2018シーズン川崎フロンターレ選手個人レビューno.4:1988~1980年生まれ編

 いよいよ選手レビューも最後の9選手、年代の幅が一気に広くなった!!長くプロ生活送ってきた素晴らしい選手ばかりです。それではどうぞ!これまでのレビューはこちらからどうぞ。

舞行蹴ジェームズ(1988.9.17) 背番号29
 今季のMJはルヴァン杯と天皇杯それぞれ2試合とACL1試合の計5試合のみ、加入2年目ながらリーグ戦出場は未だなし。昨季の怪我から復帰してようやくプレーが観られると思いきや…。実はけっこう楽しみにしてる選手で、足元の高い技術への期待はもちろん、切実な想いを知ってしまったからでした。

優勝したいとか、タイトルを取りたいとか、口では言えますけど、今はとにかく早くピッチに戻りたい。ただ、それだけです。きっと、自分が元気にプレーしている姿を見せられたら、サポーターも喜んでくれるんじゃないかなって思うんですよね。それと、今は息子も歩けるようになったし、抱っこして一緒にピッチに入場したいんですよね
(引用元:川崎フロンターレ公式HP「F-SPOTピックアッププレイヤー 2017-vol.14 /DF29 舞行龍 ジェームズ選手」<https://www.frontale.co.jp/f_spot/pickup/2017/14.html>)

 膝の怪我、そして手術という大きな決断を乗り越えてきたMJ(今更ですがリハビリお疲れ様でした、下写真)。たった5試合でも十分な復活だと痛感しました。来季は自信満々にタイトル宣言をするMJを見せてほしい。

森谷賢太郎(1988.9.21) 背番号19
 お気に入りの選手で、回転が綺麗なパスと回転が無いシュートが魅力。大島と守田に負けずとも劣らない能力持ってるはずなのに、いまいち出し切れなかった一年だった。リーグ戦は去年18試合に対して今年はわずか3試合と出場機会が激減。さらに第23節以降は怪我もあってベンチ外。とはいえ怪我は終盤には治ってたはずなんだけどなあ。入れ替わるように下田と田中がその座を争うことに。最後の出場になった第14節柏戦では変わらず綺麗なトラップとパスを見せていたし、何よりも風間監督時代の自信みなぎるプレーにはなんども驚かされたから、フィジカルよりもメンタル面で課題を抱えているなと。
 SNSでは楽しそうな森谷を見たけど、試合になると楽しそうな森谷を今年は見れなかったのが非常に残念。浦和キラーと呼ばれて意味不明なミドルシュート決めたり、高精度のロングパスをバンバン通す森谷が僕は好きです。多分あんまり守備好きじゃなくて、ほんとはトップ下でシンプルに攻撃したいんだろうけど、そこは激戦区だよ…。ACLではキャプテンマークを巻き、年齢もすでに30とチームを引っ張る立場にある森谷。永遠の少年から、試合を支配する王様になっておくれ。

新井章太(1988.11.1) 背番号30
 アラトークいつも読んでます。あと試合前のアップ頑張ってるのも観てます。いつも本当にお疲れ様です。23試合出場した2015年が懐かしく感じられますね。リーグ戦は去年と同じく3試合に留まるも、ほぼすべてに帯同、一年間チームに安心をもたらしてくれましたね。特に控えの選手が出場して結果出すと一層喜ぶ新井さんを見ると、改めて頼れる兄貴分だなあとしみじみしてます。
 背番号と同じく今年で30歳になり、見た目の風格に実年齢がようやく追いついてきた。他に出られるチームがあるはずなのにセカンドゴールキーパーという立場でもチームに残ってくれて本当に嬉しい限りです。地道ながら足元の練習が実を結んできていると思いますし、チームもGKを使ったビルドアップを試そうとしているようなので、来季は正守護神に返り咲けるはず…!

小林悠(1987.9.23) 背番号11
 悠様キャプテンお疲れ。今年はまたもや代表発表直前に怪我、W杯出場のチャンスを逃したのが忘れられない。しかも西野監督の構想には入ってたというから尚更辛い。さらに終盤には眼窩底を骨折、優勝決定時のメンバー入りが叶わず、シャーレ掲揚の時に壇上に上がれないキャプテンにはサポーターみんなが同情したはず。カメラに映ったあの切ない顔は忘れない…。
 そんな小林は怪我のせいかイメージと身体が合ってないというか、ボールに身体をアジャストできないシーンが多かった気がする。チャンスを作るまでの動きは完璧だけどシュートがうーん、っていうシーンが多かった。実際昨年よりも7試合少ないけどシュート数は112本で昨年110本とほぼ同数、ところがゴール数は8つ減って15得点に。2連続でPK外すこともあったし、去年とは打って変わって苦しい一年に。それでも負けずにPK決めたし、3年連続15得点は素晴らしいよ、アンパンマン!

家長昭博(1986.6.13) 背番号41
 巷ではMVP最右翼の家長ですが、私としては期待値が高いのでこれまで満足してなかったのですが、第30節神戸戦のプレーには惚れました。劣勢になっても淡々とやるべきことをやり続け、反撃の狼煙をあげるゴールに齋藤へのアシスト、おしゃれヒールで大島のゴールをお膳立て、きわめつけは終盤の鬼キープでチームを助けており、家長さん一生ついていきます…って感じで気づいたら泣いてて、勢い余ってユニフォーム購入。後日サインももらいました。

 満足してないと言ったものの、十分すぎる出来だったと思います。32試合に出場、31先発中25試合がフル出場とまさに大車輪の活躍。守備に走らないなんて誤解はもうサポーターにはなく、むしろ誰よりも走ってるくらい。ピッチ内での不満はもうないです。あとは年齢的にもそろそろ腰据えてもいいのでは。良いクラブですし、こんなに楽しそうですし、いかがですか。

武岡優斗(1986.6.24) 背番号17
 5年間在籍してサポーターに成長を見せつけた選手。レナトとの対人やりすぎて一対一強くなったのは川崎サポーターなら周知の話ですね。そのおかげもあって風間時代後半に覚醒、2015年にはキャリアハイのJ1で30試合出場を達成。しかしその後は怪我に苦しみ続けた。今年は第24節以降はベンチ外になり、そのまま退団が決定。唯一フル出場した第13節東京戦を見る限り、鬼木監督に変わって速くなった切り替えのスピードに順応できてないのを感じたので、やむなし。
 対人で恐れずに立ち向かう姿は勇ましいと思う反面、そのせいで怪我がちなのではと思ってしまう。そんな武岡もピッチの外では優しさを振りまく好青年。きっと次のクラブでもサポーターに愛されるはず。今までありがとう!これからも頑張って!

チョン・ソンリョン(19851.4) 背番号1
 
今年も頼れる守護神で、リーグ最少失点を最後方から支え続けた。とはいえ去年よりも浴びるシュート数は減っており、あまり目立たなかった(もちろん褒め言葉)。終盤戦では今まで苦手だった相手のプレッシャー下でのビルドアップにも果敢に挑戦し、第33節東京戦の2点目の起点にもなった。ああいうの来年もお願い。
 一方でパンチングが弱くなったのが少し気になる。多分落下地点の見極めスピードが遅くなったせいだと思うけど、身長低めの我が軍においてセットプレーの空中戦はソンリョンに頼らざるを得ないので、そこは何としても頑張ってほしい。あと忘れてたけど退場2回は多い。どちらも飛び出して躱されるパターンで、しかもビハインド時なので巻き返しの火を消してしまった。盛り上がったけどもう奈良ちゃんのGKはけっこうです。副キャプテンお疲れ様でした。

田坂祐介(1985.7.8) 背番号6
 
たさかああああああ。いや、薄々感じてましたよ、でもいざ退団が決まっちゃうと辛い。今季田坂を初めて観たのはゼロックスで、あの時すでに厳しいなと感じてた。武岡同様、切り替えスピードに身体が追いついてなかった。リーグ戦は3試合のみのわずか73分。第30節神戸戦にベンチ入りしたからまだイケるかと思いきや、再びベンチ外の日々に。優勝が遠かった苦しみを知っている田坂がクラブから離れてしまうのは、一つの時代の終わりを感じさせますね。
 個人的にはドイツ帰りの田坂の方が好きで、レナトロスに落ち込んでいた2015年のクラブを力強く支えてくれたのは感謝しかありません。あそこで沈まなかったのが今に繋がっている気がする。その後は対人の強さとチーム施術への柔軟な対応力を見せつけ、2016年にはまさかのCBコンバート要請に満点回答を示し、チームを上位に導いたことは川崎の歴史に刻まれてる。ピッチの外でも釣り部部長として後輩たちをまとめてたので、早急に後継者の選定が必要。まだまだやれると信じてるので、凱旋待ってる!

中村憲剛(1980.10.31) 背番号14
 
ようやく仙人までたどり着きました。憲剛はピッチ内外さまざま顔を出してるので書くことたくさんありますが、まずプレーは昨年にも劣らない出来(ボジョレヌーボーかよ)。チーム2位のリーグ戦33試合出場が影響力の高さを物語ってます。これで5年連続30試合超え達成。待って、夏場に肋骨骨折してたんだよね!?血管年齢も50歳なんだよね!?
 今年は例年よりも攻撃以外のところで勝利の執念が出てて、まずは前線からの守備。広い視野を武器に相手が嫌がるコースでプレッシャーをかけ続けて、第24節仙台戦のゴールはまさに狙い通りでした。あとは第9節鹿島戦のかっさらったゴールも、たまにいじられてたけど、あそこまで行って冷静に股抜ける選手は数少ない。でもそれ以上に印象的だったシーンが第27節名古屋戦でネットを潰してたシーン。ファール覚悟で相手を止める憲剛は珍しかったので良く覚えてます。あれほどあからさまに潰しに行く姿は記憶にはなく、勝利への飢えを感じたプレーでした(ん、この試合まだ肋骨骨折中もしくは完治すぐの試合のはず…)。

(出典:ゲキサカ「川崎F、風間監督も脱帽の強さ…中村憲剛が「意図的なポジション取り」で“キーマン潰し”」<https://web.gekisaka.jp/news/detail/?255010-255010-fl>)

 ピッチ外でも川崎フロンターレを支えており、組織文化であるファンサービスも最年長とか気にせず率先してやってくれて、本当にありがたい存在です。プロクラブがファンサービスを積極的にやることへの批判に苦しんでたはずで、それがようやく去年の優勝で言い返せるようになって。憲剛のコメントから川崎フロンターレという組織文化を守るための苦労を感じます。その意味でも2018年は自由にやれたシーズンだったと思います。

もうひとつだけ言わせてもらえれば、だからこそ昨シーズン、J1のタイトルを獲ったことで、フロンターレが長年取り組んできたことをやっと肯定できたという思いがあったんですよね。これまで、こうしたイベントへの協力が、チームの足を引っ張っているとか、負荷が掛かっていると言われたこともあった。いくら外と中は別だと叫んでも、優勝していないと言われれば、やっぱりぐうの音もでなかった。それが昨年、優勝できたことで、サッカーの質はもちろん、こうした活動がサポーターの熱い声援となり、力となっていることを証明できた。[…略…]そのうえで今回、新たな試みとして全選手参加型のプロモーションができたことがうれしいし、すばらしいと思う。
(引用元:サッカーダイジェストweb「【連載企画】フロンターレの流儀④ 中村憲剛がスタッフを招いて<10/20 KAWAハロー!ウィン PARTYを語る>」<https://www.soccerdigestweb.com/news/detail2/id=48724>)

 近年はSNSも身につけてファンサービスはさらに加速、本人も楽しそう?なのでこれからもどんどんやってください。もちろんプレーもまだまだやってもらわなきゃ困ります。あなたは僕が川崎フロンターレに、そしてサッカーにハマった原因なんですから。

 というわけで無事Jリーグアウォーズに間に合いました(拍手)!!長かったけど、楽しかったです。ただシーズン序盤思い出せず、後半のことばかりになっちゃったのは反省。来季は初めから想定して記録しておこう。
 みなさま最後までお付き合いいただきありがとうございました。それでは横アリに行ってきます!

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六
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