見出し画像

30歳になって初めて競馬に興味を持った話

30年間、ギャンブルとは無縁の人生を送ってきました。

自分に博才があるなんて微塵も思いません。

パチンコ屋は勝ち負け以前に建物に近寄るだけでも恐いです。

ゲーセンのコインゲームですら良い思い出がありません。

そんな私ですが、先日初めて馬券を買いました。


都丸ちよさんがきっかけで競馬に触れる

きっかけは、声優の都丸ちよさんでした。

アイマスのライブをきっかけに、Twitterで声優さんのアカウントをある程度フォローしているんですが、都丸ちよさんはその中の一人でした。

元々はアイマス声優の中でも特別に好き!というほどではなくて、ライブ後にツイートがRTされてきて流れでフォロー、ついでにインスタも……みたいな感じだったと記憶しています。

TLで競馬のツイートも見かけてたし、何かでプロフィールを見た時に趣味に「麻雀」と「競馬」って書いてあって「すげぇ趣味の渋い声優さんだなぁ」と思った印象がやたらと残っていたんですよね。

競馬については武豊とディープインパクトの名前は知ってるという、ごくごく一般程度の知識しか持ち合わせてなかったんですが、社会人になって初めて一人暮らししたのが中山競馬場の近くだったり、前職でちょっとだけ競馬場での観戦ツアーに関わったことがあって、マイナスのイメージは持っていませんでした。

そんなある時、私のスマートフォンに都丸ちよさんのInstagramのライブ配信の通知が表示されます。

何気なくそれをタップしたのが、競馬への入り口でした。


塗り替えられた「馬とジョッキー」への印象

競馬に対するイメージがマイナスではなかったとはいえ、私はあくまで競馬に「ギャンブル」という認識しか持っていませんでした。

極端な言い方をすれば、ぼんやりと「馬とジョッキー」を「カジノのルーレット」と同等のものと認識していたわけです。

でもそんな私の認識は、都丸さんの語り口によって全て塗り替えられてしまいます。

応援している馬が実力を出せるよう、天候の回復を祈る姿。

それはもう、今でも強く印象に残っています。

私が都丸さんが配信を見た日は、第70回安田記念の前日。

都丸さんがずっと応援している稀代の名馬・アーモンドアイのGⅠ8勝目がかかった、大一番の前日でした。


突き動かされるように、競馬中継を見る

今まで「カジノのルーレット」だと思っていたものについて、これほどまで人が熱く語っている。

そのことが、自分にとって衝撃でした。

競馬って、レースって、ジョッキーって、競走馬って、一体どんなものなんだろう。

自分の中で、競馬への興味が急激に膨らんでいきました。

都丸さんが、同じく声優の春瀬なつみさんと一緒にニコ生で競馬の番組をやっているのは以前から知っていたので、ひとまずそれを見て、競馬中継も見てみようと。

勢いでチャンネルの有料登録もして、中継と併せて番組も最後まで視聴しました。

GⅠ勝ち馬10頭がひしめく中、圧倒的な一番人気に推されるアーモンドアイ。

出遅れをカバーして末脚を伸ばしたものの、抜け出したグランアレグリアを捕まえきれず、結果は無念の2着でした。


競馬も「スポーツ」なのだ

スタジオで落胆する春瀬さんとゲストの佐藤亜美菜さんを見て、ふと蘇ってきた記憶がありました。

それは、第94回天皇杯・全日本サッカー選手権大会の優勝決勝戦

J1リーグとナビスコカップで優勝を果たし3冠に王手をかけるガンバ大阪と、クラブ史上初めて決勝に駒を進めたJ2・モンテディオ山形の試合。

私はモンテディオ山形を応援するため、現地・日産スタジアムにおりました。

J1昇格プレーオフを快進撃で制した勢いそのままにガンバゴールを攻めるも、ことごとく得点を阻むGK東口選手。

わずかでも気を抜けば、というか気を抜かなくても鮮やかにゴールを奪う宇佐美選手とパトリック選手。

圧倒的な強さに試合後崩れ落ちた時の気持ちは、6年以上が経った今でも忘れられません。

都丸さんがアーモンドアイを応援する気持ちは、私がモンテディオ山形を応援する気持ちと同じだ。

都丸さんが高速馬場を願う気持ちは、私がシーズン終盤のホーム戦での降雪を願う気持ちと同じだ。

競馬はもちろん「ギャンブル」ではあるけれども、それと同時に、応援している選手たちの勝利と栄冠を純粋に祈る「スポーツ」としての見方が存在するのだと気づいた瞬間でした。


競馬がくれた、小さな良いこと

その後、宝塚記念やGⅢ数レースを中継で観た後、七夕賞で初めて馬券を買いました。

馬券を買うようになると、スポーツ的な面白さに加えて競馬予想の統計学的な面白さを新たに知りました。

馬の力量、馬場や距離への適正、ジョッキー、枠順、ローテーション。

競馬予想に関わる要素は莫大な量になります。

どれだけそのレースに関わる情報を広く正確に把握し、重要なデータを取捨選択できるか。

この複雑さは、競馬以外ではなかなか出会ったことがありません。

一度不用意に平場に手を出して大やけどしたこともありましたが、この半年で回収率が大体93%くらい。

きちんと情報収集して無茶な買い方をしなければ、節度を保って付き合える趣味だな、と思います。

2020年は何かと閉塞感のある一年で困難にぶつかることも多かったんですが、毎週末に競馬という楽しみが一つ増えたのには大いに救われました。

昨年の10月に諸事情で急遽仕事が変わり席も動いたのですが、偶然にも隣になった先輩が競馬好きで自然と話ができた、なんてこともありました。

その先輩とは今でも毎週月曜日、「やられましたね……」などと競馬の話をしています。


これからも、競馬を

アーモンドアイがGⅠ9勝という偉大な記録を打ち立てて引退し、なんだか一つ区切りがついてしまったような感覚はあります。

アーモンドアイが史上初のGⅠ8勝を成し遂げた後の、ルメール騎手の涙目になりながらのインタビュー。

兄弟姉妹や厩舎、馬同士の様々な関係性。

見れば見るほど、単なる「ギャンブル」という言葉だけでは言い表せない深さが、競馬にはあります。

都丸さんと春瀬さんの「ぱかぱか競馬塾」のおかげで、たくさんの素敵な競走馬たちに出会うことができたので、もう少し、自分なりに競馬と付き合っていけたらな、と思ってます。

地方住まいで全く旅行ができていないので、ひとまず世の中が落ち着いたら競馬場に行ってみるというのが、当面の目標です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?