回顧展っていいよねーの話(田中一村展 @東京都美術館)
いやあ最近、秋晴れ気持ちいいね!上野公園散歩がてら行ってきたんだけど。
田中一村って知ってた?私は知らなかったよ。今回の都美は和だな、くらいの認識でさ。
神童だったとかで、ほんとに7歳8歳くらいからすごいの。自分の小学校時代の図工とかさ、何描いたかわかれば上等レベルだったからさ。え、比べるなって?それはそうなんだけど。それに、名前の字もきれいなの。まあね、自由に筆で絵が描けるんなら字もきれいかー。まあそうか。
紙が破れている作品があったんだけど、親が手を入れたところが気に食わなくて破ったんだって。あと作品すべてに年齢書き込んでたりしてドヤ感あってさ。
と思ってたら、むちゃくちゃ描きこみ時代に入ったりして、その後も時代時代で新しい描き方にチャレンジしてるのよ。風景画とか、素人の私にはヘタ?って思っちゃうような作品が続いたかと思うと、ばりばりにカッコいい花鳥風月がでてきたりさ。
ほんとにこの人、植物がきれいなのよ!私の推しは「秋色」シリーズ。シリーズじゃないかもだけど、名前がついてる。秋の色の、いろんな色が散りばめられていて、それはそれはきれいなの。ほかにも菊の花や芥子の花の絵もね。木々の緑とかも。葉っぱ一枚一枚の、濃淡で表されているところも。あとね、なんだろう、画面いっぱいなのもシンプルなのも構図がかっこいい。なんていうのかな、心が惹かれるの。迷いがないような。すうっと、素敵なの。
写真とか見てスケッチブックに練習してるのも展示されてて、正直、わかんないからだけど、あんまりぱっとしないかなって思ってたら、次のしっかり作品にしてあるので実力を見せつけられるパターン。なんであれがこうなるのよって。
そうそう、たとうの文字とかヘタでさ。え、字、うまかったじゃん、どうしたの?とかなったりしたんだけど、あれはムラかなあ。わざと?緩急つけてるのか?とにかく絵にしてもいろいろなのよ。あれ?って思ってると、次にドーンとすごいのが来る。
なんかさ、知らない人だったからもあって、油断してたんだけど、すごすぎるのよ。あのドヤ神童がだよ?才能の塊だったわけでしょ。自覚してて自信もあったそんな人がさ、どれだけ努力してるのよって。
描き続けるってすごいよね。人生決めちゃってるわけじゃん。すごいよ。片手間じゃないんだよ。死ぬまでよ?
これね、幼少期からのずーっとを見せられたのがよかったと思う。回顧展だからだけど。こんなのさ、最後の沖縄の植物ものとかだけ見せられたってわかんないよ。襖絵とかさ、一部だけじゃわからない、この人のすごさ。いやー価値ある企画だと思う。
そう考えらたらさ、通常の展示みたいに、いろんな作家の作品のなかに1枚2枚あったとて、よ。それが有名で、すばらしくて、「これかー」とか「すごいね」とか思ったとてよ?なにも見てないに等しいんじゃない?とまで思ってしまった。作家の人生を知るの、意味あるよ。ま、人生じゃないか、作品に向き合ってきた歴?こないだのデ・キリコもそうだったもんね。いろいろやってみての、あれやこれや。やっぱり、いきなり大作が生まれるわけじゃないんだよね。構想したり試作したりの先に作ったのがドーンって感じ?でもそれ、見てるほうは忘れがちじゃない?っていうか、そもそもそれに気が付いてない。え、私だけ?