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マカオ旅行記2
二日目。
朝起きて、ホテルのビュッフェに行った。
ホテルの予約の時、朝食だけは付けておいたのだ。
どんな料理が並んでいるのかと、ドキドキした。
良い匂いが漂ってくる。
そんなに広くないスペースに、横長のテーブルがいくつか並んでいた。
自分の席を確保して、ご飯を取りに行く。
春雨や春巻きなど、全体的に中華っぽいメニューは多めだったが、別に特別なものは何もなかった。
そして朝から少々重かった。
窓の外の空港を見渡しながら食べ終えた。
ご飯を食べ終えて、いよいよこの旅の大本命、バンジージャンプに向かう。
バンジージャンプはマカオタワーにある。
高さ233m。
今のところ世界一高いジャンプサイトだ。
ホテルからマカオタワーまでは少し離れる。
どうやって行こうか考えた。
距離的には歩けなくはなさそうだが、途中にある大きな橋は歩いて渡れるのか。
迷った結果、思ったより安かったためホテル前のロータリーからタクシーに乗った。
運転手さんに地球の歩き方を見せて、なんとかここへ行きたいと伝えた。
走り出し、しばらくして大きな橋を渡る。
少し遠くに、初めてマカオタワーが見えてきた。
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15分ほどで到着した。
![](https://assets.st-note.com/img/1664592321813-WdI5pUScWF.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1664592657640-RNG88ccsas.jpg?width=1200)
いよいよだ。と、胸踊らせながら建物に入る。
受付を探すも、どこからどう登るのか全く分からない。
しばらく建物内をぐるぐるして、ようやくエレベーターを見つけた。
ご覧の通り、無機質なコンクリートの建物で、内側も変わらない。
エレベーターには大きな窓が付いていて、景色、コンクリート、景色、コンクリート、景色…のように高度と緊張感を上げていく。
![](https://assets.st-note.com/img/1665975048892-nVhAXHPuuX.jpg?width=1200)
到着して受付に行き、予約していた旨を伝える。
ロッカーを案内され、荷物を全て預け、渡された紙に色々記入し、最後にサインをし体重を量り手に何か書かれる。
バンジージャンプではお決まりの流れだ。
紙を受付に渡し、この説明を読んどけとばかりに英語の注意事項を渡される。
この2ヶ月前に日本一のバンジーを跳んだから、図を見ればなんとなく分かるが、詳しいことはさっぱりわからない。
命に関わる事を言ってる気がするが、大丈夫だと信じるしかない。
しばらくすると、外からスタッフさんが来た。
そして案内される。
もう完全に外だ。
そこには何人かの陽気な兄さんがいた。
僕が日本人だと分かると、片言の日本語でいつ来たのか、誰と来たのか、バンジーは跳んだことあるかなどを聞かれた。
最終的に日本から一人で来たと分かると、数人で「ワァーオ、キー○ガーイー!イェー!!」とハイテンションで言われた。
この人に日本語教えた奴出てこい。
その後は椅子に座らされ、手際よく準備。
しっかりとハーネスを着け、手にGoProを付けてくれた。
そのまま立ち上がりGoProや固定のカメラにコメントをする。
両足を繋いでいる金具にバンジーのコードを繋ぐ。
ジャンプ台に進むも、両足が繋がれていてペンギン歩きしかできない。
それを見て怖がってると思ったのか、陽気な兄さんは背中をバシバシ叩きながら片言で「ダイジョブーッ!」と笑う。違うんだ。
ジャンプ台からつま先を出し、手すりを掴みながら、手元のGoProと天井のカメラに最後のコメントを残す。
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眼下には人や車がアブラムシくらい小さく見える。
さっきタクシーを降りた、タワー前のロータリーも見える。
大きなカジノやリゾートホテル、遠くにはボロボロの高層アパート。
両腕を横に伸ばし、十字に構える。
そして唐突に勢い良くカウントが始まった。
「ヒァウィーゴー!ごー!よん!さん!にー!いち!」
思い切り跳んだ。
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昔テレビの罰ゲーム企画で見たマカオタワーからのバンジー。
まさか自分が、罰ゲームでもなんでもなく、自主的にそこから跳ぶなんて夢にも見なかった。
落下時間の長いこと長いこと。
そしてまあ頭に血がのぼること。
でもとにかく、最高の気分だった。
地上に下ろされ遠くのカメラとGoProにコメントを残し終了。
そして一人海外でやるバンジーの終わったあとは、虚しかった。
誰とも共有できないのだ。
それまで最高の笑顔を浮かべていた男は、一瞬で真顔に戻った。
次は絶対に誰か道連れにしようと心に誓った。
そのまま、預けた荷物と写真や映像のデータを貰うため、再びタワーを上る。
上に行く道中、全く知らないどっかの国の観光客の団体にヒーロー扱いしてもらった。
恥ずかしかったが、誇らしくなった。
荷物を取り、データを受け取る。
一つ下の階に行くと、展望台になっていた。
床がガラス張りになっている箇所がいくつもある。
子供が震えていた。
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少ししてタワーを降りた。
しかしそこでしばらく立ち尽くす事になる。
そう、この後の予定が何も無いのだ。
大いなる目標を達成すると、人は立ち尽くすのである。
さて、マカオ旅、残すところあと2日。
どう過ごすか。
続く。