高齢者、まずネット銀行のこと知っとこ!
昨年末、親族の忘年会での話題は2024年開始の新NISA制度についてでした。これまでお金の話を意外にもしてこなかったので、思いがけず話が盛り上がりました。
その時のメンバーは私たち夫婦と弟夫婦で、50代、60代、70代。
ほぼ年金暮らしの高齢者です。
結果的にどちらの家族も口座を開設し投資信託を始めていますが、いろいろな勘違いが…。
■ネット銀行とネットバンキング、勘違いしがち⁉
ネット証券を使うとネット銀行もお金の入出金には欠かせません。
我が家の場合、楽天証券を開設したので同時に楽天銀行を開設し、弟も同じようにしています。楽天には「マネーブリッジ」というサービスがあって、銀行口座と証券口座を連携させ入出金を自動化できるのです。
いっぽう弟の奥さんは投資には興味がないというので、運用は弟に任せて自分自身の口座は作りませんでした。
ある日彼女とお金の振り込みの話になって、「私もPCで振込みしてみた。店舗までいかなくてもいいから便利だ」というのです。
これを聞いて私はネット銀行の口座を作ったのかなと思ったのですが、よく聞けば地元銀行のネットバンキングでした。
なるほど、どちらもインターネットを使うので勘違いしやすいですね。
■普通銀行とネット銀行の違い
どちらもインターネットを利用してサービスを受けることができますが、大きな違いは実店舗が存在するかどうかです。
一般の銀行はこれまでの金融取引のサービスの一つとしてインターネットバンキングを提供しています。
一方ネット銀行は、インターネットバンキング専業の銀行といえます。
・一般の銀行… 店舗あり/ 通帳あり/ (ネット銀行と比較して)金利は低め、手数料は高め
・ネット銀行… 店舗なし/ 通帳なし(web上で確認)/ (一般の銀行と比較して)金利は高め、手数料は低め
銀行利用者にとって金利と手数料は大きな選択の指標ですから、確かにネット銀行は魅力的だといえます。
しかし高齢者はどうしてもゆうちょ銀行をはじめ馴染みの地元銀行の利用が長いので、ネット銀行のメリットや必要性を感じにくいのです。
■実感!ネット振込の利便性
我が家は証券口座の開設を機にネット銀行も使い始めました。
楽天証券には「マネーブリッジ」というサービスがあって、銀行口座と証券口座を連携させ入出金を自動化できるのです。
つまり証券口座を利用するにあたって必要だったからで、単独でネット銀行を使おうとは考えていませんでした。
ある日別件で旅行代金の振り込みのために、楽天銀行で他行あて振込サービスを体験しました。
自宅にいながらゆっくり落ち着いてパソコンを操作して振込完了。
しかも手数料無料(条件あり)。これまでATM で後ろに並んでいる人を気にしながら、焦って操作するのとは全く違うのです。
一方義妹は地元銀行のネットバンキング利用で数百円の手数料がかかったようですが、操作も思いのほか簡単で便利だと話していました。
■混在する普通銀行とネット銀行、サービスは成長中だが高齢者の選択は?
つまり私はネット銀行の振り込み無料に感動し、義妹は地元銀行のネットバンキングサービスで手数料の安さを実感したのでした。
インターネットを利用するサービスは、時間と場所に縛られないので高齢者にとってもありがたいことなのです。
以上のことを承知の上で、義妹は言います。
「少しでもお得なサービスは取り入れていきたい。でも大切なお金のことなので、窓口での対応は有難いし、何より安心感がある。今のところ使い慣れた地元銀行のネットバンキングサービスで十分だ。」
彼女はお得感より安心感を選択したのでした。
高齢者にとって実店舗のある馴染みの銀行は窓口に行けば対応してもらえるのですから心強いわけです。
しかし使い慣れた近所の銀行でもネットバンキングサービスが提供され、いずれネットの世界にシフトしていく傾向は明白です。
この変化にできるだけ対応できる高齢者でありたいと考えていますが、ネットサービスのセキュリティがより強化され、窓口サービスのような安心感が得られることを望んでいます。