もしかしたら、と気づきたいだけ。


私は東京に行っていた頃、こんなことを思ったことがある。
この人で溢れている交差点に、山手線に、もしかしたら、この中に凄い人がいるのかもしれない。
そうワクワクした思いを持っていた。
でも、私は分野ごとに凄い人は知らない。
結局、凄い人がいたとしても気づかないんだ…。

となんだか、残念な気持ちになった。2016年のことだ。
というのも、なぜか私には凄い人を知っていたいという想いがある。何故か。
知っていたから、どうとかそういうのは無くて、ただ、凄い人に気づきたいという謎の思いだけがある。もしかしたら、有名な方を偶然見かける機会にただ飢えているだけなのかもしれない。

私は現在まで25年生きてきて、私が知っている芸能人をみたことは、2度だけだった。
チラッとみたのは、長州小力さんと石ちゃんさんだけ。
東京でお見かけしたのは、長州小力さんだけだ。
そう。チラッとみただけだった。


************* 

2019年のこと。
少し前から「アオアシ 」という漫画の影響で、サッカーにハマりだした。
未だルールは知らないけど、
サッカーを観たくて仕方なかった。
この年は、何度かサッカーを観に行った。
その中で、とても凄い選手たちが来日して試合をするらしいと聞き、なんてタイミングと運がいいんだろう!と、私は観にいきたくて観にいきたくて、欲がむくむくしていた。
絶対に観に行く!!!と決めてチケット争奪戦にも負けないぞ!と意気込んでいた。
結果、無事に欲しいと思ったランクの席をとった。心配とは裏腹にちゃんと確保できた。
1人で行くのは心許なくて、チケットを2枚ずつとった。
友人はサッカーに興味がないから、気軽に連れて行ける弟を連れて行った。



その会場の1つで、弟がみていたチャンネルのYouTuberさんがいらっしゃったらしい。
写真をとってもらって喜んでいたが、
私は知らなかった…
弟は興奮気味にどんなに凄い人か教えてくれたけど、私はわからなかった…。
(私は知らなかったので、そうなんだ〜くらいで終わった)

なんだか、勿体ないような気がしてきてならない。
凄い人を知らないせいで私は気づかないんだ。
知っていれば気づいたかもしれないのに…
なんで、その業界の凄い人を調べなかったのか…
わかりもしないくせに、私はある来日したチームの監督にばかり一時の熱を上げていた。
すごい戦略を考える人なんだ✨✨と、
そのチームのムック本みたいなものまで買って…。


気づかないのが悪いことじゃない。
けれど、なんとなく気付きたい。
そうだ、私は自分が知ってる有名な方を目撃したいんだ。
この分野の凄い人だ!とか。
この人とすれ違ったんだ!
ってそれだけで嬉しくなったりしませんか?
同じ空間にいたんだ!と。
そういう体験がしたいんだ。
でも、仕方ない。
興味が沸かない分野に手を出さないこともそうだけど、有名人なら誰でもいいんじゃないんだから。

私は凄い人たちの思考って何だか飛び抜けているように思えて、アイディアへの発想力が飛び抜けて凄いとキラキラした目でみてしまう。
私はそういう人たちみたいになりたいと思う気もちもあるから、望んでしまうんだろうけど。
そういう人たちの話はとても面白い。
私は面白い話が聞きたいんだと思う。
普通 に考えてることが私にしたら面白い。
でも、そういう方々に気づいたからって話かけられるか、時間をいただけるかって言われたら、多分、難しいと思う。
だから、ただ、みたいんだと思う。
ホントにこんな人がいるんだなって、実感したい、ただそれだけなんだと思う。

そのために、私は凄い人を知りたいし、街中にいたら、気づいてみたい。
ただ、それだけなんです。



とくにオチもなく、着地もせずな話です。



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