クリスマスデート
こんばんは、じゃないです。
何年ぶりかのインフルエンザに罹りました。この1年はやたらと体調を崩してしまったので、2025年はと言わずこの年末以降はしばらく寝込まずにいたいです。皆さんも慌ただしい時期が続きますがご自愛ください。帰省が遅れて体調も復活してきたので、少し遅れたクリスマス記事を投稿します。読んでくださると嬉しいです。今年も一年ありがとうございました。皆さんよいお年を🐕🦺🌿✨
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12/13(金)
在宅勤務を終え、東京駅で彼に会った。本当は明日の朝広島を出て東京に向かうつもりだったのだけれど、少しでも早く会いたくて急に来てみた。遠距離恋愛の恋人にサプライズで会いにいくことに対して、Yahoo知恵袋にはネガティブな意見しかなく、もともと明日会う予定を1日早めただけとはいえ、彼にとっては迷惑かもしれないよな...と弱気になって昼休みにLINEを入れてから東京へ行った。と言ってもLINEをしたのは切符を買った後だったので事後報告みたいなものだけれど。
突然会うことになった彼は「髭が〜泣」とか「服が〜泣」とか言っていたけれど、もともと薄い髭を少し剃っていなかったからといって何も気にならないし、服だって別に仕事終わりとして普通のものだ。全然かっこいいので安心してほしい。なにより急に会えたことを同じ温度で喜んでくれて本当によかった。
丸の内のイルミネーション通りを散歩して、KITTEで鶏白湯系のラーメンを食べた。ウェディングフォトを撮っている花嫁はイルミネーションに負けないくらい美しく、花嫁を見る花婿の目は12月とは思えないあたたかみを持っていた。いつでも結婚できるように美を磨いておかなきゃなと片隅で思いつつ食べるラーメンでも美味しい。しっかり味が濃くて、揚げたごぼうのトッピングが珍しいのだけれどよく合う。
12月のはじめは落ち込みが強くて、その日にも記事を書いたのだけれどあまりに負のオーラが強いため、きっとこの先も出すことはないだろう。ちゃんとまた彼に会えるかどうかも不安だったから、こうして自分の足で東京に来て、好きな人と食事を摂れていることが大袈裟ながらに最高級の幸せに感じた。
夏にはじめて行ったとき、ふたりのお気に入りになった池袋のカフェに行った。錦鯉長谷川さんばりの勢いの挨拶が嬉しい。冬限定のドリンクを注文し、シュトーレンみたいなパウンドケーキを彼とシェアした。雪のようにふわふわのフォームミルクといちごのソースが美味しい。パウンドケーキにはドライフルーツがざくざく入っていて特別な気持ちになれた。隣に彼がいる華金。頑張ってたらいいことあるね。
12/14(土)
彼の出勤を玄関で見送り、身支度をする。簡単に部屋の掃除をしてカフェへ。キャロットケーキを注文し、山本文緒の『恋愛中毒』を読む。山本文緒は大学生のときにたまたまブックオフで買った『ブラック・ティー』を読んだときからずっと好き。強いのに弱い、守りたいのに傷つけてしまう、人間の生きる世界の複雑さゆえに生まれる葛藤や矛盾の描き方が生々しく熱があって好きだ。どことなくさくらももこの雰囲気もあると個人的には感じる。かなりゆっくりする予定だったけれど鼻炎が大爆発したのでそそくさとマツキヨへ。パブロン鼻炎カプセルが絶対に効くということのありがたさ。
彼から「残業になるかも」と連絡があったけれど、結局定時に上がることができて17時には会えた。30分でも早く会いたかったから嬉しい。激務だったらしいのに、昨日急遽決まった神宮外苑のクリスマスマーケットデートに付き合ってくれた。土曜の夜ということもあり、入場までの列が寒さでつらかったけれど、楽しさの方が上回る彼と一緒で嬉しい。入場券がわりのリストバンドを配るお兄さんの手が震えていた。一刻も早く暖房の効いた部屋へ、彼を。
海外のアーティストのライブやタップダンスなどの催しがなんだか日本じゃないみたいでクリスマスらしさを感じる。クラムチャウダーと、ソーセージとガーリックシュリンプを買った。寒さによる手の震えで空いたテーブルを見つけるまでにチャウダーをこぼしそうになったけれど、どうにか耐えてあたたかい料理を胃の中へ。値段の割にはご馳走というわけではないのだけれど、普段食べない味付けが嬉しいし、ムードのいい空気で寒さを分かち合えているのも嬉しいのだ。お土産のマグカップとクリスマスツリー型のマトリョーシカも手に入れて帰路に着く。改めて、同じ家に帰れるという一年前には叶わなかった状況に感謝した。
12/15(日)
9時ごろ起きた。昨日のクリスマスマーケットで手に入れたマグカップに彼がコーヒーを淹れてくれた。夜食べなかったじゃがりこも食べた。我々はとりあえずじゃがりこを買い、結局食べずに朝食べることが多すぎる。決してポテトサラダと勘違いしているわけではないのだが。
この日は横浜へ。ほんとうに雲ひとつない空だった。海沿いぬくぬくお散歩ほど良いものはない。散歩されている犬の中にはサンタさんの帽子をかぶっている子もいてかなり嬉しかった。中華街からみなとみらいまでは少し歩くのだけれど、全く苦にならないほど街が良い。時たま漂うカレーの香りに横浜らしさを感じつつぼんやり歩いていたらお昼時を逃してしまった。朝じゃがりこを食べておいてよかったな。ひとまずクリスマスマーケットに入場することにする。
赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットは3年前に来たことがあり、それはそれは大きな人生の一部になっていた。だからこそ、人生のすべてと言い切ってしまいたいほどの大切な人と一緒に来たかった。まだ日が落ちていない時間帯ということもあり、混雑はしていたものの寒さもなく過ごしやすかった。可愛いアイテムもたくさん売っていたけれど、まずはお腹を満たすためにフードのブースへ。ホットワインとマンゴーカクテル、プレッツェルとローストビーフを注文した。ひとつだけ学祭の屋台みたいなお店があり、店頭でラグビー部っぽいお兄さんが声を張り上げてガーリックシュリンプの宣伝をしていた。彼も年下かもしれないと思うと不思議な気分だ。昨日食べてしまったから買わなかったけれど、なんでもやり切れる人はかっこいい。
ほぼ本日1食目のフードはとてもおいしかった。濃い味のソースがお肉に合うし、チーズのトッピングが贅沢な感じがする。プレッツェルは初めて食べたのだけれど想像より柔らかくて食べやすかった。日中なのもあってまるでピクニックみたいでよかった。何より混雑を避けられるし、寒くない。
夕方、コスモワールドの観覧車に乗った。並んでいる間に日が落ちて、ちょうど夜景が綺麗に見えた。15分の間に真面目な話はしなかったけれど、3年前には乗れなかった観覧車に乗れたことに強い意味を感じた。この日まで生きていてよかったとひっそり思った。来年のクリスマスは何をしたいかという話も少しした。当たり前のように2度目のクリスマスが来た幸せ、当たり前のように来年の話ができる幸せ、全部忘れないようにしなきゃな。
観覧車から降りて、点灯したツリーを見たくてクリスマスマーケットに再入場した。ガーリックシュリンプのお兄さんの声は枯れていた。ツリーの向こう側が海なのもあって、なんだか神聖な感じもした。満月がひとつのオーナメントのようだった。ホットチョコレートを買って、元町駅まで歩く。途中で振り返ると、さっきまでいたツリーと少し前に乗っていた観覧車が見えた。横浜は好きだ。道が広くて海が近くて、穏やかさと都会的な雰囲気が両立している。また来たいけれど、これが最後の横浜になっても悔いはないくらいのデートだった。
夕食は池袋のシェーキーズでピザをたらふく食べた。シェーキーズには初めて来たけれど、カジュアルでホップな感じが楽しかった。あとピザ食べ放題のお店にしてはドリンクバーが充実していてそれもかなり嬉しかった。私はガストにあるタイプのコカコーラのドリンクバーが一番好きである。彼がピザのお皿にポテトもチキンも乗せてカレーまで食べるというわんぱく行為をしていたのが可愛くて写真を撮ったら「恥ずかしいからダメ〜!」と言われた。その時は私のプレートはA型らしく綺麗に盛られているという評価で鼻が高かったけれど今見返したら十分わんぱく盛りであった。ふたりでビュッフェ形式のお店に来ることはほぼないのでデートとして新しくて嬉しかった。手を繋いで帰宅。帰りを想像して寂しさがよぎるが、一旦無視する。今日は一緒に眠れるので。
12/16(月)
6時半起床。吐き気と腹痛に起こされた最悪な朝。体を丸めたり伸ばしたりして誤魔化してみたけれどどうにも消えず、トイレの出入りを繰り返していたら恋人を起こしてしまった。元来お腹が弱いタイプでもないし、牡蠣にあたったときに比べれば軽症だったため、単なる昨晩のピザ食べ放題の胃もたれだと捉えてデートを強行した。彼は「家でゆっくりする?」と何度も尋ねてくれたけれど、胃薬を飲んで少しすれば治るだろうと思い、二子玉川の映画館へ出かけた。
途中、全ての駅でトイレに行きまくったおかげで復活しつつあった胃の痛みが、映画の開始とともに悪化した。退場しようかとも思ったけれど、トイレで2時間もくたばっているわけにはいかないし、トイレに行ってどうこうなるものでもない気がして、嘘みたいな体制で映画を観た。AT THE BENCHは無料公開で既に観ていた編を含む全てがよかった。どの場面が良かったとか、驚きがあったとかもあるのだけれど、正直今は腹痛の記憶が濃くて上手く書けない。こんな状況で観てもかなりよかったので、元気なときに観たら最高の映画だと思う。
近くにロケ地となったベンチがあるらしく、そこまで彼と散歩した。本当はおしゃれタウン二子玉でランチをしてもよかったし、パンとコーヒーを買ってそのベンチで食べても良かったのだけれど、私があまりに食欲がないせいで、彼を昼食抜きにさせてしまった。帰宅も提案してくれたのだけれど、私が頑固を発動したのだ。天気も景色もよく、穏やかでとてもいい散歩だったが、体調は最悪になった。ひとりだったらそのままベンチで死んでいたかもしれない。どうにかこうにか彼の力を借りまくって帰宅。即寝込み。この世でいちばん好きな人の家で緑のゲロを吐きまくる最悪な状況。それでも彼はずっとそばにいてくれてありがたかった。愛すぎますよ...
一通り寝込んだあと(一通り寝込む?)明日は出社の予定だったため、新幹線で自宅に戻るために東京駅へ向かったのだけれど、山手線の一駅の区間も乗っていられないほど気分が悪く、体調不良レベルがマックスに到達してしまい、やむなく彼の家に引き返した。大量の荷物を持たせ、嘘くらい歩くのが遅い死にかけの成人女性というもっと大きな荷物も持たせ、彼にはほんとうに申し訳なかった。せっかくのデートを台無しにしていることにも、体調の悪さにも泣きそうだった。
帰宅し、彼は私のコートを脱がせてベッドに寝かせ、買い物に出かけて飲み物を用意してくれたりうどんを作ってくれたりした。その間、私はずっと死にかけていた。せっかく茹でてくれたうどんも3本しか食べられなかったのに、残した分を彼が食べて、「ちゃんと食べれて偉いね〜」と私が食べきったことにしてくれたり、引き攣っているであろう私の顔をふにふにと触り、「可愛いおばあちゃんになりそうだ」と言ってくれたりもした。なんでこんなに優しくしてくれるんだろう、もしかして私のこと好きなのかな、と思っていたら眠っていた。ふと目を覚ますと、霜降りチューブの、M-1決勝進出者をキャッチコピーだけであてるというお笑い海賊にしか楽しめない動画を観て「あ〜、敗復(敗者復活)だからコピーないのか」などと楽しそうに言っていた。愛しすぎるな...
今頃ひとりで新幹線に乗っていたと思うとゾッとする。予定は狂ってしまったけれど、東京に残る決断をしてよかった。安心感と腹痛を抱いて再び眠った。
12/17(火)
朝起きたら嘘みたいに元気になっていた。仕事の彼を見送って、自分も在宅勤務を始める。社用PCを持っていて本当に良かった。本当は今夜部の忘年会があったため、それも含めて申し訳なさがあるけれど、無理な時に無理と言えた自分に対して成長を感じたりもした。会社の人に対して意識的に距離を置いていたけれど、それって誰のためにもなっていないような気がする。仲良くしなくてもいいと思うが、無理に仲良くしない必要もない。淡々と業務を進め、昼におそるおそるコーンスープを飲んでみた。食事をしてもお腹は平気で安心した。
仕事終わりの彼と合流し、東京駅でうどんを食べた。彼は「わ〜(昨日は死にかけていた)じゃないが喋ってる〜」と嬉しそうにしてくれてよかった。お腹も空いていたのにうどんは食べきれなかったけれど、前回同じお店に来たときも食べきれなかった記憶があるので、ここの並は2玉の可能性がある。「昨日見たけど」と言いつつ残したうどんを今日も食べてくれてありがたすぎる。でも普通にダサいので本当は食べ切りたい。
今回も改札内まで見送ってくれた。2024年に会うのはこれで最後になる。「よいお年を」と言い合った。別れはいつだって寂しい。けれどまた会えることが決まっているのが嬉しい。この一年、彼がいないと出来ないことばかりだった。彼がいたから出来たことがいっぱいあった。彼にとっても、私はそんな存在であるだろうか。そうだといいな、そうなれるように。幸せだらけの1年間をありがとう。来年もどうぞよろしく。