水道屋さん 19話
19話 最後の演奏はドラムスティックではなく電マだった
最後というだけに彼の演奏はいつもより長かった。
しばらくして彼は枕元にあった電マを取り出した。
「それするん?」
「うん。」
「あかん。」
「なんで?」
「それすぐいっちゃうから。」
「いくとこ見たい。」
「えー。じゃあ優しくしてな。」
「これぐらい?」
「うん。あ、気持ちいい。。。」
さちこは腰をくねらせた。
ふと彼の顔を見ると
なんとも愛おしそうな表情で
こっちを見ていた。
まるでされてる側の表情だったので
少し違和感を覚えた。
「だめ。それ以上やったら。。。
あ、だめ。。。いく。。。」
さちこは早々にいってしまった。
「はあ、はあ、はあ。。。
だからすぐいっちゃうって言ったやん。」
「ええやん、めっちゃ色っぽい顔してた。
もっかい見たい。」
彼はまたすぐにさちこの股間に
電マを押し付けてきた。
「あかんって。。。
あ。。。。。も。。。あかん。。。
あ。。。あかんて。。。あーん。。。」
またしても
すぐにいってしまうさちこであった。
「おもろいなあ。すぐいくやん。」
「だから電マはあかんって。
おもちゃにしてるやろ?」
「ええやん。楽しい。もっかい。」
彼はさちこのいきっぷりを見て
楽しんでいた。
きっと今まで
こんなに乱れているさちこを見るのは
初めてだったからであろう。
さちこの身体は
電気が走ったように足先が痙攣し始めた。
「あ、もうだめ。。。」
さちこの身体はびっしょり汗をかき、
消耗していく。
「もう、ほんとあかんって。やめて。。。」
流石に4回連続は痛くなってきたので
彼から電マを取りあげる仕草をして
腰を逃した。
彼は十分にさちこをいかせた満足感の元、
ドラムスティックを挿入してきた。
さちこはもう外いきの余韻で
中はどうでもよくなっていた。
彼の強引な電マ使いに
少々引き気味になったさちこは、
彼がいくと早々にシャワーを浴びた。
そこで
左の外陰部が大きく腫れていることに
気づきびっくりした。
「ちょっと!
痛いと思ったらめっちゃ腫れてるわ!」
「え?ほんまかいな?」
「もーやめてって言ってるのにするから。」
「痛かったん?」
「流石に連続は痛いわ。
もうしばらくおナニーできへんやん。」
服を着て少しソファで話をした。
さっきのAV動画はまだ続いていた。
「まだこの人らやってるやん。笑」
「前戯長過ぎやろ。」
「日報書かなあかんからそろそろ帰るわ。」
「うん。短い間だったけど楽しかったわ。
ありがとう。」
「また帰ってくるんやろ?」
「うん、多分。
盆と正月は帰ってくると思うけど。」
「また帰ってくるとき連絡ちょうだいや。
会おうや。」
「うん。
今度帰ってきた時はテーマパーク行こうよ。」
「うん。」
「じゃあ予定決まったら早めに連絡するわ。」
「うん。
このままホテル泊まっていったらええのに。」
「車ないのにこっからどうやって帰るんよ。」
「そっか。」
宿泊先のホテルまで送ってもらい彼と別れた。
「ありがとう。」
「じゃあ明日気をつけてな。元気でな。」
「うん。ありがとう。
気をつけて帰ってね。またね。」
翌朝、
インターホンの録画を念のため全部削除した。
数年前、彼と別れてから
彼の思い出が詰まったこの家から
早く引越したいと願った日々。
そしてようやく夫の転勤が決まり、
水道屋さんが現れた。
水道屋さんの存在で
元彼への執着は完全に消えた。
だからこそ、
この住み慣れた土地を離れるのが
名残惜しくなっていた。
でも引っ越すとわかっていたからこそ
水道屋さんと割り切って遊ぶことができたし、
なんとも皮肉なものだ。
結婚を機に入居した時、
退居する時がこんな状態だとは
全く想像していなかったな、
と感慨深い思いで部屋をあとにした。
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