェヒョンに変わっていた事や、彼らも本国で様々なステージを踏んだり新作のアルバム制作、発表を経ていてバージョンアップされていたサウンドにはとても感動した。ベースのソンビン不在で3人だけで演奏するパンクナンバーを数曲聴いてもなんの不足もない様に感じられた。れんくんが参加した数曲はもちろん最高だった。彼らは今後もっと成長していくだろうと感じた。ともかく説得力がある。メンバーたちも凄く楽しそうに演奏していてとても嬉しかった。今回のライブで気がついたがギターのソンギュはめちゃくちゃギターが上手い。おれのギターを貸していたが、え?おれのギターこんな音出るんだと驚いた。やっぱりギターは人。ドラムのジェヒョンはずっと笑顔でドラムを叩いている。そこが本当に最高だった。初期のビートルズくらい笑いながら演奏している。最高のドラマーだ。ドンスはパンクロッカー、いやパンクロッカーに憧れている青年だ。だが、それこそがパンクロッカーなのだと思う。パンクロックに魅了されパンクバンドに憧れてそれを始める、全身で体現しようと足掻く、その状態こそがパンクロックそのものだ。彼はおれにとっての新しいパンクヒーローだ。
音楽を言葉で説明するのはむつかしい、けど体験すれば簡単に伝わる。その伝わったものは永遠に他に盗まれる事はない。素晴らしいではないか。
次回東京の話。