精神科閉鎖病棟から離院するとどうなるのか

以前呟いた通り11月21日から1月28日まで入院していた。同じ病院内で内科に19日、残りは精神科という感じだった。
内科にいたのは、ODの影響で誤嚥性肺炎になってしまったものの、救急の病院からは1日で追い出されたのでその治療のためだった。

肺炎も治り、精神科に転床、という話になった。主治医から告げられた転床先が、以前入院していてとても嫌な思いをした慢性期病棟だった。
また、自分に精神科の治療が必要だとは思えなかった。大規模なOD後特有のフラットな精神になるアレだと思う。
主治医に強く意見を言えないのでその場では渋々了承したが、やはり行きたくない気持ちが強かった。なけなしの十円を公衆電話に入れ、母に「私絶対転床しないから！！！」と泣き叫んだ。それを母がナースに伝えたらしくそこそこ信頼していたナースが説得しに来た。堂々巡りになるだけだったのでここでも了承するふりをした。
その時病院を抜け出そうということを思いついた。失敗したら注射でも打たれて隔離拘束保護室行きかな、と思ったが、それ以上に病院を抜け出したい気持ちが強かった。

転床の日が来た。女のナース1人と一緒に移動することになった。もしかしたら成功するかも、と思ってしまった。

実際簡単に出られてしまった。玄関の開閉ボタンを押した瞬間前にいたナースが振り返ったが、呆気に取られていて私を止めようとはしなかった。
走った。めちゃくちゃ走った。肺炎の病み上がりで胸が死ぬほど痛くなったが構わず走り続けた。
何度も振り返ったが、誰も追ってこなかった。後ろから来る自転車や車が全部追手に見えて正直怖かった。
30分くらいで家についた。本当はもっと早く帰れる道があるのだが、ODで記憶がそこそこなくなってしまい、知ってる大通りを使ったので時間がかかってしまった。

インターホンを押したが家には誰もいなかった。誰かが帰ってくるのを待とうと玄関に座り込んでいた。
身一つで出てきたので、携帯もお金も無いし暇だな、自転車でどこか行こうかなと思ったところでバイクに乗った警察の人が来た。おおらかな感じの人で、「どうして出でいっちゃったの？一旦警察行かない？」と宥めてくれたが私は拒否して座り込んだままだった。
仕事に行っていた母がすっ飛んで帰ってきた。怒鳴られるかな、と思ったけどむしろ心配したと泣かれてしまった。
迷子人(そういう扱いらしい)を保護したらその人の情報を控えなければいけないらしく、色々聞かれた。名前の漢字から通っている学校、体重まで。当時は今より6キロぐらい太っていたのでちょっと嫌だった。
バイクのお巡りさんが連絡してパトカーを呼び、それで病院に帰ることになった。もう観念したので大人しくパトカーに乗ることにした。

病院に戻ったらナースやワーカーさん、事務の人っぽい人など10人ぐらいが私を待ち受けていた。一緒に移動したナースはいなかったが、転床の前に私のことを説得しにきたナースもいて、そこでやっとごめんなさいと言えた。

転床先は変更になり、行ったことのない急性期病棟に行くことになった。再脱走防止で内科のナースと急性期病棟のナースに腕を組まれて移動させられた。すれ違う人たち全員に二度見された。恥ずかしい。

主治医と母、私で話し合いになった。主治医に「あなたとは治療の契約が結べないので医療保護に切り替えます」と言われた。これを読むような人は知っているだろうが、医療保護入院とは本人の認否は関係なく保護者の同意だけで入院させられる仕組みだ。
未成年で、両親のサインが必要なので(気になったけど片親の場合ってどうなるんですか？)父を職場のある茨城から東京まで呼び寄せることになってしまった。面会時、父には「嘘でもいいから素直に振る舞いなさい、看護師さん今頃すごい怒られてるんだから」と言われた。
もしもその女性のナースが私を訪ねてきたら謝ろうと思ったが、自分から謝ろうとは思えなかった。性格が終わってる。

その急性期病棟は今までいたどの病棟より居心地が良かった。男女混合病棟だったのもあると思う。嫌な思いも当然したが、慢性期病棟より圧倒的にマシだった。
ワーカーさんから聞いた話だが、空きベッドの兼ね合いで慢性期病棟かこの病棟か、という話になっていたらしい。じゃあ最初からこの病棟にしてくれよ、と思ったが言ってもどうにもならないので我慢した。

本当に、後悔はしてないけど反省はしています。Twitterで「離院　インシデント」「離院　警察」と検索すると離院した患者にキレてる医療の人がたくさんいて、本当にごめんなさい、という気持ちになります。
強制退院にしろよ、という意見も多々あって、私も強制退院になってくれた方がよかったので、病院の偉い人はこれを読んだら早急に病院のルールを変えてください。