2024年9月インプットまとめ

テキスト『NHK「100分de名著」ブックス 歎異抄』
歎異抄、青空文庫にあるだろうと思ったら、現代語訳した作品は著作権が切れてなかった。
これは歎異抄の内容ではなく、講師釈徹宗さんの考えだと思うが、宗教とは従来と異なる価値観を提示するものだというのはしっくり来た。

「善人なをもって往生を遂ぐ。いはんや悪人をや(善人でさえ幸せになれるのだから、悪人はなおさら幸せになれる)」の一説が有名だが、善悪の定義が面白い。
ここで言う善とは自力による救済、悪とは他力による救済を指すのだ。修行をしたものだけではなく、修行できない普通の者たち=悪人にも救済はあると説いている。

ゲーム『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation』マティス√
※ネタバレあります。
ジャン、顔が好きなので攻略できないのを残念に思っていたら、マッドサイエンティストだった。
他人の記憶を日替りで上書きされ続けて、それでも恋愛感情を保持できるのかがテーマなのだろうが、そもそもそれを同一個体として認めるかというある種哲学的な問が立ちはだかってノイズだった。

ゲーム『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation』リュカ√
カプシーヌ先生もマッドサイエンティストだった…1つの作品にいくらサブキャラといえどマッドサイエンティスト2人も要らないと思う。

この世界において「リライバーになるのは自由です」と説く教師はかなり危険思想だろうと思っていたが、実際はもっとだった。
とはいえ、薬の影響が大きくどこまでか彼の意志なのかが常にはっきりしない。そこが彼を好きになれなかった理由だと思う。妹を人質に取られ、苦しみながら死刑執行人をしているという、シンプルな設定だったら今よりは好きになれたと思う。
ナディアが可愛い。声も可愛いなと思って調べたら久保田梨沙さんで廃業されてた、悲しい。

ゲーム『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation』イヴ√
このゲームの世界観、難しすぎるので深く考えるのはやめにした。メタ的な印象として、継ぎ接ぎ感は否めない。キャラクターとやりたいシーンが先にあって、それを実現するための舞台装置としての世界観づくりをしている。
イヴ、好きにはならなかったが、良いキャラだった。博愛主義者が本当の「愛」を知る話。誰にでも「あいしてる」と言う男が、ヒロインに「あいしてる」を言えなくなる瞬間はとても良い。テーマは「世界中が敵になっても、俺は味方だよ」
ヒューゴとイヴの関係、重すぎる…喧嘩別れしたヒューゴが、ずっとイヴの評判回復のために種蒔きをしてくれていたのは相棒って感じで良かった。リアルな人間としての心情として、セレスに苛つくのは分かるが聞いていて怖かった。感情が一人だけリアルに寄せすぎていて、作品全体のバランスから浮いている気はする。

ゲーム『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation』アンクゥ・アドルフ√
アンクゥ、DiesIraeのメルクリウスと似ているなと思いながらプレイしていたが、まさかアンクゥがメルクリウスで、アドルフが藤井蓮だとは思わなかった。
アンクゥのエンド、全然「救済」されない。
おまけに神様じゃなかった…神様を騙る人間だった……それはそれで最初から分かっていたら好きな要素ではあるんだけれど、途中で属性が大きく変わるのは受け入れ難かった。

これは作品全体への感想だが、キャラクターが仮面を被りすぎている。性格的な魅力ではなく、隠された秘密を魅力にしようとしている印象がある。美味しい設定なのは理解できるが、ラスボスでもなければ設定は序盤で明かすべきだと思う。どれくらいの一貫性を保っていれば、好きになれるのかというメタ的なテーマを抱えているのかと疑いたくなるくらいには意地が悪い。
結局、天才科学者と死の番人(死の番人ではない)が好きかなという印象。死の番人が死の番人であれば、大好きになれた気がする。この作品の世界観なら、冥界を出しても大丈夫でしょう。リュカを全然好きになれなかった。

映画『清須会議』
突き抜けたコメディ。
三谷幸喜監督の作品、好きじゃない気がしてたので避けてきたけど、普通に面白かった。
明智光秀が殺されるシーンで、映像は暗い竹林なのにポップな曲が流れて、馬から落馬するシーンでたらいが落ちるSEが当てられてたのはあまりにコメディすぎて、メタ的に面白かった。

アニメ『AYAKA』
櫻井さんが降板して鳥海さんになったキャラがいるという前情報で見た。和服でおっとり喋るcv鳥海浩輔のキャラは三日月宗近にしか見えない呪いにかかっているので、櫻井さんの方が合ってたかもなあと思った。飛田さんが市長兼、主人公の後見人役でシンプルに良い人だったからちょっと珍しかった。
GoRAが作っているだけあって、女性ファンが好きそうな要素はてんこ盛りだったのだが、イマイチ乗り切れなかった。ダークさが足りないかもしれない。
養護施設で育てられ、感情表現の希薄な主人公が、故郷である綾ヵ島に戻ってきて、脈継ぎとしてアラミタマを祓ううちに、素直に生きられるようになる話。

アニメ『彩雲国物語』1期
ヒロインが初の女性官吏となる話。
好きな話ではなかった。素直に全力で生きることを肯定する、道徳の時間に見てもおかしくないような内容。後ろ暗いところのある人間なので、フィクションを通してまで説教されたくないんですけどという気分になる。

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