檸檬企画:第5弾 エバーグリーンに向けて

檸檬のサキです。今回の企画「エバーグリーン」の成り立ちについて語りました。よかったら是非最後まで読んでいただけたら幸いです。では、はじまります。

2020年2月24日振りに檸檬企画を開催することになり、ついにこの時が来たのだと胸を躍らせている。去年の4月に予定していた幻の檸檬企画第五弾「桜の森」(出演はMURAバんく。/Eri Nagami/家主)はコロナの影響で中止。それから檸檬としての企画はタイミングや自分のやる気の出なささで一本もやることができなかった。実はどれだけ自分を奮い立たせて企画を組んでも殆どが流れてしまっていたのだ。無理矢理開催した企画は赤字、告知をする前に企画が頓挫。初めての経験の数々でショックが大きかった。では、その間何をしていたのか?わたしは企画のことを念頭に置くことを放棄し、読書や散歩、音楽以外のことで気を紛らわせていた。それはそれで楽しかった。自分の今後の糧にもなったと思う。でも、根底に流れる思い通りにいかない生き辛さとは常に隣り合わせの日々。

2020年春、大学を卒業し一番好きなことで生きていくと覚悟を決め、さあこれからだと意気込んでいたわたし(たち)には全く想像できていなかった世界。このままじゃ、やりたいと思っていたことは何もできない。どこにも進めない。ズルズルと生き延びるために生きている、前にも後ろにも進めない、そんな感じ。いよいよこれはやばい。傷だらけで、どんどん黒くなって、とうとう腐るぞと思っていた。

そんな時にわたしを支えてくれたのがむらかみなぎささんの音楽だった。出会いは去年の10月。SNS上だった。Twitterでわたしのフォロワー数人がむらかみさんについて呟いていたことがきっかけで、気になって聴いてみたところわたしのトキメキ指数が振り切ったのだ。その後、カセットテープを通販で即購入。久しぶりに買ったフィジカルだった。サブスクでも沢山色んな曲を聴き込み、中でも"最悪は友達さ"ではじまる詩に惚れ込んだ。最悪な状況からはやくどうにか抜け出したい。そんな焦燥感に駆られていたわたしはそこでようやく嫌な焦りから落ち着くことができたのだった。


冷静になって、企画をやる意味についてたくさん考えた。この事についてはどれだけ考えても"自分たち(檸檬)が本当に今名古屋で観たいアーティストをお呼びする"この気持ちがやはり一番大きく、名古屋の音楽シーンを盛り上げるとか大それたことに手を伸ばし、念頭にどかんと置くより、自分達の精一杯な音楽愛(ラブ)な気持ちを表現できれば、自然と名古屋は盛り上がるんじゃないかという結論に至っている。名古屋で音楽をやっている方達からしたら我儘で甘い考え方であるのは承知の上である。だが、本当に妥協はしたくないのである。これは一番最初に企画をやる際に2人で話していたらそこが合致した点であり、信念であるから、やはり媚を売るような企画にはしたくないし、気持ちは曲げたくはない。それが檸檬の強さで味なのだと思う。

そして時は流れ、今年のGWに企画をやりませんか?と、ハポンの店長モモジさんから声が掛かった。何度も声を掛けていただくたび、曖昧な返事を返していた。イベント直前になって感染者数が増えて、中止になってしまうということを既に経験済みだからこそ、それまでに費やしてきた時間や出演者が決まった時のぬか喜びなどを考えたら、またそうなってしまうのが本当に嫌で、そもそも企画を考える事に対して尻込みしてしまっていた。

だけど、もうその考え方自体がダサいし、駄目でも何回でも考えて、またぶつかっていけば良いじゃんと思えてもきていた。それぐらい十分時間は経っていたし、悩んだし、考えた。こんな状況下でも企画をやれている人を見て黙って指を咥えているのにも飽きた。そうして、気づいたら「やります!」と答えていた。(だがしかし、GWの5/3の開催予定日は延期になり、7/4にずれた。)

まず、企画を再開するにあたって、一番にわたしの心境の変化のターニングポイントとなったむらかみさんのステージをハポンで観たいと思った。だから、そこを起点に企画を練っていった。すると、「弾き語り」の方達が集まった。思い返せば、檸檬企画第一弾「夏の庭」(出演は川辺素/澤部渡/てんしんくん)もそうである。まさしく原点だ。原点というワードに強く惹かれた。歌が生まれる始まりはやはり弾き語りであるからだ。最悪な状況に陥って、立ち止まって色々考えた時、強く思ったことが"原点"だったのもある。やはりわたしは音楽が好きなのだ。

企画をお休みしていた間、「ロングバケーション」という若かりし頃の母が観ていたドラマを全話観たのだが、その中で"すべての芸術は音楽にあこがれる"という台詞が登場し、ハッとさせられた。わたしにとって一番大切なものってやっぱり音楽だ。だから、この気持ちを表現できるようなイベントタイトルを考えようと思った。

今までのイベントタイトルはすべて季節を意識している。だから、今回も季節に結びつく言葉をまず考えた。5月といえば新緑の季節。緑色。グリーン。それから檸檬企画であるからやはり二人の共通点を意識した。グリーンといえば、私たちの大好きなバンドふくろうずのアルバム「だって、あたしたちエバーグリーン」が思い浮かんだ。そもそもエバーグリーンってなんなんだ?と思って色々調べてみたら、まさしく今回の企画名にぴったりだったので、良いじゃないかと思い、相棒・ノンちゃんへ連絡。

《エバーグリーン:時を経ても色褪せない名曲、不朽》

ぐわーっと勢いで決めてしまったのにも関わらず、大きな心で受け止めてくれた。さすがノンちゃんである。そして、各出演者への連絡を分担し、ステッカー制作・フライヤーの件についてなどはノンちゃんに任せた。

久しぶりの告知、グッズや会場装飾について考える時間、すべてキラキラしている。本当に楽しい!私たちが現時点で凄く楽しいのだ。

状況を打破するにはまずは決断し、自分から動くこと。そうしなきゃ、何かを変えることはできないから。それならわたし(たち)は動くことをこれからも選び続けたいと思うのだ。

今回のイベント紹介コメントはいつになく気合いが入った。久しぶりに読み返してみて、この情熱を忘れずにいたいと思ったので、ここにも掲載します。

延期を乗り越え、昨年の2月振りの檸檬企画。最悪な状況に陥って、立ち止まり色々考えた時、強く想った事が原点。歌が生まれる始まりは弾き語り。歌の力を感じられる4人が集結。今こそ聴いてほしい。心の中に火が灯る、いつまでも色褪せない煌めく日を貴方へお贈りします。(檸檬)

わたしだけでなく、ノンちゃんのコメントも…

お日にち近づいてまいりました✅
一年以上ぶりの再開、ついに帰ってきました檸檬企画です。振り返れば大学3年生の夏、周りの人たちの力をお借りしつつ初期衝動的に2人で初めてやった企画も弾き語りイベントでした。今回はまさに原点回帰ナイトになりますね。この企画をするにあたり、あのとき自分たちが良いなと思ったものは今でも変わらず好きで、信じて居られてるんだな、と強く感じました。エバーグリーンという言葉以外見当たらないね…!すばらしい方々に歌っていただけることが本当に嬉しいです。自分も純粋に楽しみです…みなさまぜひぜひお越しください!


今回もフライヤーはてんしんくん。いつも本当にお世話になっております。

まさしくこれまたイメージ通り。というか、イメージを越えていました。本当に素晴らしいアーティストです。もう3人目の檸檬と言っても過言ではありません。本当に本当にありがとうございました。

当時の手帳を読み返してみるとエバーグリーンの企画立案は今年の3月中旬のことでした。この時期に丁度コロナとは関係なく超絶個人的に絶望にぶち当たってしまう出来事もありました。そして、人生最大の絶望感に陥り、その時に手を差し伸ばしてくれた存在のありがたさに痛いほど救われ、どんな存在が自分にとって大事なのか考えに考えあぐねて書いた日記「煌めきの真価」がはてなブログにおすすめの記事として取り上げられる、なんてこともありました。この日記を書けたことにより、エバーグリーンにより深みが増したと思っています。

煌めきを是非掴みにきてください!

2021/7/4(sun)@ K.D ハポン
檸檬企画第五弾"エバーグリーン"

岡林風穂
リパ
Eri Nagami
むらかみなぎさ

予約/当日ともに ¥2,400(D別)
開場/開演 17:00/17:30

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