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こんな夜に。

書くことが思い浮かばないまま、掃除をしたりして時間を過ごし、ベットに横になって小休憩しようとnoteを開いている。

いまもスマホに向かいながら、なにも思い浮かばず、文字を打っている。

過ごしやすくて梅雨だけどちょっと気持ちいい晴れた夜に、こんな夜に、わたしはなにを届けたいんだろう。

そうだなあ、昨日 #いいパパってなんだろう というnoteを書いた。

https://note.mu/66_6/n/nd0bd6b73ff78


そのせいか、あと何回、父と会うのだろうと思った。忙しいからと帰らないで過ごしていたら、あっという間に季節は移ろい、やがて死んでしまう。

誰でも死ぬから当たり前なのだけど。

帰るたび、父の眉毛をカットするのが最近の儀式になっている。どうにも聞いた話だと、眉毛が痴呆症のような状態になって「もう伸びなくていいことを忘れて」伸びてしまうらしい。たぶん。あやふやなことを言っているから間違いかもしれない。

それを聞いたとき、眉毛の奥の脳みその痴呆症のことを考えた。父がそうなってしまう恐れは、これから増すばかりだろう。現実感がないけれど。

「眉毛切るよ、動かないでね」
「もう、ちゃんと切ってくれないと、床屋さんで切られちゃうんだからねっ!」

椅子に座った父を見下ろして、飛び出ている毛をカットする。ヘンに短く切りそろえたりはしない。ただ長い毛だけをチョキンとする。
たまに床屋さんで長い眉毛を切られるのは、どうやら父としては恥ずかしいらしい。

そんなどうでもいい平穏な時間が、いつか終わっちゃうんだと思うと、泣けてくる。

まだ父は元気なのだけれど、老いていく姿に、感じるものが胸をかすめる。

いまのうちに、もっと会って話して、ごはんを食べておいたほうが、いいんだろうな。そうしていこう。

こんな気持ちのいい夜に、そんなことを考えて、また泣いてしまった。じぶんの涙腺のゆるさには慣れてきた。

父に会うと、お互い真剣な話には一切ならないのだけれど。それがわたしたち親子のかたちなのかもしれない。もっと真剣に真面目な話をしたほうが、いいのだろうか。

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栗田真希
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