【艦これ】煙幕システムについて、いまわかっていることと考察
はじめに
この記事は、2023/4/23に実装された「発煙装置(煙幕)」による煙幕の発動(以下、煙幕システム)について、現時点でわかっている事実と考察を整理することを目的とした記事です。
実装されて日が浅いこともあり、データ量や考察が十分ではない箇所や、不正確もしくは曖昧な記載の箇所もあるかと思います。ですが、わかっていることを積み重ねて、使える装備であれば使っていくことが大事だと思いますので、記事にすることにしました。
なお、細かいことはいいのでざっくり煙幕の要点を掴みたい!という方は、こちらの画像をご覧ください。
現時点でわかっている事実
公式ツイート
煙幕システムについて、「艦これ」開発/運営(@KanColle_STAFF)が言及したツイートは次の通りです。
(2023/4/23アップデート告知の09,10, 12, 22)
公式ツイートから読み取れる煙幕システムの情報を、「煙幕の発動条件」と「煙幕の効果」に分類すると、次のようになります。
煙幕の発動条件について :
編成内に「発煙装置(煙幕)」を装備した艦が1隻以上必要である。
発煙装置(煙幕)が多いほど、展開成功及び有効な煙幕の展開が可能である。
煙幕展開に失敗する場合もある。
会敵時交戦陣形選択画面に新設された「煙幕」UIをアクティブにすることで指示可能である。
演習では発動しない。
先行実装では1出撃に対して、煙幕展開は1回可能である。
「発煙装置(煙幕)」には上位装備がある(「発煙装置改(煙幕)」を指す)。
煙幕の効果について:
発煙装置(煙幕)が多いほど、展開成功及び有効な煙幕の展開が可能 (再掲)である。
「光学照準の敵射撃・爆撃など」を阻害することが可能である。
「電探装備の敵」には注意が必要である。
既知の仕様と考えられる事項
公式ツイートに言及がなかった事項のうち、確率が絡まない(事象のある・なしを区別可能)、既知の仕様と考えられる事項は次の通りです。
装備可能艦は海防艦、駆逐艦、軽巡級、重巡級、特定の一部の艦(扶桑改二、山城改二、宗谷)
陣形を選択できない場合(通常艦隊の3隻以下)は発動操作ができない。
開幕夜戦マスでは「煙幕」UIが表示されないため、発動操作ができない。
連合艦隊の出撃時にも発動操作ができる。
煙幕の展開失敗時に、次の戦闘で再び「煙幕」UIが表示され、煙幕の展開を試みることが可能である。
煙幕の展開成功時の演出は3種類ある(一重、二重、三重)。四重以上は確認されていない。※演出によってapi_smoke_typeの値が異なる。
既存の検証結果の紹介
煙幕の発動条件について
旗艦の運
連合第一艦隊の旗艦の運・連合第二艦隊の旗艦の運
「発煙装置(煙幕)」装備の個数を増やした場合
「発煙装置(煙幕)」装備の個数と旗艦の運、上位装備(発煙装置改(煙幕))の効果
煙幕の効果について
基地航空隊
支援艦隊:砲撃支援
航空戦:対空砲火
航空戦:噴進弾幕の不発
航空戦:航空攻撃
砲撃戦:敵艦の電探
砲撃戦と雷撃戦の被弾
夜戦
検証結果からの示唆
煙幕の発動条件について
旗艦(連合艦隊の場合は第一艦隊旗艦)の運、発煙装置の装備個数、発煙装置が上位装備であることは、いずれも煙幕システムの運用に有利である。
旗艦の運が高い場合、煙幕の発動成功率が上がると考えられる。
旗艦の運が高い場合、煙幕が多重になりやすくなると考えられる。
連合艦隊の場合、第一艦隊旗艦の運が参照されていると考えられる。
「発煙装置(煙幕)」装備の個数が多いほど、煙幕システムの運用に有利である。
上位装備(発煙装置改(煙幕))は、「発煙装置(煙幕)」と比べて、煙幕システムの運用により有利である。
煙幕成功時の演出について、(「発煙装置(煙幕)」装備数+「発煙装置改(煙幕)」の装備数*2)重以上の煙幕は発動しないと考えられる。
次の要素は、煙幕システムの運用への影響がない、もしくは小さいと考えられる。
連合艦隊における第二艦隊旗艦の運
煙幕装置の装備艦の運
煙幕装置の装備艦の艦種
なお、上記で述べられていない要素について、煙幕システムへの影響は不明である。
煙幕の効果について
煙幕発動時において、基地航空隊の命中が確認されている。
少なくとも、砲撃戦のような低命中率ではないと考えられる。煙幕発動時において、支援艦隊の砲撃支援の命中が確認されている。
少なくとも、砲撃戦のような低命中率ではないと考えられる。煙幕発動時において、航空戦の対空砲火のうち、固定撃墜と割合撃墜に不利な影響があると考えられる。
(両者ともほぼゼロになっている可能性がある)煙幕発動時において、既知の計算式では噴進弾幕発動率が100%を超える場合でも、噴進弾幕の不発が確認されている。
煙幕発動時において、自軍から敵軍への航空攻撃の命中とクリティカル率に影響はないと考えられる。
煙幕発動時の砲撃戦において、自軍・敵軍とも、攻撃の命中が少なくなると考えられる。
煙幕発動時の砲撃戦において、敵艦の電探を装備した艦の自軍への攻撃は、敵艦の電探非搭載艦の攻撃よりも命中する可能性がある。
煙幕発動時の雷撃戦において、自軍・敵軍とも、攻撃の命中が少なくなると考えられる。
煙幕が多重になることで、少なくとも自軍が低レベル駆逐艦の場合において、砲撃戦における命中が少なくなると考えられる。
煙幕が多重になった場合の、少なくとも自軍が低レベル駆逐艦の場合において、雷撃戦における自軍の命中への影響は、砲撃戦に比べて小さい可能性がある。
検証結果からわからないこと
ぶっちゃけわからないことだらけです。
煙幕を実運用することを見越すと、次の事項が明らかになるとよいかなと個人的には考えています。
航空戦への影響の精査
特に「敵陣の対空砲火」「噴進弾幕発動率」あたりを知りたい。砲撃戦において命中弾を得る方法
現時点では電探の影響の有無くらいしか考えられませんが・・・。砲撃戦における熟練度クリティカルの扱い
要は艦載機熟練度分だけクリティカル率=命中弾を得る確率の保証があるのか。多重煙幕の効果
これは、煙幕成功率だけ確保すればいいのか、成功率だけでなく二重・三重発動まで狙う必要があるのかの判断に必要。
今後の検証に向けた提案
私個人では、砲撃戦と雷撃戦の被命中率について、5-5-C(下ルート1戦目)を用いて30戦ほど検証しました。
このマスを選んだ理由としては、資源マス(燃料)を経て2戦目の夜戦マスで撤退することで、燃料を増やしながら検証できるからです。
また、およそ2/3ほどが同一の敵艦(駆逐ロ級後期型)からのデータになるため、攻撃側・防御側のステータスをある程度揃えたデータを多く取得できるのも魅力です。
個人的な事情で、いま煙幕の検証用の出撃を多く行うことが難しいため、思いついた手法を今後の検証方法として書置きしておきます。
砲撃戦と雷撃戦の被命中データほど多くのデータを取得はできませんが、旗艦を次の装備・艦にすることで、航空戦の攻撃、電探ありの砲撃戦、命中の高い電探ありの砲撃戦、雷撃戦(先制雷撃)のデータを比較可能な形で収集することができます。
特に、水上爆撃機の命中値と電探の命中値を揃えて検証することで、両者のデータを比較することで、単なる装備命中値の影響と、電探の装備命中値の影響を切り分けることが出来ると考えます。
航空攻撃については、命中率とクリティカル率発生率は検証結果がありますが、威力や敵の対空砲火の影響は考察されていないため、追加でデータ収集する意義があると思います。
なお、先制雷撃を行わない場合は、4スロで水上爆撃を装備可能な能代やGotland andraとすることもできますが、煙幕成功率が旗艦の運に影響されることから、運上げした矢矧がいるなら起用することがデータ取得の観点では効率的と考えます。
随伴艦はすべてドラム缶2スロのLv1駆逐、データ取得場所は5-5-C(下ルート1戦目)です。
大破1以下であれば水雷司令部による退避を併用して燃料マス経由で夜戦マスで帰投することで、燃料を増やすことができます。(敗北数はかなり増えますが)
自軍の対空砲火や噴進弾幕はこの方法ではできないので…適切な装備を積んで5-2-C出撃とかでしょうか(検討不足)。
敵の電探については、4-5の2戦目の戦艦タ級eliteが電探持ちなので、まるゆ掘りのついでに取得できそうです。
煙幕の運用の考察
ここからは、煙幕の(現状分かっている)仕様が正しいと仮定したうえで、実戦で煙幕を運用する際の留意事項を考察したものです。私見バリバリです。
まず強調しておきたいのですが、煙幕は「回避できる」だけでなく「回避される」ことに注意が必要です。敵の攻撃を回避できるメリットが、敵に攻撃を当てられなくなる(数を減らせなくなる)デメリットを下回るのであれば、煙幕の利用を控えるべきです。
以下、留意事項とその考察をだらだら述べます。
1出撃に1度しか利用できない
煙幕を発動するマスをあらかじめ1つだけ決めておくことが必要です。
もし予定のマスで不発した場合は他のマスで発動することができます。
ですが、そもそも2マス以上煙幕を発動したくなるような編成の場合は、煙幕以外の対策も比較検討したほうがいいと思います。煙幕が不発する可能性がある
煙幕前提の戦闘では、煙幕発動を失敗する確率が負け筋として追加されます。
第一旗艦の運上げをする、煙幕装置の装備数を増やす、上位装備を用いるなど、発動率を向上させることが対策にはなります。発煙装置に装備スロットを割く必要がある
発煙装置を積む分だけ、他の装備を積むことができなくなります。煙幕よりも効果的な装備があるならそちらを優先するべきです。逆に、発煙装置のスロットで他の対策装備を代替することでスロットの数を節約できる場合は、煙幕が有利になります。例えば、道中の潜水1戦のために対潜装備ガン積みしている編成を、煙幕2~3スロで置き換える場合などが該当すると思います。
また、煙幕に限ったことではないですが、装備スロットが多い艦は単純に有利です。例えば、スロットを空けやすいタシュケント、4スロ軽巡、重巡全般(主主偵+1枠自由枠)などが向いていると思います。航空時の対空砲火が弱くなる
敵の航空攻撃が苛烈な場合や、敵の攻撃機を全滅させる戦術をとるマスでは、煙幕を用いないほうが良いかもしれません。開幕雷撃の命中率が低下する
先制雷撃で敵を減らすコンセプトの編成が通しにくくなります。
一方で、どうしようもない先制雷撃(重巡ネ級夏や深海竹など)が来た場合に、回避出来る可能性が高まるともいえます。
(開幕を避けても砲撃戦・雷撃戦をどうにかしないといけないですが)砲撃戦と雷撃戦で敵艦の数を減らすことが難しくなる
単純に両軍の命中率が低下するためです。
敵艦の数を減らさなくても問題ない場合ならよいですが、敵艦の数を減らす必要がある場合、砲撃戦までに敵艦を減らす(支援艦隊、航空攻撃)ことが必要です。
(未検証ですが、自軍の砲撃戦・雷撃戦命中率を向上させる手段が存在するのであれば、それを用いることも選択肢になります)
なお、そもそも敵が堅すぎて減らせない場合は、このリスクは相対的に軽くなります。(どうせ減らないんだから避けられる確率が上がる方がマシという発想)閉幕雷撃を受ける本数が増える場合がある
これは「砲撃戦で敵艦の数を減らすことが難しくなる」ために発生しますが、雷撃戦の命中率が高い場合には、雷装が高いこともあり、閉幕雷撃が普通に痛い場合があります。
煙幕を使わずに砲撃戦で数を減らすことと、煙幕を使って回避を祈ることの、どちらが良いか判断する必要があります。
また、閉幕雷撃が弱い敵陣形であれば、このリスクは減るため、煙幕の発動に向いているとも言えます。煙幕を発動した戦闘において戦闘結果が悪くなる(S勝利・A勝利が難しくなる)
キラ(Cond値)維持とドロップの点でのリスクです。
煙幕を発動した場合、敵の艦が減らないので勝利A以上を取ることが難しく、戦闘後にCond値が低下する可能性が高くなります。
このため、煙幕発動した次以降の戦闘で、キラの効果を受けられるCond値(通常・遊撃で53、連合で50)を下回る可能性が出てきます。
容易にS勝利を取れるマスが他にあるような場合を除いて、煙幕発動を前提にする場合は出撃前のキラ付け負担が高くなることが考えられます。
出撃時の負荷が大きくなることから、特に掘り編成で道中煙幕を使うことが難しくなるかもしれません。
おわりに
検証を実施し、また結果を公開してくださる全ての提督に感謝します。
新しいシステムなのでまさに仕様の理解が煙幕の中というところですが、少しずつ理解を深め、使うと強い場面で使えるようになりたいですね。煙幕ライフをエンジョイしていきましょう。
この記事は4月時点でいったん現状整理しておきたいとのモチベーションで書きなぐったので、マメに更新することは予定していません。
なにかお気づきの点などあれば、わたしのTwitter(@about6833)までご連絡ください。
更新履歴
2023/4/30:新規作成
2023/5/1:基地航空隊について追記