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【函館編②】秋のゴールデンカムイ聖地巡礼一人旅~青函連絡船記念館 摩周丸・函館ハリストス正教会・旧イギリス領事館~

こんにちは、むむにんです。
3泊4日の北海道ゴールデンカムイ聖地巡礼レポ、今回は【函館編②】です!1日目の夕方に訪れた場所を振り返ります。

【函館編①】五稜郭についての内容は、前回の記事をご覧ください。
函館の1日のスケジュールも記載しています。▼

①函館市青函連絡船記念館 摩周丸

22巻213話『樺太脱出』で、杉元・アシㇼパ・白石・頭巾ちゃん(のち、尾形も)が樺太から逃げる際に乗った樺太連絡船。その外観のモデルとなった比羅夫丸の模型が見られる記念館です。

〈アクセス〉
JR函館駅から徒歩4分、電停函館駅前から徒歩5分
※「電停」は、市電(路面電車)の駅のこと。
〈営業時間〉
・4月~10月:8時30分~18時(入館は17時まで)
・11月~3月:9時~17時(入館は16時まで)
〈料金〉
大人500円

▶15:40
JR函館駅の西口を出発し、海の方へ歩いて行きます。最終話で月島が鶴見中尉の「額当て」を探していた函館湾。

函館湾を眺めながら歩く

水しぶきが堤防を越えて来るほど、波が激しく打ち寄せて来ました。暴走列車は函館駅に突っ込んだので、月島は駅に近いこの辺りを探していたのではないかと。こんな荒い海の中を……泣

人生で二度も海をさらう羽目になった月島、最後は鯉登に救われて良かったなぁ…と想いを馳せながら歩いていると、「摩周丸」の看板が見えてきました。

歩行者用の入り口はこんな所に。
摩周丸の全貌。船の中に色々な展示があります。
ちょっとレトロな入口が良い。

階段を上ると受付があり、ここでお金を払ってから連結部分を通って船の中へ入ります。摩周丸は、1965年~1988年3月の連絡船廃止の日まで走っていた船。当時のまま残っている部分もたくさんあります。出入口は船の2階部分。階段で3階に上がり、ロビーを左に曲がると「船のしくみ」の展示室へ。

【比羅夫丸】

22巻213話『樺太脱出』見開きページ

国鉄青函連絡船は、1908(明治41)年3月7日、比羅夫丸の就航ではじまりました。このころ、青森-函館間には、日本郵船も定期航路を開設していましたが、しばらくして営業をやめています。
比羅夫丸、田村丸は青森-函館間を4~5時間で結び、たいへん好評でしたが、大型船の着ける桟橋はまだなく、小蒸気船やはしけで乗り移っていました。

函館市青函連絡船記念館摩周丸公式HP「青函連絡船の歴史

青函連絡船は、青森と函館を結ぶ航路。樺太と北海道を就航していた船ではありませんが、渡航時期はゴールデンカムイの時代と一致しています。樺太連絡船のモデルとして、この摩周丸の外観が採用されたんですね。

少し上からの写真
22巻213話「もうすぐ出発するってよ」
手当される杉元と、岸を警戒する頭巾ちゃん。
このシーン何か温かくて好き…。

近づいて見ると、本当にそのまんま描かれていることが分かります…!!

22巻213話「やった!!樺太脱出だ!!」
22巻213話「稚内港まであと3時間くらいだってよ」
22巻214話『雷型駆逐艦VS樺太連絡船』
「なにか爆発したぞ」「砲撃されたのか?!」「また戦争か?」
22巻214話「全速前進!!」
22巻214話「なんかあいつらモタついてるみたいだぜ」
22巻214話 樺太連絡船に追いつく駆逐艦
「出てこい杉元佐一ッ」
22巻214話「短艇が全部あるじゃねえか!!」
22巻214話「あっちで停止したとき あいつら勝手に降りてったんだ」
22巻215話『流氷の天使』
「アシㇼパの親族を殺すと脅せば良いのでは?」
鶴見中尉・菊田さん・宇佐美が話していたのは中央の高いところ?

当方、菊田さん推しですが、ここの「罪のない婆さんを見せしめで殺すなんて俺は反対ですね」のセリフを読んで、第七師団にも鶴見中尉に意見できる人がいたのか…!と感激したのを覚えています。一方、このセリフがきっかけでスパイだと疑われたのではないかという考察を先日拝見しまして(網走の一件について中央に伝えた筋書きではなく、本当の顛末を知っていることがバレたから)、心臓を握り潰されたような心地になりました・・・
個人的には、もっと早い段階でバレていたけど泳がされていたのではないかと思っていました。そもそも、いくら鶴見さんでも菊田さんくらいの年齢の人を誑かすのは無理があるし(和田大尉や淀川中佐みたいなタイプとも違うし)、帝国ホテルでの一件の直後に転属してきた時点で絶対怪しんでるはずで、最初から距離を置いて冷静に見ていたと思うんですよね・・・。

脱線しました。気を取り直して、今度はみんな大好き217話の登場シーンです。

22巻217話『北海道にて』
「船長すみません ちょっと困った客が…」
「北海道へ帰りたいのですが……船賃がありません」
22巻217話扉絵 棒鱈で乗船してご満悦な尾形ちゃん

比羅夫丸が展示されている場所は、静かでとても居心地が良かったです。
じっくり模型を眺められて大満足。

【その他展示品】

船長(冬季)戦前

戦前の船長服(冬季)。作中に出てくる樺太連絡船の船長さんが被っていた帽子と、コートにそっくり。船長さん、金カムに出てくる一般人の中で人気は相当上位なんじゃないでしょうか。

舵輪 214話の冒頭でちらっと登場
実際に使われていた物の数々
なんと操舵室の機器類は実際に触って動かすことが出来ます。
グリーン指定椅子席

今回は比羅夫丸をメインに見たかったので、限られた時間で全てを見てまわることが出来ず。この椅子に座ってのんびりしたかった~!

コンパス甲板 はこだてロマンティック・ビュー

甲板にも出ることが出来ます。函館山がバッチリ見えました!
下から函館山の頂上が確認出来る日は、頂上からの夜景も良く見えるんだそうです。逆に、頂上が見えないくらい靄がかかっている日は、夜景も見えないんだとか。晴れか雨かというより、靄がポイントらしいです。

◆市電函館駅前から十字街へ

続いて、洋式建築を取り入れた歴史ある建物が集まる元町エリアへ。
まず最初に向かうのは、29巻281話『函館のひと』にちらっと登場する建物と同じ屋根がある、函館ハリストス正教会です。

▶16:20
摩周丸を出発し、徒歩5分の電停函館駅前へ。先ほども書いた通り、「電停」は市電(路面電車)の駅のこと。JR函館駅から少しだけ離れた場所にあります。

▶16:23
函館市電5系統 函館どつく前行に乗車。ちなみに、「函館どつく」は函館市にある造船メーカー「函館どつく株式会社」のことだそうです。造船所=dockを平仮名にした名前なんですね。一瞬、なんでこんな怖い駅名なのかと怯えました。

市電の後ろに見えるのは、本日泊まるホテル「ルートイン函館駅前」。

市電は全国の交通系ICが利用できます。乗る時と降りるときに1回ずつタッチすればOK!降りる駅の前で、降車ボタンを押します。平日だからか学生さんも多く、函館で学生生活を送れるなんて素敵だな~と思いました。(地元だとそういう意識もあまりないかもしれませんね。)

▶16:29
6分で電停十字街に到着。大通りに沿って歩き、「大三坂」の入り口を目指します。

【大三坂】

大三坂

元町エリアには、約20もの坂があります。函館ハリストス正教会へ行くには、この大三坂か、一つ手前の二十間坂、どちらかの坂道を上ることになるかなと思います。

市電が通っているのは、坂の下の大きい道路だけ。主要な建造物は総じて坂の上にあるので、観光に坂道は避けられません…。
とはいえ、石畳の風情ある坂道です。時々立ち止まって函館港を振り返りつつ、寒いのに汗だくになりながら登りました。

【チャチャ登り】

チャチャ登り

大三坂をしばらく歩くと、更に細い坂道が登場します。通称「チャチャ登り」。

「チャチャ」とは「おじいさん」の意。あまりにも急な坂で誰もが腰を曲げて登ることから名付けられたそう。上り切って振り返ると、教会を含む函館らしい絶景を拝むことができる。函館山のふもとにある坂のなかでも、かなり急な部類に入るチャチャ登り。「アイヌ語でおじいさんが腰を屈めて歩く様」と案内にあるとおり、勾配が急な坂を上ると前のめりで腰が曲がりそうです。(中略)チャチャ登りを上りきって振り返ると、3つの教会とその奥に港が見える函館の奇跡のような風景が待っています。大三坂の上からゆっくり歩いて5分くらい。ぜひ上っていただきたいと思います。

はこぶら「チャチャ登り

ゴールデンカムイでは「アチャ」(お父さん)がお馴染みですが、おじいさんは「チャチャ」なんですね。私もチャチャのようになって歩きました。本当にこの先に目的地の教会があるのか?だんだん半信半疑になってきましたが、グーグルマップを信じて登り続けます。(体力不足のため少々オーバーな表現)

②函館ハリストス正教会

▶16:41
ついに函館ハリストス正教会に到着!10分しか歩いていないのに、汗だくです。

入口から厳かな雰囲気。

先述した通り、29巻281話『函館のひと』にちらっと登場する建物と同じ屋根を見ることが出来ます。

〈アクセス〉
電停十字街から徒歩10分(※坂道)
〈拝観時間〉
月曜日~金曜日 午前10時~午後5時 
土曜日 午前10時~午後4時
日曜日 午後1時~午後4時
※見学可能な時間について詳しくはHP参照
〈拝観献金〉
大人200円

【クーポル】

29巻281話『函館のひと』
多くの教会や外国領事館がある

中央の屋根に付いている玉ねぎ型のドームが、281話の2ページ目右下に出てくる建物と似ています。これは「クーポル」と言って、ロシア正教会の建物に見られる玉ねぎ型のドームのことだそうです。

クーポルは全部で6つあります

281話のコマでは、クーポルの屋根のすぐ隣に別の建物があり、手前にも別の建物の屋根が入り込んでいるので、この写真と完全には一致していません。別の、もっと上の角度から見た構図なのか、クーポルを取り入れただけで全体的な構図はオリジナルなのか、本当のところは分かりません。

個人的には、同ページ左のコマのイギリス領事館と並べて、「ロシア正教会の建物」であることが分かるように強調して描かれているのではないかと思いました。

下から見上げた図
正面入り口

日が暮れてきたので、中は見学せず次の目的地へ。

【八幡坂】

▶16:50
お次は旧函館区公会堂に向かいます。
ゴールデンカムイには登場しませんが、せっかく元町エリアに来たのなら見ておくべきかなと思いました。実際、行って良かったです!!

道中には、約20ある坂の中で最も有名な八幡坂があります。函館港まで真っすぐ見下ろせる坂。CMにもよく登場するそうです。

八幡坂
石畳のどこかにハートの石があるそうな。(この写真には無い?)

29巻199話『坂の上のロシア領事館』で平次パパと鶴見中尉が駆け下りた坂は、旧ロシア領事館から続く「幸坂」だと思うので、この八幡坂とは異なります。
ただ、今回は旧ロシア領事館へ行くのは諦めた(詳しくはプロローグ参照)ので、ここで雰囲気だけでも味わうことにしました。。音之進~!!

有名なスポットだからか、撮影している人がたくさんいましたね!

八幡坂と旧函館区公会堂のちょうど中間あたりに、「菊泉」という茶房がありました。なんだか惹かれる店構え。お時間のある方はぜひ…

名前に惹かれて立ち止まる

③旧函館区公会堂

▶16:55
徒歩5分足らずで旧函館区公会堂に到着。

トワイライトタイムで、とても幻想的でした…!
建てられたのは明治43年なので、ゴールデンカムイで言うと函館編(明治41年)~最終話の「3年後」(明治44年)のちょうど間くらいですね。公式HPで当時の写真も見ることが出来ます。

正面から

「西洋スタイルを日本の技術で表現した、明治洋風木造建築の代表的なもの」だそう。今回は時間が無く中には入りませんでしたが、次回は入りたいです(こんなことばっかり言ってる…)

④元町公園

▶17:00
旧函館区公会堂のすぐ下に、元町公園という広場があります。
次の目的地は、29巻281話に登場するイギリス領事館でしたが、通り道だったのでちょっと寄り道してみることにしました。

建物や銅像などがありますが、いくつか写真を載せておきます。

【旧北海道庁函館支庁庁舎】

薄いグリーンの色合いが可愛い。

1909(明治42)年に建築され、1982(昭和57)年に修復整備されたそう。こちらも、ゴールデンカムイ函館編の翌年ですね。五稜郭での戦闘・しづか号の事故は、函館市民にどの程度衝撃を与えたのでしょうか。「五稜郭で日本軍がロシア軍と戦争してるらしいわ」と言っていたおじさまも居ましたね。

埋蔵金の隠し場所を五稜郭にしたことで、最終的な戦闘の地に市民を巻き込まずに済んだのは、キムシプやウィルク達の功ではないか。函館を歩きながら、そんなことを思いました。

【函館四天王像】

こちらは、函館四天王像です。旧北海道庁函館支庁庁舎のすぐ隣にありました。

(向かって左から)今井市右衛門、平田文右衛門、初代・渡邊熊四郎、平塚時蔵

この中でゴールデンカムイ的に関わりの強い人は、平田文右衛門でしょうか。

平田文右衛門(函館出身)1849~1901
呉服太物商を営み、他の四天王とともに造船所、器機製作所、学校、病院、新聞社の設立等を主唱し、計画・実行。函館の将来のためには港湾の整備、船渠の完成、奥地に通ずる鉄道の敷設が急務であると考え、函館・小樽を結ぶ函樽鉄道株式会社(現在のJR函館本線のうち、函館~小樽間)の創設に努力したことでも知られています。

はこぶら「函館四天王像

彼がいなければ、杉元達が鶴見中尉より先に札幌から函館に到着することも不可能だったかもしれません。
ちなみに、札幌ー函館間の運行が開始されたのは明治38年だそうです。日露戦争の翌年ですね。

ふと港の方を振り返ると、素敵な夜景が。「ポー」という船の汽笛の音が聞こえてきます。函館、なんてお洒落で素敵な町なんだ……。

絵画のような景色

【基坂】

元町公園を出てすぐ、基坂があります。イギリス領事館はもうすぐそこ!

基坂

明治時代に里数を測る基点となる「里程元標」が立ったことが名前の由来だそうです。

⑤旧イギリス領事館

▶17:05
旧イギリス領事館に到着!

〈アクセス〉
電停末広町から徒歩5分(私は電停十字街~ハリストス正教会から歩いて来ました)
〈営業時間〉
【4月1日~10月31日】午前9:00~午後7:00
【11月1日~3月31日】午前9:00~午後5:00
〈入場料金〉
大人300円
※函館市旧イギリス領事館・旧函館区公会堂・函館市北方民族資料館・函館市文学館で利用できる共通入館券もあるみたいです。

入口

暗くなる直前の怪しい雰囲気が、なんだか建物とベストマッチ。
ゴールデンカムイに出てくるのは、入口ではなく庭園です。建物の外を周って行くことが出来ます。

29巻281話『函館のひと』
多くの教会や外国領事館がある

このコマは、確実に旧イギリス領事館の庭園です。
入口ではなく、敢えて中に入らないと見れない庭園を描くあたり、野田カムイのこだわりを感じます。

~滞在時間まとめ~

・函館市青函連絡船記念館 摩周丸 30分
ゴールデンカムイに登場する比羅夫丸を見るだけなら、20分あれば大丈夫。他にも魅力的な展示物がたくさんあるので、それだけで帰るのはもったいない記念館です。

・函館ハリストス正教会 5分
・函館区公会堂 5分
・旧イギリス領事館 5分
外観を見るだけだったので、いずれも5分程度で退散しました。
なんとももったいない…!という感じですが、聖地巡礼>観光マインドだったので仕方なし。次回函館を訪れた際は、もっと一つ一つの箇所をゆっくり見てまわる所存です。

【函館編②】は以上です。
読んで下さった方、ありがとうございました。

次回は、函館編の最終回です。函館市北方民族資料館と、函館山の夜景をお届けします🌙

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