何気ない景色に400年の歴史がひょっこり。
この画像の山肌、三股と呼ばれる地区のもの。昨日見に行って写真を撮ってきたんだけど、この苔の下にあるのが陶石。波佐見焼に使われていた材料だ。
こんにちは、こんばんは。くりたまきです。
ふだん何気なく見ている景色も、さすが焼きものの歴史がある波佐見町、ゆっくり歩いてみると、400年続く焼きものの歴史の片鱗が散らばっている。
いま、多くの窯元は山の下に降りてきている。けれど、むかしはみんな山で焼きものをつくっていたという。
まず、陶石。山から採れる石が原材料になっていた。その石と、川の水で生地をつくったら、次は焼く。むかしの窯は登り窯といって、傾斜につくっていた。いくつもの窯を階段状につなげて、順番に下から火を入れていたので、山の斜面につくるのが効率的だったのだ。さらに、燃料になる木材も、山から切り出してくる。
もう、江戸時代とかそれより前に遡ると、山でしか焼きものはつくれなかったのだ。昭和のころまで使われてた登り窯もあるって言ってたかな。
それが現代ではガス窯が中心になっているので、木材がいらない。陶石もほかから仕入れるようになった。山にいる必然性が薄れて、古くから歴史ある窯元さんも、山から降りてきて工房を持っているところが多い。山だと、ちょっと手狭だし行き来も大変だし、大きく商売をするには……ということらしい。
ちょっと山に近づくと、今日のTOPの画像みたいに陶石がある。「あの山の上のほう、一部だけ木がないな……?」と思うようなところは、窯を焼く燃料に伐採された跡だったりする。
国に指定されている史跡めぐりをするのも楽しいけれど、プラスして町の景色に歴史を探してみるのもおもしろい。
昨日は波佐見町のガイドボランティアのみなさんが案内してくれた。文献に残っていない口伝での知識も話してもらえて、奥が深かったなあ。「この地区のおじいさんに聞いたら、ここでむかしは……」と、生の情報をくれるのだ。
波佐見町でも、中尾山や三股なんかの古くからある地区は、道が細い。対向車がすれ違えないようなところもあるし、免許取り立てほやほやのわたしでは、運転する勇気が持てない道ばかり。案内してもらえてよかった。
人ひとりが通るのがやっとの細い道を歩くと、なんだか冒険みたいでドキドキしちゃったよ。