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透明日記「へんな時間に寝た」 2025/02/04
朝、ベランダにスズメが二羽。こっちを見て鳴く。タバコに火をつけて、ベランダの手摺りに寄りかかり、首を回す。
屋根にスズメがたくさん並ぶ。目が合うと散る。ぼくの首が回ると、スズメが散っていく。ケンカになるからエサはやらない。
タバコを吸っていると、ベランダの二羽が手摺りを辿って近づいてくる。腰を低くして、職員室に入ってきた生徒みたいに、何か言いたげな雰囲気。もう一度、ベランダから首を出して回す。たくさんのスズメが散る。エサはやれない。
高菜を食って、ドラム。最近は風の強い日が多い。スタジオ前の駐輪場にはいつも、自転車が寝そべっている。
ぼくは風を読み、風の死角に自転車を駐める知恵を身に付けた。
4ビートが身体に馴染んできたけど、ハイハットのオープンが微妙。オープンの練習をする。右や左や、足がわいわい動いてめちゃくちゃ。
なんか、両足が思ったのと違う動きになると、ズボンを履いてない気分になって、恥ずかしい。地味な練習で、成果も上がらず、恥ずかしいだけで、身体が冷える。
外はずっと風。強風に動かぬ老婆のチャリンコを追い抜く。
イオン。フルーツやみぶななど買う。久々に至福のギリシャヨーグルトも買った。
家で高菜の焼き飯を作る。いろいろ調べてもよく分からんし、食材ないしで、適当に余ったネギとレタスのようなものを混ぜて炒める。まあまあ食べれる。
本を読んだり、Netflixでいろいろ観るうちに夕方。タバコを吸うのにも寒く、いっぱい着込む。寝た。
ぼんやりと意識が覚める。着込んで布団に入って、身体が火照っていた。熱がこもって苛立つ。特に爪先が暑い。なんじゃこれは、じゃかあしい、暑いやないか、という気分で、左の靴下を千切るように脱ぎ捨てる。
パッチも暑い。スウェットとパッチをまとめてザッと膝まで下ろし、えいやと布団の底に脱ぎ捨てる。
上も暑い。パーカーを枕の向こうに脱ぎ捨てる。まだ暑い。布団を蹴飛ばして起きる。
外が暗い。部屋は静かで、時間が止まったように感じる。今日でも明日でもない、静止した時間。どこにも誰にもつながらない、虚構の空間。熱が抜けるあいだ、ぼーっと部屋の静物となる。
起きてみると、肌着だけでは心許ない。右靴下も脱げていた。上下を着て夜を過ごす。
夜は本を読んだり、みぶなや肉じゃが、高菜など食ったりして、すぐ寝た。