MIXで振り返る『うたえぼ』

はじめに

むきゅです!久しぶりのnoteです。
うたえぼの再生数。とても好調で喜ばしい限りです。
専門的なお話がすきな方はどうぞ見てってね!というわけで、各楽曲のこだわった部分だけ説明していきます!
ではアルバム順に見ていきましょ~!

ギミー・スクランブル

ギミー・スクランブルまずはこの曲!オーダーが『スカ』や『パンク』とのことだったので、キックはよく聴こえるように少し前に出しています。
BPMは一定なので、作業はFL Studio 20 All Plugin BundleってDAWで行っています。なんでBPMが変わるとFL Studioでステムをいじる作業をしたくなくなるのかは使っている人がよくわかります。
BPMが変わるごとに素材をスライススライスしないと崩壊するんですよね。話を戻します。この楽曲はベースとスネアの音作りに焦点を当てていきます。
ベースはスッキリしててどっしり?っていうちょっと曖昧な表現ですがどっしり感には今回新規に導入したプラグイン。
こんなのです

DeeSubBass

使い方はとっても簡単で楽曲のキーを下の鍵盤で指定して上のつまみを調整していくことで重みが増していきます。
サブベースジェネレーターなんですが、今回は重みが欲しかったので弱めにかけました。
実はオーダーを受ける前に全員に楽曲のキーを聞いていたんですが、これを使う時のためだったんですね(ここで始めてネタバラシ)
そうしたら次はイコライザーをかけていきます。

TR5 EQual

個人的にベースをアンプに通した時は40~20㎐あたりに出てくるノイズを削ったりするんですが。今回の場合あまり気にならなかったので、足りないところ足して、要らないというか被るところ削っただけな感じです。
で最後にコンプレッサーをかけます。

Fruity Limiter

え?ちょっとまってそれリミッターじゃんwww
FL純正のもので、limiterという名前で、確かにリミッターなんですが、このリミッターをコンプモードに変更することでコンプレッサーとして使用できます。
楽曲的には明るいんですが、ベース特有のふくよかさというか足りない感じがしたので、ちょっと暗めのサウンドになるように設定しました。
あとはこだわったのはスネアですね。

Sausage Fattener

ムカつく顔のソーセージですね。EDMでは非常によく使われると思います。普段リズムマシン系のスネアのハリを出すのに使ったりするんですが、今回は生のスネアに使いました。だけど、ほんのちょっとだけです。
次はまたイコライザーですね。

TR5 EQual

おやぁ?がっつり下いっていますね。ドラムが生のドラムに実際にマイクを立てたような録り方になっているのでキックの帯域を削るために削いだんだと思います。
そしたらコンプです。

Fruity Limiter

またきみかぁ。
しょうがないじゃないですか、使いやすいんだから。というわけで、まあ一般的にマーチングドラムに使われがちな設定だと思います。テンポがとても早いので、タイトで跳ねるような音にしたいなぁっと思っていろいろ模索したんですが。最終的にこんな感じに落ち着きました。

シナリオビースト

お次はこの曲です。僕が行ったのはVocalMIXとMasteringです。
告知の際に『ほぼ』全楽曲のMIXといったのはこの曲のステムは僕がいじってないからですね。何も説明しないのも忍びないので。
これは、メインボーカルのMIXとマスタリングのひと手間について解説をしますね。
まずボーカル、ゆかりさんで解説します。

TR5 De Esser

まあ高域特化のマルチバンドコンプ。コンプだけどこれは1段目にさしていいと思ってます。
さて、今回、うたえぼのボーカルMIXではほとんどといっていいほど必ず一段目にディエッサーを挿しています。
なんででしょう、うたえぼの感想をいう方で分析力を持っている方はよくこう言います。『ボイロなのにどうしてこんなに違和感がないんだ…?』それは、調声担当者の方が本当に上手なのもありますが、これで、ボイロっぽい継ぎ目を低減している。って点もあります。
次はイコライザーです。みんなが当たり前だと思っている前提をひっくり返します。

TR5 Equal

あれ~??さてはローカットをしらないなぁ?ダメじゃん!って考える方は不正解です。俺の勝ち!なんで負けtry
どうしてシェルフで低域を処理しているか、ボーカルの低域は確かに不要とは言われがちですが、全くいらないという訳でもないんですね。それと、ローカットを行うと、削った分高域が持ち上がってきます。高域はディエッサーでも処理したのにさらに切り詰めていたらとても非効率的です。シェルフが正義です!(諸説あり)
ちなみにこの設定はうちのCeVIO AI 結月ゆかり 麗のプリセットをちょっといじってボイロに違和感のないようにしています。

iZotope Vocal Doubler

やっと始めて無償プラグインがでてきたよ!やったね!!
これ、ほっんとうに薄っすらかけてます。わかんない位。ただ無いとこの楽曲の空気感がちょっと変わってきてしまいます。

iZotope Vocal Synth 2

これもダブラーと大体同じ意味でかけています。空気感造りです。
次です。

TR5 Black 76

1176というFETコンプをエミュレートしたものですね。アンプfilterと書いてありますが今回はコンプ用途です。
皆さんはドクペ設定と呼ばれるものをご存知でしょうか?
毎日10時、2時、そして4時に Dr Pepper を飲んで糖分補給を促す。というものが由来になっているのですが。これは、
Attackを10時の方向。Releaseを2時の方向。そしてRatioボタンを4:1に設定する、という設定です。
ボーカルは基本的にinputを30、Outputを18にあわせて調整をしていきます。
今回はinputだけいじってOutputはいじっていません。それはどうしてかというと次のプラグインで概ねの音量を調節したからです。

TR5 White 2A

LA-2A 光学式のコンプのエミュレートでopt compなんて呼ばれたり。
これは音量調節や音圧感の付与で挿しています。
これを挿している意味なんですが、
皆さんは紅白にも出場したという人気の歌い手さんを知っていますよね?
その方がMIXの解説をする生放送をおこなっていたんですが、動画内でこんなことを言っていました。これって本人が言っているとおりエンジニアさんからしたら良くないことで、Cubaseでしか基本的には出来ないことです。
これを俗にボーカルリミットやボーカルリミッターと呼びます。
これを正規化するためにこのプラグインをつかって同じことを行います。
え?歌ってみたの内容がボイロに通用するのか?この動画の中でボカロPの名前が出ているようにボカロでも通用するんですよね、今回基本的にはボカロだと思ってボーカルMIXをしているので。そうゆうことです。
じゃあつぎはマスタリングで工夫した点について解説していきます。

TR5 EQP-1A

俗にいうPALTECと呼ばれる奴です。アナログのイコライザーです。
でこの楽曲結構ドスの聞いたデジタルな低音寄りの音楽だと思うんですが。
BOOSTのノブを回すと音が持ち上がってATEENを回すと音が削られます。
で、低域高域共に削っています。それは、この後音圧を上げていくと持ち上がってくるから、及び出すぎているから事前に削っているってことです。
これは動画版の設定ですが、アルバム版はもうちょっと削っています。
マスタリングのこだわりはこのぐらいです。聞きやすくするこだわりです。音圧とかは二の次です。
では次の曲。

しゅくるりびより

この曲ですね。実はこの場で始めて言うことがあるんですが、僕聴くのは好きなジャンルでもこのジャンルにはちょっぴり苦手意識をもっていたんですよ。でも克服?できたので気合で、気合で何とか頑張りました!!!!!
この動画では全体的に考えていた事をと特段して変わったプラグインをお話していきます。

まず、これをDAWに並べたときに頭を一瞬よぎったジャンルがあります。
僕は以前からのMIXに苦手意識のあるジャンルがあって、
『エレクトロスウィング』がとても苦手でした。特にボーカル。
聴く分には全然大好きなんですが、MIXはなかなか上手くいかないことのが多かったです。もしかしたらエレクトロは問題ないとすればスウィングが苦手なのかもしれませんが。
なので常に考えていたのは、この楽曲は全体像はどうあればいいのか、こうゆう楽曲にはどう手を施したらいいか、試行錯誤を繰り返しなんとかOKをもらう事が出来ました。
特段変わったプラグインというのは一つあって、

iZotope Vinyl

僕はこのプラグインを使うまではEQとかで削ろうと考えていました。
実際使ってみたら思いのほか思ってたよりいい感じにかかってくれたのでそのまま採用。
1番の間奏のみで使用しています。
では次の曲です。

昼下がりのナーサリーライム

この曲の全体の構成を並べ終わるのにまず1時間かかるっていう。実時間2日半の睡眠無しで終わりました。この構成に適応出来たのはもしかししたら僕が趣味で時々制作している『ニコニコメドレー』が影響しているのかもしれません。ニコニコメドレーというのは基本的に、盛り上がって→静かになって→盛り上がるを繰り返すなかでひねりを加えたように急にジャンルが変わったりします。まさにこの曲はそんな構成でした。この曲は変拍子、キー変化、テンポ変化、いずれも存在するのでStudio One 5 Professionalを使用してステムを行いました。
こんな複雑なステムをどうやって管理したか

DAW画面

逆にこれ以外に考え付かなかったです。一つ一つの箇所をフォルダで分けています。
トラックの総数は112です。ニコニコメドレーでも多くて80くらいなので驚異的な量です、ですが一つのトラックも見逃すことなく処理しました。そういえば、この楽曲は制作陣から『instも楽しんで欲しい』っとの事でそれには僕も激しく同意なのですが、一つ失態をしていて、納品の時2mixしか渡さなかったんですよね。いまになってシマッタ!!って感じです…
こっそり…ホントにコッソリですよ?

Lieonids

それでは最後の曲です。この曲は投稿後にこんな切ない歌だったのか…と気付いたんですよね。編集しているとどうしても全て音波形として見てしまうので。
この曲はドラムの全体処理について解説します。
ドラムはどんな楽曲の中でも暴れがちなのでまとめるためにバストラックを作りますよね。それは、どの作品でも必ずやります。ただ、この作品だけバストラックにちょっと違うものを挿しているんですよね。

TR5 Bus Compressor
ほかの楽曲で使ったものその1


BrainWorx townhouse buss compressor
ほかの楽曲で使ったものその2

ほかの楽曲ではこうゆうの使ってましたが、この曲ではこんなのを使いました。

Shadow Hills Mastering Compressor

マスタリング用じゃん!!
名前にマスタリングとは付いているんですがマスタリングにはこれの上位機種


Shadow Hills Class A Mastering Compressor

こっちを使うんですよね。大まかな違いは大体M/S処理できるかとか、そうゆうの。で前者の方をバストラックに挿したんですよ。そしたら、とってもリアルじゃないですか?ドラムの音そして、この曲全体的にあまり潰し過ぎると明瞭度に欠けるなっていうのがあったのでマスタリングであまり圧をかけないように聞き心地最優先で取り組みました。

最後に

以上5作品について細かく重視した点、よく聞かれそうな点を解説しました!!
今回この作品で学んだこともいろいろあり、とても勉強にもなりました。
ここで触れた内容などを踏まえて見てみたらまた面白い発見があるかも!?しれません。

自分の楽曲のステムやってほしい??(言ってない)
じゃあ僕に依頼しよう!(唐突な営業)
っと茶番は置いてといて、僕は
映像、MIXなど様々な音楽に携わる関連の依頼を
募集しております。
ご相談ならお金かからないのでぜひご気軽にご相談ください。

という訳で宣伝も挟みましたが、むきゅでした!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?