〇〇省事務官の男 16話
16話 彼の本性
「ねえ、奥さんとはいつ離婚したの?」
「むかーしだよ。十五年以上前かなあ。」
「ふーん。じゃあそれからずっと一人なの?
再婚したいと思わないの?」
「思わない。」
「まあ1回したらもうしたくなくなるか。
離婚の理由って
奥さんの借金って言ってたじゃん?
生活費はどっちが管理してたの?」
「向こう。」
「えー!
じゃあ生活費も全部買い物に使ってたの?」
「うん」
「でもそんなに派手な生活してたら
気づくんじゃないの?
ブランド物ばっかり家にあったら
気づきそうだけど。」
「もともとギャルだったから。」
「ふーん。なんで知り合ったの?」
「向こうもサーファーで海で知り合った。」
「へーそーなんだ。どれぐらい結婚してたの?」
「一年半で別れた。」
「短っ!
じゃあ結婚してからすぐにそーなってたんだね。」
「うん。そーみたい。」
「へー。大変だったね。」
「大変だったよ。
生活費全部渡してたからこっちにも貯金ないし、
職場にまで電話かかってきて。」
「そりゃ大変だね。」
「ところでさあ、名器の話なんだけど。」
彼は何の脈絡もなく
ニコニコしながら下ネタの話をし始めた。
「どーしたの?いきなり。
あれほどラインでは
下ネタの話に興味なさそうだったのに。」
「名器ってどういう感じなの?」
「どういう感じって、
私の場合はかずのこ天井って言って、
中がざらざらしてるんだって。」
「へえー。それって男の人に言われたの?」
「そう。だって自分ではわからないから。
相手に言われた。」
「ふーん。めっちゃ興味あるんだけど。」
「そうなんだ。」
「ちょっとだけ触らせて。」
彼は身を乗り出してさちこの腕を掴んだ。
「嫌だ。仲良くなったらね。
今日はしないって約束したでしょ?」
「でも話してたらしたくなった。」
「話してたらって自分から話振っといて。
だから最初に言ったじゃん。やらないって。」
「じゃあやらなくていいからちょっとだけ。
名器見たい。」
「だって剥けてないんでしょ?私見たくない。」
彼は突然立ち上がって、さちこににじり寄り、
屈んでさちこの膝裏に腕をねじ込むと
お姫様抱っこをしてベッドに運んだ。
17話に続く。。。