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恋愛ゲームするからって恋愛したいと思うな!の話

ゲーム、アニメ、マンガ、小説、映画、ドラマ…あらゆるコンテンツについて、薄く広く信じられている説がある。

それは、「自分が好きなコンテンツは、自分自身の願望に起因する」という説だ。

例えるなら、「乙女ゲームや恋愛ゲームが好きな人は、本当は恋人が欲しいが現実で叶わないのでゲームに自己投影している」と言ったやつである。
特に、アニメやマンガなどの若者向けといわれるコンテンツでは言われがちだと思う。

これは実際に恋愛ゲームをやってる人からしてみると「そんなことない」という意見が多いだろう。
しかし、完全に否定するための具体的な根拠がないのも事実だ。
いくら「自分にはその願望がない」と主張しても、ちゃんとした統計のデータもないので、自分が例外なだけかもしれない。
また、意識してなくても潜在願望として恋愛したい可能性も、完全に否定することは難しい。

そうなるともう水掛け論でしかないのだが、「暴力ゲームが好きな子供は暴力的になる」という言説は未だ根強く残っているし、親もゲームばかりする子供は心配になるだろう。

ボク自身、子供の頃からおたくだった。
当時は「おたくがそのまま大人になったらどうなるのか」というロールモデルがあまりなかった。
なので、「自分が好きなコンテンツは、自分自身の願望に起因する説」を割と信じていた。

しかし、大人となった今では、おたくや腐女子のまま恋愛して結婚した人も知っているし、結婚後も元気におたくや腐女子趣味をしてる人もたくさん知っている。
恋愛や結婚願望が満たされたとしても、恋愛ゲームを趣味としてコンテンツを楽しんでる人はいくらでもいる。

つまり、コンテンツを「潜在願望の代替」として消費してるのではなく、純粋に楽しいから享受しているロールモデルは確かに存在しているのだ。

しかし、それはそれとしても、だ。

それはそれとして、「BLは女子が受けに自己投影している」とか「美少女がいっぱい出てくるアニメが好きな人は、美少女と付き合いたい願望がある」とか、そう言った説は消えない。
説としてではなく、偏見としてぶつけてくる人もいる。
どんなにそうではないロールモデルがいても、その人たちがおたくの全てではないし、「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」としか言いようがない。

コンテンツに自己投影したり願望を投影したりする楽しみ方が悪いわけではない。
しかし、ただコンテンツとして享受している人もいるということは強く主張していきたい。

それはそれとしてだが(その2)、ボクの同僚は「異世界転生ものが好きな人は現実世界で上手くいっていない(から異世界で上手くやっていきたい)」という偏見があるらしい。

その話を聞いたとき、ボクはちょうど「serial experience lain」のアニメを観ていた。


もしかしたらボクは潜在的にワイヤードの世界に行きたい願望があるのだろうか?

それはちょっと、否定できない。

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