わたしは黒さを容認する
私は正しく生きてはいけないと気づいてから
随分苦しかったと思います。
正しくなくても、生きていける ということをたくさん読んだ本に宿る想いたちが教えてくれました。
おかげで、苦しさは和らいだように思います。
正しい人たちだけが生きていいってことはないんですよね。
周りを見渡せば素晴らしい人がいる一方で、
そう思えないような方もいます。
みんな、生きています。
だから、
やっちゃいけないことだけはやらなければ
それでいい気がします。
白だけを容認するだけでなく、
真っ黒には足を踏み入れずに
グレーを探す。
私は私が生きやすいようにグレーゾーンを探すことにしました。
正しさを目指す方が多いから、
正しさを目指すことから、自分だけ降りるのって凄く怖いことです。
だって、みんな同じ先へ向かうのに、
私だけそのステージを降りるんです。
もう、正しさに縛られていたくはないと。
この場所にはどのくらいの人がいるんだろう。
人がたくさんいたのに、この場所は誰も見えない。
まだ、私が歩き出したばかりからでしょうか?
ずっと白さばかり求めて、私にはその白さを保つことが出来ず、上から下からと挟まる日々。
膿を出す場所なんか私の中にしかなくて。
何度も夜は暗さに守られて涙の蛇口は漸く壊れることを許される。
誰にも聞こえないように、枕に顔を押し付けて、
声が出ないよう布団を被って、何で私は生まれたのかと神様に問うんだ。
徐々に自分を止められなくなって、
羨ましさから周りを攻撃して、
ハリネズミのように針で私を覆うようになった。
声に出せない叫びが私を覆って。
意図せずとも、傷つけてしまったことに、
僅かに私として生きている善良さが狂ってしまいそうなほど、泣き叫んでいた。
嫌いだった。
私に黒い絵の具が溢れて、真っ黒にはしたくないから上から白さで塗り潰そうとしても、どこか純な白とは遠く。
残っている。
薄く薄く灰色になった場所をなかったことにしようにも、無理だった。
起きたことは戻せない。
そして、残る。跡は消えない。
白くなくなった私に価値などないじゃないかと生きていることを辞めたかった。
もう汚れた私が知らない顔して生きてなんかいけなくて。
無駄に善良さが私の大部分を占める。
だから、吹っ切れはしなかった。
生きていたくない。
でも、自分を殺める勇気などなくて。
死がやっぱり怖い。
私はだんだんとひねくれてきてしまったよ。
でも、私の光は、本の中の人で、
現実のとてつもない優しさを向ける
神様みたいな人で。
その優しさを傷つけようとする人が許せなかった。
あ、これだ。と思った。
繰り返さないように、過去を残してコントロールする。
この綺麗な心の人たちを傷つけるやつと対抗してやろう。
私は既に汚れてしまっている。
自分の大切な人の笑顔や綺麗な心の傷を少しでも減らせるなら、私は悪女にだってなっていい。
悪いやつと戦うのは、悪いやつだっていいじゃないか。
私は私が生きていくために自分の中の悪を容認するよ。
尖って誰でもいいと突き刺すのではなく、
私の大事な人を傷つける悪に対しての私の悪を。
同じ土俵に降りていく。
私が自分がまもりたい世界を守るために探しているグレーゾーン。
もっと賢くなりたい。
もっと知りたいことがたくさんある。
それは、戦えるようにするためで、
結局は、自分のため なんだけど。
悪さの全ては否定しない。
上手く付き合っていこう。
全て真っ白なままでは生きていけなくて。
気づいたら、黒もグレーも共存している。
それでいい。
真っ黒にさえならなければいいのだ。
それが私のこれからの戦い方になっていくんだろうな。
正しいになりたくて、
正しいになれなかった私の正しさ以外を容認する方法。