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起きられない夢からの脱出、の話

明晰夢とは、自分で夢であると自覚ながら見ている夢のことだ。

ボクはこれを何度か見たことがある。
おそらく一般的に思われてるほど、いいものではなかった。

明晰夢を見るようになったきっかけはこうだ。
昔、ねこぢるというマンガ家にハマっていた。

ねこぢるは夢をネタにマンガを描くことが多く、普段から夢日記をつけていた。
当時どハマりしていたボクは、ねこぢるに憧れて自分も夢日記をつけてみたのだ。

それはそれとして、「夢日記をつけると明晰夢が見やすくなる」ということをどこかで聞いたことがあったので、いつか明晰夢も見れればいいなぁとも考えていた。

ねこぢるのマンガは本当に面白い

そんなある日、ついに明晰夢を見た。

昔住んでた家に自分がいて、ゲームのように探索できるのだ。
不思議なもので、意識ははっきりしていたが認識が異なっており、昔の家ではあるが少し違う、でも夢の中の自分はそれが当然として認識している、とふわふわした感じだった。
そしてなにより、案外自由ではなかった。空を飛んだり壁をすり抜けたりすることはできない。物理法則は現実と同じらしい。

そこで自分は気付いた。
起き方がわからない。

自分の意識は覚醒している。ここを夢だと認識している。だが、どうやって現実に戻るんだ?
その日はたまたま自然に起きれたが、その後もたびたび明晰夢を見て、起き方に悩まされた。

壁に身体を打ちつけてみたり、起きろと強く念じたり試すが、あまり効果はない。
それどころか、「起きた夢」を何度も見るようになり、起きたと思ったらそれが夢で、また起きたと思ったら夢で…を繰り返すことが増えた。
本当に起きたとしても、実感がない。

夢日記をつけるのをやめたら、自然と明晰夢は見なくなった。
半年くらいかかったが、今ではすっかり見ない。

最後の明晰夢は、今いる家からスタートした。
しばらく見てなかったボクは、前々から「次に明晰夢を見たら、本当に空が飛べるかどうか確かめてやろう」と心に決めていた。
なので、ドアを開けて外に飛び出そうとしたら、呼び止められた。

そこにはプリパラのめが姉さんが立っていた。

めが姉さんは「残念ながら、時間なので起きてくださーい」と言う。
ボクはどうやって起きれば良いのか聞くと、めが姉はこともなげに「こめかみをグリグリすれば起きまーす」と言った。

グリグリしてみたら、本当にスッと起きた。
それ以来、明晰夢は見ていない(と思う)ので、このやり方が常に通用するかはわからない。

ボクはもう、明晰夢を見たいとは思わない。夢の中に閉じ込められる感覚にはもうこりごりだから。
だけど、明晰夢に憧れがある人は覚えておいてもいいかもしれない。
もし現実に戻りたくなったときは、こめかみはリセットボタンだ。グリグリやるのがコツらしい。

めが姉さんが起き方を教えてくれた

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