旅に生きる~富山補完~
※有料ですが全部読めます。
道が消えるってことは人間が消える(´・ω・`)
海外が攻めてきた事って言うと『元寇』をすぐ思い浮かべると思う。
船に夜襲しかけたり、神風が吹かなくても武士は元軍を十分苦しめていたのはそのへんのコンビニ本とかでも書いてるくらいなのでみなさんもご存じでしょうが、
元々モンゴル騎兵は平原で馬を大展開させて世界を蹂躙したわけです。
で、混成軍だったから~とか言われますが、まず馬がない。
徒歩での戦闘ということになりますが、彼らは乾いて動くことに神経を使わない大陸の地形しかわからないのです。
日本はぬかるみ、スケールの小さいところへ唐突でバカみたいな勾配差、うっそうとした森。
そこを武士はぬるぬると動き、隠れては現れるわけです。こんな戦いだから、広く占領されることなく人数の割りに局地戦で終わったわけです。
さらに下関戦争も。
圧倒的火力で砲撃し、上陸した列強4国だがちょっとした市街地戦と砲台などの占拠などで、やはり局地戦となってしまった。犠牲者もさほど。
なぜか?
上陸して奥へ進もうにも広いところは田んぼ。それを乗り越えるには手持ちの重火器しかない。そして川沿いや台地の先端などへ向かう地形に沿って動くしかないため動線が限られる。
だから圧倒的火力、武力があっても他の植民地でできた殺戮や一方的占拠ができなかった。
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地形は今でこそ、トンネルや長大な橋でどーん!だが逆に言えば『トンネルと橋が無ければどちゃくそ苦労する』ってことであり、唯一の抵抗手段ってことだ。
峠に関してはこれから扱うけれど峠越えには日本人の旅の苦闘が詰まっている。
で、インフラはもちろん地形・地質・建材・工法とかそういうのを楽しむのもいいんだろう。それは『オタク的楽しみ』でぜんぜんいいと思う。
だが『災害史』と絡めるとインフラは突如『生暖かい人の血』が流れ始める。
日本海側は地震こそあるし、少数ながら津波被災もあるのだが、海としては安定している。
むしろ地形的には海岸線まで急峻な山がせり出してへばりつく山の暮らしを海の民がやらねばいけなかったこと。
もし避難区域が設定されるような災害の場合には避難ルートは日本の物流の要という性格上『よそ者の通過車』が福島よりも混雑しそうだ。
一時的な避難ならば国道が高台替わりになっているので容易だと感じるが。
では太平洋側へ目を向ける。
日本の物流を支える東名、東海道線・新幹線はどこを通っているだろう?
『浜名湖の上』だしょ?
これはマズい。
大動脈がよりにもよって浜名湖かすめてるのはダメだ。
浜名湖って『汽水湖』になったのは明応地震の時。津波で砂州が崩れ、港町が壊滅した。
さらに富士山も江戸時代は噴火している。それが一番最後の宝永噴火なわけで、『津波こわいのに山も噴火したらもう(道が)ないじゃん・・・・』ってなったのが『箱根ルート』なわけだ。
なので国道1号はまあまあ、昔のままに近い。箱根の山は天下の剣、さらに言えば箱根山自体も破局噴火を起こせるパワーの火山だが有史以来の大災害を起こしていないので選択し、現在も使われているわけです。
ところがそうやって『箱根しかないんだよ~』って言ってたことをすっかり忘れ、高度経済成長の浮かれ気分とイケイケで海側で大動脈を作ってしまった。高速なんか海&『噴火すると厄介だから避けた足柄』をご丁寧になぞる。
『来る来る詐欺』とまで言われる南海トラフ地震は発生すると津波到達まで5分だそうだ。これは逃げる暇なんぞないね・・・・。
3・11の津波被害は『日本人の忘却』が原因かもしれない。
『つなみてんでんこ』は海の近くで生きなければいけなかった人間の言葉であって、基本『町として経済発展させるのは内陸部』というのを守って来た。
それを無視して海へ海へと人口を増やして飲みこまれたのがあの被害者数だと思う。
自分が『日本の居住可能面積は移民を増やすほど広くない』って根拠です。
ニュータウン建設してどうなりましたか?山はなくなり下流に水害が増えてしまい本来必要のないダム(大小、砂防問わず)を作る。
ダムそのものに反対する人間はいるけどダム建設の遠因を止めた人は聞いたことが無い。
山へ行けば山が水害や土砂をしっぺがえししてきます。海へ行けば海に命を懸けてを生業とする者以外には津波というしっぺ返し。
東北の県庁所在地を見てみましょう。ほぼ内陸です(秋田・青森・仙台のように港込みで標高の高い場所や奥地も抱えているので逃げ場がある)
それを働く人以外を海沿い住まわせたり、商業施設を作るから飲みこまれるだけ。
たとえば工場とかだったらそこで働く人だけを収納するシェルターがあればよいだけの話です。
災害史は戦ってきた人達の血みどろの歴史です。戦争よりも胸糞が悪い。
なにせ人間は滅亡させてしまえば歯向かってきませんが、
地形だけはダメです。山を崩し、海を埋め立て征服した気分になっても必ずしっぺがえしをします。
だからどうして『昔の峠道がへばりつくヘアピンだったのか』とか
考えると
生き残ることとたまにくる災害へのささやかな抵抗が見えるんです。
そして『なぜご先祖達はここに道路を通せば便利なのに通さなかったのか』の答えを単純に『技術とか機械化の問題』以外に見つけた場合はだいたい正解なんです。
そうすると東京は3・11の時も弱さは見せましたけど、太平洋側になんぞ異変があればすぐ終わるんです。
そういえば私が飛脚だったころ名古屋はじめ東海地方が水没した水害がありました。
あの時物流はストップし、小売店はかなり困っていました。
物流センターで一括して管理しているような『いつもはクソ生意気な』大型店の店長は狼狽えて「まだかまだか」と騒いでいました。
私らはどうしようもない。水が引いても一度汚れた商品はダメだろう。
「災害が起こらないとでも思っていた」その油断のまま荷物を運ぶ運送屋へ威張り散らしていたその店長の
底のなさ、ペラさこそ「甘え」です。
大規模なネットワークで「ウチはすごいだろう」なんてふんぞり返っても一回の自然災害でぶち壊される。
原始に帰れ!とは言いません。時代と共に変化するのもインフラです。
しかし『避けなければいけないポイント』は変わらないんです。
だって相手は自然だから。
農業ならば「寒さに強い稲を作ったぞ!」っていうことで稲作の北限を広げるってことができる。
しかしそこで起きる自然災害への対策やそこから収穫した米をどうやって運送するのか、っていうことはインフラの話です。
そう考えると老朽化とかそういうので更新できていない現状の解決どころか、下手すると今のまままた次の災害で崩壊して・・・・っていう結局
『3・11から何も学べなかったでーす』
で終わりそうな気がする。
なので鉄路や小さい規模で済むライトレールってのはやっぱり必要なんじゃないかと思う。
それに走行距離課税を検討しているでしょ?
『地方で片道20Km以上通勤している人』なんてこれは「死ね」と同義語です。
それなのに「交通インフラ?知らないよ。東京はたくさんあるから。東京の人は地方の人より走行距離少ないからフェラーリ乗ってても安いから(地方はだいたい平均一か月1000Km、1年1万Kmです)自家用車で仕事してる人も頑張って払ってな。でも他の税金はもちろん増税だゾ」
とかこれはデモ起きてもしょうがない。起こさないのが日本人の『良さであり悪さ』なんでしょうけど。
そもそも政事に関わることが『ケガレ』ですからね。
災害と政治、そして生活と発展を考えれば絶対に『道』からやるしかないと思う。というか立ち返ってほしい。
運転手付きの後部座席で体沈めてるだけじゃ道はわからんからね。まして新幹線のグリーン車じゃよけい。
泥臭いところに正解はあるもの。
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