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透明日記「縫い物などしに行く」 2025/01/15
ぼんぼりぼんぼり、頭が火照る。
朝、目が覚めて、朝勃ちに気がつく。股間に手を置いていると、三角的机性ザリガニがどうのこうのと、頭の中で言葉が組み立てられる。起きて詩を書いた。
言葉の意味を無視した感じで、解放された気分になる。
ドラムの練習をする。シェイクビートは叩けると思っていたけど、テンポが速くなると、なんかおかしいなあと首を傾げる。何がおかしいのか分からないまま、しばらく叩き続けた。
叩くうちに、足がスネアにつられてズレているのだと気がついた。スネアに化かされていた。スネアに覆われるバスドラを丁寧に叩きたい。フレーズごとの練習をもっとやろうと思う。
汗で身体が冷たくなった。イベントの手伝いに行こうかと思っていたけど、一旦家に帰る。練習の記録を付け、一息ついて千鳥橋に向かう。
電車の中で、言葉を繋いでいく。朝に思い付いた感じで、できるだけ意味のない言葉選びを試す。一つ言葉を置くと、次に続ける言葉が難しい。書き出しては、どこか遠くで意味が繋がっていることに気づいて、消す。
70文字ぐらい書くと、千鳥橋に着く。へんな言葉を書いてみると、言葉は自由で、ぼくはかなり言葉から不自由なんだと思った。普段、自由に言葉を使っているように思っていたけど、意味やイメージといった自分の記憶に強く作用されているし、文法の統制もかなり強い。そういうものと無関係な感じで言葉を組もうとしても、いつの間にか言葉の意味が滲み合う。
それでも、読み返すと、言葉は自由にやっているように見受けられ、言葉の意味はよく分からないけど、頭が少し晴れた。この言葉遊びは、しばらく続けようと思う。
さぼてん堂でランチを食う。豚丼、美味しい。余った煮卵を追加してくれた。2階は作品や材料など、ごちゃごちゃしている。服を切ってヒラヒラと呼ばれる長方形の布を作る。
インコと少し遊んだ。ぼくの口元に向かって、なんか言えと、くちばしで煽ってくるので、ぽしゅぽしゅと言ってやる。インコは真剣な眼差しで傾聴していた。
なにか作業があると言うので、魔法の生活というギャラリーに行く。茶や菓子を食い、サイケを聴きながら、音楽の話をしたりしなかったり。
作業は縫い物を任された。玉留めと玉結びを教わり、指定された箇所を縫う。ぼくの玉留めは浮きがちで、留まり方が弱い。留まってたらいいという感じだったのでそのまま作業を進める。三時間ぐらいやって、ようやくマシだと思える玉留めができるようになった。
キリのいいところでさぼてん堂に帰る。トイレに入って出ると、昔からの友達が来て、アルバムのジャケットデザインをメンバーと考えていた。厨房では晩飯の準備をしてくれている。
少しして、晩飯。唐揚げとスルメの雑炊。美味かった。干し柿ももらう。
なんやかんやデザインに意見を述べ、電車で帰る。ぽつぽつと言葉を組む。ぼんぼりぼんぼり頭が火照る。手縫いの感覚がノイズとなって身体の中にくぐもっていた。
帰宅。空は晴れ、月は燦としてきれかった。