【幕間】ダイバード②
つづき
②心情、ストレスの内容
当時を回想し、以下につらつらと、思うがままに、書き留めておく。
その為、下記文書は構成が出鱈目であることご容赦願いたい。
そもそも、私は学生時代にとある専門的な資格を取得し、その資格を持って2023年4月に新卒として就職した。会社は、当時設立5年目の製造業。
周りは高校生が多く、周りより歳はとっていたものの、新卒は新卒。
資格も、100%生かせる職場でないことは承知していたが、似た業種 且つ ベンチャーであるため新しい風となれるのでは...という思いもあった。
それは会社側もそうだったと思う。
最初の配属は3つ程年上の女性だったが、
最初の1ヶ月はOJTとして、事実上 別部署での作業にあたり、別部署の50代上司の世話になった。
2023年5月某日 本来の配属部署へと移動となる。
女性上司からは「まだこの会社にはマニュアルがほとんどない。あってもマニュアルの体を成していない。貴方には これらを作ってもらう」
入社直後に受けた説明通り、5月からはいくつもの製造に関するマニュアル、製造に関する社内ルール、製造に関する社内基準を決めることになる。
今思えば、無茶苦茶だった。
資格はあれど、それは基準を決めることができる資格ではなかったし、当然基準を決めたりマニュアルを作ったりなど、人生でやったことがない。
それでいて、周りに聞いても、取り合ってくれる人が中々居なかった。
「それ、私はやつまたことないので分からないです」
「私分からない。〇〇さんなら分かるのでは?」
「それを考えるのが貴方の仕事では?」
苦い言葉たち。
私の資格、私の学校では、
「基準を理解して覚えて判断すること、作業すること」は学ぶが、
基準そのものを作るなんて......。
ましてや、仕組みも仕様もよく分からないものについて。(前述した通り社内書類は当時殆どなく、仕様書やそれに類するものも存在しなかった)
勿論、社長は知っている。
社長に聞けと注意されたこともあった。
いま思えばもっと頼っていたらと思う。
でも出張などで急にいないことが多かったし、忙しそうにしていたし(当然忙しくて当たり前)、目の前で先輩が説教されているのを見ていると、中々話しかけられなかった。
後悔
そんな中で、何とか一つの(私にとって)大きなマニュアルを作り上げた頃、
部屋に暖房が必要になってきた頃、
急に、私からしたら急に、
大きなプロジェクトが始まった。
私はそのメンバーのひとり
それが前の記事①で述べた3月末納期の業務。
(この辺りでまた配属替えがあって上司が変わって、その後 単独の部署に所属になった)
そのプロジェクト完遂のため、
私は更に幾つかの書類、基準、ルールを決める事になる。
しかも、相手は国。国からの厳正な審査に耐えうるルールにしなくてはならなかった。
今まで、会社になかったこと、やってなかったことを、4月から実施できるようルールをはじめ環境整備しろと。
物の置き場から、何から何まで。
誰も頼れない。誰言っても、「自分で考えろ」「自由にやれるからいいだろ」「他に誰もいないから君がやるしかないだろ」
そんな風だった。
仕事をしていると、
古い資料や書類、過去の作業の後が出てくることがある。
見ると、色々なことがわかった。
このプロジェクトは2〜3年前からやろうとしては完遂できずに後回しになっていること。
実は自分が今やってる業務に過去前任者が何人かいたこと。
その中の1人が、一度も会話をせずつい数ヶ月前に退職した人であること。
など
過去の事例は誰も記録に残さない、記録書の類は殆ど存在しない組織だったが、PCを漁ったりしているとたまに出てくる。
3月末に無事完遂
また3月からは、私の業務に一つ、他社からの部材購買が加わった。
製造だけでなくリペアも行う会社のため、
適正在庫が頭を悩ませた。
中でも、とある新商品について、商品一個分の部材が全く揃っていなかったので、
購入を希望し、照査に申請した。
しかし、使用の予定がないものを購入することはできない。と全て却下された。
中には、今すぐに必要なものも含まれていたが、何故かそれも却下された。(最低ロット数の過大と、価格が問題だった)
今すぐじゃないと、後々大変な事になると目に見えていたのだが、何故かそれが社長に伝わっていなかった。否、それ(いずれ必要になる事象)を取り仕切ってる人物(=照査)が、要らないと判断し、社長にそう進言したそうだ。
私は、何を言っても無駄だと思い、何も言い返す事なく、責められた。
それから1ヶ月後、事が起きる。
急に例の新商品の部材が必要になるが、当然ない。すぐ購入するも、届くまでには時間がかかる。
この事で、大きなタイムロス。社内が慌ただしくなった。
それから何度か、同様に部材を出せと言われるが、毎回必要分しか購入来ていないため、当然モノは存在しない。納品までにも時間がかかる。
「無いので出来ません」
と伝えると、
「それをどうにかするよう考えろ」
「それがお前の仕事だろ」
と返ってきた。
これはほんの一部。
せっかく作った基準やルールも、納期が守れないから、と目を通してもらえなかったり守ってもらえなかったり、
何度説明しても覚えてくれない先輩や、
マニュアルを読まずに進める同僚。
言わないと誰も残さない記録。
人には他人の仕事に興味持て。自分で仕事を作るんだ。という癖に私のことには無関心の周りの人達。
タバコのポイ捨て、横暴な態度に横柄な振る舞い
人には報連相を求めるのに、ちゃんと報連相してくれない上司や先輩、そして虚偽
そんなこんなで、
私の心はポキっと折れた。
私の常識が、資格を取得して得た常識が、彼らの常識には合わなかったり聞き入れてもらえず、
周りが全て敵に見えたり......。
呪いを感じた。
前述した、すでに退職した前任者らしき人。
その人のPCはほぼ全てのファイルが削除され、「呪念書」(?) なるものが残されていたらしい。
私は中身を見ていないが、
社内の色々な事、人に対して色々書かれていたらしい。
恐らくこれは呪いだ。
マニュアル作成、基準作り、部材発注
稀有な部署に宿る呪い
会社にとって、決して直接的な黒字は生み出さない部署。且つ、赤字は生み出す可能性のある稀有な部署。
何も生み出さない。何もしない。
周りからは当然そう思われてる、何だかよく分からない、何してんだかよく分からない、暇なんじゃないかと思われる、そんな稀有な部署に永遠に残る呪い。
就職は縁、配属は運。
たまたま踏み入れたその部屋は、
隣の大部屋や中部屋、スイートルームの人間から不満をぶつけられ、こちらが困ってる時は見捨てられ......
痰壺のような呪いの部屋は、
私の前も、私の後も、同じような悲劇に遭うのだろう。
そう、
そもそも購買が制限されたのも、
その「呪念書」を書いた人物が原因だったらしい。
彼が無断で大量購入した過去が何度かあるようで、そのせいで購買にはシビアにならざるを得ないそう。
私には分かる。
彼にも問題はあるが、彼にそうさせた、そうせざるを得なかった前後の物語があったのだろう。
上の人に踊らされ、掌返され、何とか自分の力でやった結果、それが新たな呪いとなった。
それが私のところに回ってきただけなのだろう。
誰もが彼を無視し、無関心だったばっかりに、呪いの部署に呪いが増え、人が消えた。
そこに踏み入れた私も......
少なくとも、
他人を責めるだけでなく、皆がそれぞれ他人への関心を持ってさえいれば、防げた呪いではないかと私は思う。
(終わり...?)