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KUBO/クボ2本の弦の秘密、を観ました

※観た直後にメモ書きくらいの気持ちでしたためてます。

先日録画したものを観ました。字幕でした。
見たいみたいと思いつつ、あまりレンタルショップへ行くタイプでもない上に、いざ行くとうっかり忘れてしまったり、まとまった時間をとれる見込みがなかったり、他に見たい映画を優先してしまったりで、なんやかんやこの時まで鑑賞できずにいました。

こちらの映画はストップモーション・アニメーションです。
映像が、映像がすごい。
主人公・クボが扱うギミックのメインが折り紙(厳密には三味線で操る)なのですが、これの動きも数も半端じゃない。
あれだけの数のものを折りあがる様子込みでワンカットずつ撮影していったとなると、どれだけの労力と時間だったのか…….。
「一週間で3.31秒ほどしかすすまなかった」という制作話を聞いても、想像が追い付かない世界。

ストーリーをプロットに書き起こしてみると非常に王道でシンプルなお話。
母親と魔の手を逃れ、流れ着いた先で日々三味線を使った魔法で生計を立て、母の世話を焼く不思議な力を持つ健気な少年・クボ。
慎まやかに母と生活していたものの、母との約束を破ったことで悪の手先に見つかってしまう。が、母親が身を挺して彼を遠くの地へ逃がす。
「伝説の武具を探して身を守りなさい」という母の言葉の通り、武具を探すクボ。
彼を守ろうとする厳しくも優しい「サル」や、記憶を失くした自称・侍の「クワガタ」と共に武具を探し求めるがー……といった流れ。
クボがなぜ隻眼なのかは作中でちゃんと語られていますので、気になっている方は見ることでしっかり回収してください。(笑)

舞台は日本。
物語の随所でわびさびとした古来の日本ならではの繊細さ、緻密さ、美しさを巧みにアニメーションと調和させ、場面ごとの心情を盛り立てていました。
ラスボスが「月の帝」であり、夜が1つのキーになっている事もあってか、明暗の使い方が非常に幻想的で、印象に残るような効果的な使い方をされていたように感じます。
昼間の暖かな雰囲気の太陽光が妙に印象に残っています。明るすぎない、どこか緊張感と柔らかさを感じさせる不思議な自然光に感じました。自然すぎて不自然というか笑
うまくまとめられない笑

クボの健気さ、母の献身ぶりに自分はぐっとやられましたし、サルの、大切に思うがゆえの厳しさと愛情、そして勇ましさにかなり心掴まれました。

クワガタの人は……もっとこう……見せ場がもう1つくらいあっても良かったような……せめて自分の記憶を自ら思い出すか……思い出したあとにワンアクション見せ場がある……とか……。
王道的に言ったら正体はあの人だろうけど、このくらいの活躍ということは、そうではないのか?と思ってしまうくらい、ちょっと物足りなさがありました。
尺の都合なのかな?

話せないマスコット的なキャラは無条件に可愛く思ってしまうので、折り紙のハンゾウは言うまでもなく可愛かったです。笑

闇の姉妹の雰囲気も非常に良い。
冷酷で感情など持ち合わせていないようで、2人とも有能だった姉を尊敬していて、だからこそ恨み辛みを募らせてしまった感じが……後半の割れた面の下の苦々しく歪んだ口元からも伝わって……良き。

ラスボスの「月の帝」のルックスには、少し拍子抜けしました。(良い意味で)
変身前が……ほほう。

個人的に、村で良くしてくれてたおばあちゃんがスゴく良いキャラをしていて、やりとりに終始和ませてもらいました。暖かくてユーモアのある年配のキャラはいつだって癒し要員。

終わり方は「あ、そうくるか」という感想。
特別珍しさはありませんが、非常にこの作品らしい選択をしたな、と。その後の村人たちの対応も、最後まで「らしさ」を感じて勝手にほっこりしました。

もう一度観たらまた別の感想も生まれそうですが、とにかく、ストップモーションアニメであることを忘れるほどの大胆なアクションと演出、そして、非常に繊細なキャラクターの表情や動きで、あっという間に惹き込まれ、ワンシーンも目が離せない作品でした。
光の演出と空気感がとても素敵で、なおかつアクションもスピーディで迫力も充分ありますので、「静」のシーンも「動」のシーンも、見逃せない、飽きのこない作品です。
親子愛を随所に感じられる作品なので、親子での鑑賞にもおススメ。

でも、日本が舞台なのに海外のジェスチャーをするって言うのはどうなんだろ……笑(「お前を見張っている」のサルのジェスチャーとか)

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