2018シーズン川崎フロンターレ選手個人レビューno.3:1991~1989年生まれ編
海外マッチレビューを一旦挟んで再び戻ってきました。選手レビューも折り返し、残るはあと16人。今回は27歳から29歳の7人を紹介!もうそんな歳なんだね…と思う選手ばかり。若手編はこちら。
谷口彰悟(1991.7.15) 背番号5
みんな大好きイケメン。入団当時は冷静さが目立ったけど、副キャプテンになったのと隣に奈良ちゃん来たからか最近は熱い谷口を見れて嬉しい。一番好感を持っているのが、CBだから相手ゴールは遠いのにそれでもゴールした選手に必ず駆け寄ってること。あれ得点者としてはすごく嬉しいんじゃないかなあ。長谷川のゴールでは後ろから三番目にいたはずの谷口が三番目くらいに祝福してるシーン見てると、長い距離走るだけの価値あると思えますね。
以前も触れましたが、今季の谷口を客観的に見れば優勝チームの副キャプテン、最少失点チーム不動のCB、そしてフル出場とディフェンダーとしてはこれ以上ない結果を残したと思います。プレーに関しても大人しくてクリーンなイメージから、チームスタイルに合わせてか(それとも代表を意識してか)、昨年からアグレッシブに前から奪いにいく守備が多く見られました。そのため2年連続で警告数が3つになってますが、これも累積停止にならないようにうまく抑えたなという印象です。リーグ終盤は相手陣地でボールをさばくことも増え、チームの課題である引かれた相手を崩すためには、来季は谷口の攻撃参加が一つ鍵になるのでは。昨年以上に今年は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた谷口を、MVP最有力候補に挙げたいと思います。
赤崎秀平(1991.9.1) 背番号9
今季加入の一人でしたが、リーグ戦は第15節の清水戦の2分のみ(下写真は唯一の出場シーン)で、カップ戦など合わせても絡んだのはわずか6試合と苦しいシーズンでした。鹿島時代の良いイメージを持って期待していましたが、プレーを見ることができず残念でした。優勝パレードに姿は見せましたが、心なしか寂しそうだった気もします。
(出典:川崎フロンターレ公式HP「ゲーム記録:2018 明治安田生命J1リーグ 第15節 vs.清水エスパルス」<https://www.frontale.co.jp/goto_game/2018/j_league1/15.html>)
正直今年の悠様は昨年ほどの働きではなかったから、赤崎としてもチャンスだったはず。それでも知念の台頭(それも終盤)や、阿部のワントップ起用によって赤崎が出られないことを考えると、FWの能力以前に鬼木監督の求める水準(球際とか)に達していなかったのかなと。筑波大学出身で風間イズム継承者としてチームへのフィットは容易かと思ってましたが、改めてもう風間さんのチームではなく、鬼木フロンターレだなと感じますね。
下田北斗(1991.11.7) 背番号22
今季加入選手で一番の収穫だと思うのがこの下田。ネットが移籍しなかったらまた違ったけど、チームに足りなかったボランチでかつ左利きのプレスキッカーという点で、今までの川崎に足りなかった価値のある選手。試合出場時はCKを任されるなど、憲剛さんの負担を軽減させ、しまいにはサポーター煽りまで直伝されてた。ただ一つの武器になってほしかったけど、実際には憲剛がCK蹴るシーンも多く、まだ連携不十分といったところで、来季に期待したい。
ボランチを主戦場に出場を重ねたが、思っていたよりも出ていなくてびっくり。自分の中の下田が大きくなっていたのがわかる。実際には先発4、途中1の計5試合と少し物足りない。それでも24節以降はすべてベンチ入りしているのは誇って良い。優勝決定後の2試合は田中が起用されたが、純粋に劣っているとは思えなかったので、落ち込まず頑張ってほしい。正直守田大島に真っ向から勝負するのは大変なので、左SBらへんも器用にこなせるようになると、ACLの連戦などで重宝されそう。あと絶対ギャグセンス高いから、もっと積極的に出していこう。
齋藤学(1990.4.4) 背番号37
ターニングポイントは第6節横浜戦と第30節神戸戦ですね。横浜戦では古巣から盛大にブーイング浴びたことで、川崎でやっていく覚悟ができ、神戸戦ではようやく移籍後初ゴールをマークし、チームへの貢献を明確に実感できたでしょう。川崎出身ということもあって、一年目ながら早速小学校への出張算数教室にも駆り出されており、チームへの馴染み度合いなら新加入選手で一番か。
大怪我明けなので昨季出場数25から16まで減ってしまったのは不本意でしょうが、それ以上にフル出場がなかったことは少しかわいそうだと感じました。ドリブラーというと終盤の切り札的に扱われがちですが、齋藤はそういった使われ方よりも、1試合通して10回チャレンジさせて1回成功すれば良いよ、くらいの方が合っていると思います。神戸戦のゴールはまさにそうで、あの試合ではずっと神戸SB藤谷とマッチアップし続け、それまでカットインによって右足を警戒させた上で、左足で決めました。決められた瞬間に藤谷が倒れて頭を抱えているのは、そうした駆け引きに負けた悔しさからではないでしょうか。というように、きっと90分で戦うタイプだと思うので、まずは怪我の完治とフルで戦える体力を取り戻しておくれ。
登里享平(1990.11.13) 背番号24
今年飛躍した選手の一人。リーグ戦だと2013年の29試合に注ぐ25試合に出場、わりと不動だった車屋の牙城を脅かしました。10年前に入団した当時は若くてやんちゃ(下写真は2009年、若いというか幼い)で、超攻撃的なフロンターレに埋もれないように猪突猛進に頑張ってた攻撃的な選手という印象でした。ところが今年はまるで逆で、チーム状況を把握しながら適切なポジショニングを探って、一歩間違えれば渋滞を起こしそうな前線4人を影で交通整理していました。左SBなので守備がどうかと思いましたが、ACL初戦の上海上港戦では元ブラジル代表のフッキを封じ込める守備を披露して心配を払拭してくれました。
(出典:川崎フロンターレ公式HP「F-SPOT PICK UP PLSYER vol.9」<https://www.frontale.co.jp/f_spot/pickup/2009/vol_09.html>)
そんな登里には来季も期待したい!という意味も込めて、かつての攻撃力を見せてくれと言いたい。今年見てた人ならいくつか思い出すのが登里がドリブルで抜いてシュートまでは完璧!なのにシュートがあぁ…というシーン。逆足なら仕方ないねとなりますが、利き足でもそうなっちゃうのは擁護できないっすよノボリさん。あとはクロスも、サイド持ち上がるのはやっぱち上手いし速い!のにクロスの場面では力尽きてるのか上手く合わず。今年はゴールもアシストも0だったので、来季は二つ合わせて5くらい目指して頑張って!
阿部浩之(1989.7.5) 背番号8
川崎の弱いとこを泥かぶりながら全部掃除してくれてる阿部ちゃん。今シーズンのベストシーンの一つである鹿島戦の退場覚悟のファールは美談として見られることが多いけど、本当はその前の長谷川で止めてくれとか思ってるはず。そんな良くも悪くもチームのために自分を犠牲にできるのが阿部の素晴らしいところだけど、今年はちょっと自分とチームとのバランスに苦労していたように感じた。去年より出場数は1つ多い29だったものの、出場時間は174分、約2試合分短い。途中交代でむすっとしてる阿部が多かった気がするし、本人的には不満の残るシーズンだったのでは。
印象的だったのが第26節札幌戦後に田中碧に対してこぼした「お前点取りたくて前ばっかり行ったらこっちお前下がっとんねん⑴」という愚痴。ほんとは自分が前に出たいけど、なまじ周りが見えてしまっているから下がらざるを得ないっていうもどかしさを感じるこのセリフ。他の選手はもちろんですが、それ以上に阿部は気を使ってプレーしてるんだなあと。大変な役回りだけど、是非とも来年も黒子として、かつその上で去年のように二桁を、なーんてわがままな期待をしておきましょうか。あとSNS見てるので、どんどん憲剛さんいじってください。
(⑴引用元:テレビ神奈川「ファイト!川崎フロンターレ」(2018年9月21日放送))
エウシーニョ(1989.11.30) 背番号18
まず4年間ありがとうエウソン。思ったよりも長くいてくれた。今シーズン見る限り、高い技術でビルドアップに落ち着きをもたらしてた反面、来日一年目ほどの縦横無尽感はなく、「そこにエウソン」の代名詞も少し霞んでた。きっと鬼木監督になってから自分のエリアを守ることを重視してたと思う。32試合出場も2得点と、最後まで2015年の8ゴールを上回ることはできず。見る側があの頃のエウソンと比べちゃうように、本人も理想とのギャップに苦しんでたのでは。そう思うと退団も仕方ないか。
4年間のベストゴールは2015年第15節湘南戦のアディショナルタイム弾と、2017年第29節仙台戦の1点目のミドルシュート。仙台戦は腰を痛めて交代かなと思ってた矢先の一発で、あれが呼び水となって悠様のミドルシュート2発で逆転した試合でサポーターの伝説にもなった。あれがなければ去年優勝できてない。フロンターレに二回も優勝をもたらしてくれて、しかも私の中のSB像を壊してサッカーの面白さを広げてくれて本当に感謝しかありません。次のクラブでも暴れてください。川崎相手の時は静かにしててね。
以上1991〜1989年生まれ編でした!阿部ちゃんとは性格似てると思うので是非お話してみたい。めっちゃ気を使っちゃうのわかる。いよいよ次でラスト。われらが長老、ダンディイケメンなどが登場。お楽しみに!