「平等」とは
皆さん突然ですが、 「平等」という言葉をきいて、何を思い浮かべるでしょうか。人によって様々だとは思いますが、例えば「男女平等」という言葉があるように、
性別等に関わらず全ての人が同じ待遇や権利を得る=平等
と、思う方が多いのではないでしょうか。私も以前までは「平等」と思い浮かべた時は、上記の事が真っ先に頭に浮かんでいました。
しかし、教育実習の研修の中で、
「平等」とは、必ずしも上記のような事だけではない。
という事に気づきました。
さてそれは何なのか。
答えを言う前に皆さんに少し考えてもらおうと思います。
まず一つの例、(問い)をあげます。
3人の生徒A,B.Cがいるとしましょう。 3人の身長は A:154cm B:147cm C:157cmです。
(問い)全員の高さを160cmと同じにしたい時、それぞれ後何cm高くすればいいでしょうか。
答えは、A:6cm B:13cm C:3cmです。
人によって、160cmにする為に必要な高さは全然異なることがお分かりかと思います。
では、もう一つ例をあげます。
2人のA、Bの生徒がいます。Aは目が見えず、Bは耳が聞こえません。
(問い)両方に、「今日の宿題」を理解してもらうにはどうすればよいでしょうか。
答えの1例をあげるとすれば、
Aには、声で宿題の内容を教えてあげる。Bには文字、又は絵や写真等で教えてあげる。事ができるでしょう。
この場合、両方に宿題内容を理解してもらう為には、伝え方がそれぞれ異なることがわかるかと思います。
これらから何が言いたいか。
言いたいことは、平等を目指すにあたって、一人ひとりに異なる対応をとっていく必要があるということです。
1つ目の例では、全ての人の高さを160cmにするにはそれぞれ必要な高さが違いましたし、もうひとつの例でも、「両方が宿題内容を理解した」という状態にするには、其々アプローチ方法が違いました。
他の例でも、外国ルーツの子どもたちがいる学校で、生徒全員に学習内容を理解させる為には、
学校にいる外国ルーツの子どもたちには、プリントに書かれた漢字の上にひらがなのルビを振ると彼らが学習内容がわかりやすくなるといったことがあります。
もちろんこのルビは日本人の子どもたちにはふる必要はありません。既知の漢字の読みをひらがなでふられても過剰な支援になってしまいます。
このように、皆が少しでも平等に近づくには(同じ土俵に立つには)、一人ひとりに異なった支援や対応をしていく必要があるのです。
この視点は、平等を考える上で非常に大切なことだと思います。
最初に述べた、
「平等=全ての人が同じ権利や待遇を受ける」
とは全く異なる視点だと思いますし、平等の指す意味の広さを知ることができました。
ただ、全ての人を平等にするためにとる一人ひとりへの対応は、
「個々の状況や特徴」と、「目指すところ」を見極めて行わねばならないためそれ程容易ではないと思います。しかし、
一人ひとりに合った対応や支援をしていく
という視点が、平等をより実現に一歩近づけてくれるのではないかと感じています。
この世の中が平等な社会により近づきますように。私も目の前のことを今回の視点を踏まえて、取り組んでいけたらと思います。
まだまだ、未熟な文章ではありますが、
少しでも、皆さまの日常に役立てたら嬉しいです^ ^