石としては出かけたいし話もしたい
外に出たいと思う。洋服や鞄の中にいても、わかることはわかる。喜びと悲しみの間に中間の感情があるように、時にはそんな混沌としたどっちつかずの感情、気持ちを味わうことも大切だと思う。
感情の切り替わりは時々起きるが、大抵はゆっくりと、徐々に変わっていく。もちろん突然何かを見たり聞いたりして、感情も突然変化することもある。でもそれは、崖から飛び降りるような変化ではなく、やっぱりゆっくりしている。その方が楽だし、負担も少ない。
感情の変化は、水に絵の具を溶かすようなもので、ゆっくりゆっくり変化していく。そしてそれが、周囲にも伝わり、広がっていく。事と次第によっては。
恐れを抱く時に、身体は固く縮こまり、声は出ず、何も受け入れられない。何も表現出来ず、外に出すことが出来ない。それはたしかに石のよう。でも特別な石は意志を持つ精霊が常駐している。座布団とアナタが呼ぶもの、それが石です。
精霊は座布団に座り、時々そこをこっそり離れて、また戻ってきます。座布団ごと一緒にどこかへ出かけて、愉快なことを経験し、こっそり色んなことを楽しんで、満足します。だから大抵の精霊は外に一緒に行きたいし、帰ってくると少し興奮しているかもしれません。
キラキラと輝く石は多くの人から求められ、時には奪い合いにもなりますが、特にギラギラと輝かなくても、座布団としての役目を果たして、精霊がそこに座ります。
精霊に話しかけても何も返事がないと思うなら、表情を見て下さい。口に入れたければ、ちょっと試しに入れてもいいです。ただまぁ、ちゃんと洗ってよね、とも思います。その辺は衛生面に気を配りましょう。
私があなたを口に入れても、たぶんちょっと水洗いをするでしょうし、水が苦手な座布団の場合は洗わずに済むように汚さないように気を付けます。
いいですか? 私達が話をしないなんてことは無いし、話をしても当然だし、たとえ返事をしなくても聞いていることはあるので、諦めないで。
ありがとうございました。(2023.2.16)
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