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【祝22歳】おひとりさまフレンチの巻
今日で21歳もおわり。
日々過ぎゆく毎日は楽しいものではなく、最近はずっと落ち込んだままだ。自分の中でも原因は明確で、この先のことを想像しながら、心が重くなっている。
そんな日々の中でも、誕生日は嬉しいもので今年は自分へのお祝いにフレンチのフルコースを食べることにした。幼いころ、祖父母が何度も連れていってくれた思い出のレストラン。自分のお金で食べに行く日が来るなんて。次の日は出社なのでお酒は飲まないけれど、とびきりの時間を過ごしたい。
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フォアグラのフランと梅貝の包み揚げ
フォアグラも梅貝も普段の食事ではあんまり食べないものたちであるが、一品目から心が掴まれた。
フォアグラなんて縁遠いところか、まともに食べたことなんて今までになかったわたし。スプーンですくった一口目は、大分ビクビクしながらであった。
あれ、思っていたフォアグラの味ではない?上にのっていたのはりんごのピューレでその下にフォアグラが隠れていた。まったりとしたフォアグラと甘いりんごの組み合わせ。なんて美味しいのだろう。
あまりのおいしさに食べ切りそうになるも、お隣の梅貝の包み揚げも忘れちゃいけない。梅貝の包み揚げはりんごの甘さとは対照的にバジルのソースでしょっぱ目の味付け。刺身で食べるばかりの貝も、包んであげるだけでこうも変わるのだなぁとなんだか不思議な気持ちになった。しょっぱいものを楽しむと、甘いものが食べたくなる。フレンチでもこんな気持ちになるなんて。少し残しておいてよかった、フォアグラのフラン。
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黒々とした2品目の前菜に、なんだこれは?と怪訝な顔をしてしまったかもしれない。お正月に御徒町のスーパーで見たくじらのお刺身とこんなところで対面するとは思っていなかった。生姜がガツンと効いた味付け、とってもおいしい。海の馬刺し?森のバターみたいな例えをしそうになった。フォアグラに引き続き、はじめて食べるくじらのお刺身。脂がのっているわけじゃないし、さっぱりした身なのにやわらかい。味付けしてつけてあるから柔らかいんだろうか?
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カリフラワーのムース
白鯛のタルタル
紅芯大根のマリネ
ターメリック風味の酢飯とか、あかい大根とか、フレンチと結びつきにくい食材が目に入るこちら。もちもちとした酢飯とパリッとしたマリネ、タルタルとフラフラしたムース、食感の違うものたちがたくさん合わさっているのに食べてみるとなんだかしっくりくる。
料理人ってすごいんだなあと感心した。丸くカットした大根だって、よーく見ると四等分にカットされていてナイフがなくとも綺麗に食べられる。斬新な組み合わせとか、あっと目を引く見た目とか、わたしだったら驚きのほうに注力してしまいそうな気がする。食べる人を思った料理って、こういうことを言うのかな。
相手を思った行動、会社員3年目の目標かもね。
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ふわふわしたミルクがのったかぼちゃのポタージュ。
あまくておいしいかぼちゃのポタージュ。
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えび、ほたて、鯛
青豆と枝豆のピューレ
こちらの魚料理、真っ白な食器と真っ白な陶器のふたで閉じ込められて私のもとへやってきた。ふたがあくまで、なにがはいっているのかわからないワクワクが楽しい。付け合わせの大根だったり、ソースから香ってくるゆずの香りだったり、フレンチとは距離を感じる食材を見つけるとなんだか親近感をかんじる。大根にゆずって、なんだかふろふき大根みたいだもの。
えびもほたても最高だったけれど、わたしの中では鯛が大優勝していた。皮目はぱりっとしているのに、どうしてこんなにふわっと仕上げられるのだろう。
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小さなにんじんがかわいいメイン料理。お肉は言うまでもなく絶品だったが、おどろきでいうと手前のじゃがいもが一番だった。ほくほくしたじゃがいもではなくシャキシャキしたじゃがいも。火が通ってないわけではない。とっても甘かったもの。周りに薄い衣がついていてシャキッとしたそれを食べていると、本当にじゃがいもなんだろうか?と疑いのきもちになってしまった。しかし同じ皿に添えられたマッシュポテトと同じじゃがいもの味を感じる。見た目も食感も別物なのに。大満足だったなぁ^^
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いくつになっても心踊るしワクワクする。
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サプライズで出てきたお誕生日プレート^^
うれしい^^うれしい^^
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ワゴンから悩みに悩んで選んだケーキたち
いちごの中に隠れている生クリームも
添えられたほうじ茶ジェラートも全部おいしかった
当日予約したので、デザートのプレートにメッセージがあったら嬉しいなあなんて思っていたけれどコースの締めのデザートには大きなサプライズが待っていた。
小さないちごのショートケーキ。このお店、ワゴンのデザートも美味しいけれど、メニューにはないショートケーキが絶品なの。どこのケーキ屋さんのショートケーキよりも美味しいと思っている。
デザートプレートが私のもとへやってきたとき、シェフも私のテーブルへやってきた。ケーキ3つでよかったの?なんて言いながら。遠慮した2つも頼めばよかった。なんて思ったけれど私のお腹はもう限界を超えている。美味しいご馳走に最高のスイーツ。最近あんまりいいことなかったけれど、この時間はとっても幸せだった。誰とも話さず、料理をじっくりゆっくり楽しみ、自分のために時間を使えた。幸せだなあ。
帰り、できたてのチョコレートとレストランの割引券をいただいた。頻繁に訪れてはいないのに、名前を覚えてくれて、こんなサービスまでしてくださる。
こんな対応をしてくれるのも、普段足繁く通っている祖父母のおかげなのかな。素敵なレストランを教えてくれた2人に感謝したい。
おわりに^^
自分ひとりの食事にここまでお金を使うことって今まであっただろうか。なかったはず。
頻繁にはいけないけれど、たまにの楽しみにはいいかもしれない。
観劇とか、ディズニーとか、旅行とか。もちろん今日みたいなひとりご飯とか。年相応な楽しみではないかもしれないが、ちょっと背伸びして何かをしてみるって結構楽しい。だってそのために働いているんだもの。
22歳もすてきな年にするぞ!と意気込んでほくほくした気持ちで家に帰りました。おしまい