【Preview】2018年J1第22節 川崎フロンターレVS.サガン鳥栖「英雄トーレス、たとえ敵だとしても。」

 2018年J1第22節の川崎フロンターレは、ホームでサガン鳥栖戦です。平日にもかかわらずチケット完売らしく、私もトーレス見たさに久々に現地観戦してきます。

個人的なヒーロー、トーレス
 サガン鳥栖はセレッソ大阪戦、浦和レッズ戦と今シーズン初の連勝で、勢いに乗って等々力に乗り込んできすが、注目はやはり今夏加入したフェルナンド・トーレスでしょう。トーレスですが、加入後ここまで5試合に出場(スタメンは4試合)しているもののノーゴールと、数字上の結果は残せていません。ただ対戦相手としてはどうしても警戒せざるを得ないので、数字以上の影響を与えているとは思いますし、川崎も警戒を緩めてはいけないと思います。
 さてリヴァプールサポーターでもある私としてはトーレスの加入はただただ羨ましく思っており、川崎もDAZNマネーでどうにかならなかったかなあと嘆く今日この頃です。それでも連れてきてくれてありがとうサガン鳥栖。この試合は川崎を応援しつつ、トーレスの一挙手一投足に感激しながら見たいと思います。自チームを応援しつつも相手選手も応援する、こんな応援のあり方も良いですよね。

攻撃不全の原因はFWか、それとも、、、
 今シーズンの鳥栖は豊田の移籍(6月に復帰)やイバルボの負傷などがあり攻撃が低調で、それが現在の順位に繋がっています(勝点21で15位)。得点力不足が如実に現れているのがシュート成功率の低さで、第21節終了時で6.3%(リーグ18位)数字です。一般にシュート数が多いと、強引に打ったシュートが多いため成功率は下がりますが、鳥栖の場合はそのようなことはなく、むしろ12.0本(13位)と少ないです(川崎は14.9本で2位)。さらに枠内シュートの少なさが目立ち、こちらは3.4本(17位)です(川崎は5.0本で3位)。
 成功率が低ければ、成功率の高いFWを連れて来れば良い、としばしば考えられますが、トーレスと金崎の二人の加入後の得点は未だ0で、チームとしてもトーレス加入後の5試合で2得点しか挙げられていません。そのような状況を考えると、攻撃における課題はFWよりも、それ以前のチャンス構築の部分にあるのでしょう。実際、トーレス見たさに1試合だけ鳥栖の試合を見ましたが、彼が中盤まで落ちて組み立ての部分に参加していたことが、鳥栖の攻撃不全を表していたのだと今更ながら思います。

コーナーキックの謎
 別な観点で興味深いのがコーナーキックの多さです(5.7回で3位)。これはおそらくサイドからボールを運んでいることのおかげでしょう。サイドからボールを運ぶ予想のデータとしては、ドリブルとスローインがありますが、前者が14.6回で5位、後者が23回で4位と比較的多い数字です。このことから、鳥栖の攻撃はサイドを起点にしていることが予想されます。
 しかしながらやはり攻撃は上手くいってないようです。というのも、ボールを相手陣地に運ぶ指標として30mライン進入回数がありますが、その数字が38.5回でリーグ15位と低いです。そう考えるとコーナーキックの多さの説明が難しくなります。この辺りは試合を見て確認してみたいと思います。

川崎に欲しいセットプレーの強さ
 守備に関しては可もなく不可もなくといったところでしょうか。ここまで24失点(8位)でクリーンシートが5試合(川崎は16失点でクリーンシートは8試合)。球際の強さが特徴で、それがタックル(22.8回で4位)と警告(16.回で3位)の多さに現れているのではないでしょうか。被シュートに関しても数(12.1で6位)も成功率(9.0%で8位)もそこまで高くなく、総じて悪い印象は感じません。
 セットプレーからの守備には強さがあるようで、セットプレーからの失点が全体の10%ほどなのは他チームと比べると低い数字でしょう。その要因としては187cmのCB高橋、キムミンヒョクの二人と、同じく187cmのGK権田といった個人能力に依る部分が大きいのではないでしょうか。

金崎をいかに封殺するか
 鳥栖には良いイメージも悪いイメージもあり、それは川崎の調子と連動していると感じます。鳥栖のように球際ガツガツ来るチームに対して普段通りパスを回せるかどうかは、その時の川崎の自信、つまり来られてもパスを回してやるという意気込みによります。そしてその自信の多くはチームの調子と連動しているように感じます。
 では連勝しているから今節は上手くいくのかといえばわからないです。そこは相手の調子にもよります。特に金崎のように前線から積極的にプレスをかける選手は、川崎にとっては厄介です。正直トーレスよりも攻守全体を考えれば厄介です。前回の金崎との対戦(第9節鹿島戦)では奈良が気迫溢れるプレーで金崎を封殺していましたが、今節も谷口と車屋のCBで挑むとすれば少し不安が残ります。おそらく車屋とのフィジカルコンタクトを狙って来るので、そこをいかに対応するのかは守備ポイントになるでしょう。

兎にも角にも夏場の連戦
 最後に、これまで何度か述べていますが、夏場の連戦ということで体力マネジメントが問われる試合になるでしょう。ここ数試合交代パターンが決まっていますが、裏返すとそれ以外の選手はフル出場していることになります。個人的に心配なのは大島と守田のボランチで、今の二人の役割を森谷がこなせるかは疑問が残ります。そのためありきたりではありますが、早めに勝負を決めて、選手を温存できる展開になることを期待しています。

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