他人に趣味を晒すことのリスクの話
「趣味を仕事にしてはいけない」という言葉がある。
これは、好きなことであっても仕事にするとコストやリスクを考えてしまい、好きなものも嫌いになってしまう危惧があるからだ。
それについては一理あると思う。
仕事にすることで責任が生まれれば、楽しいばかりではなくなるだろう。
一方で、趣味に熱中してる人に、「それお金になるの?」とか「仕事にしないの?」とか言う人もいる。
趣味に割いてる時間を仕事にすれば、お金になって一石二鳥ということだ。
それについても一理あると思う。
せっかく時間を使うものに、利益があればさらに嬉しい。
ごく稀に、これらの言葉をダブルスタンダードに使う人がいる。
"趣味としてやるくらい好きなら、いっそ仕事にすればいい。ただし、仕事でやるんなら真剣にやれ"
いや、こっちは楽しいことを楽しくやりたいだけなんだが。どないせえっちゅうねん。
趣味を他人に晒すのは、このダブルミーニングに晒されるリスクもある。
楽しくやりたいだけなのに「プロ目指さないの?」といわれ、プロ目指してたら「もっと真剣にやらないと」といわれる。つまり、趣味を晒した時点で逃げ場が封じられている。
そのやりとりにウンザリして、人前の趣味を言いたくなくなるのだ。
しかし、コミュニケーションにおいて「休みの日はなにしてるの?」「趣味とかある?」と聞かれることは多い。
これは、全く知らない他人のことを知るための切り口として有効なので、悪意や裏はなくても言われることはある。その延長線上で、上記の逃げ場なしのやりとりになることもある。
そのとき、何も答えないのも印象が悪い。かといって正直に答えて、詰められてもダルい。
結果、映画鑑賞とか読書とか、当たり障りのないところをいうきらいがある。「最近は何を観たの?」など話が展開しそうになったとき、うっかり話題作を言うと感想を聞かれてボロが出るので、程よくマイナーで程よく古い映画を答える。
本当に好きなものを晒すまでの好感度パロメータが足りてない人にあるあるな対応である。