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冬の天の川

これから楽しみな撮影対象が冬の天の川です。
これまで星の知識はそっちのけで単にキレイだなー!とか星雲をあぶり出したいなー!くらいの動機で撮影してきたのですが、せっかく撮ってるからには撮影対象のことも知っておかなければ!という想いでまとめてみました。
博士ちゃんには足元にも及ばない内容になっていますがさらっと流してみてね。
今回は下の一枚の写真をメインに使っていきます。

この写真は先月、紫金山アトラス彗星が水平線からのぼる2時間前に撮影した冬の星空です。
冬の天の川
は銀河の端、星の少ないエリアなので、銀河中心の夏の天の川に比べて淡く繊細な光の帯に見えます。

2024.10.1 AM2:20
SONY A7R3 SIGMA14mm
大きい星は目立つように強調しています
海を俯瞰する高台から撮影
この写真を使って冬の星空を紹介していこうと思います
写真下側の白い筋は海面の波飛沫による模様です

この写真に写っている代表的な天体を記入してみました

・全天一の明るい星団がプレアデス星団
・オリオン座の巨星ベテルギウス
・恒星の中で太陽の次に明るいシリウスはオリオン座の三つ星を結んだ延長線上に
・「夜半の明星」の異名を持つ木星が一際輝いてました

スバル自動車

昔、スバル レガシーに乗ってたのでいきなり脱線
私のレガシーは東日本大震災の津波で海の藻屑となってしまいました・・・
すぐに見つかりましたが津波に流されて瓦礫に乗り上げ、さらにガソリン抜かれてました💦
茫然自失の中だったので怒る気にもなりませんでしたが被災で車なくすというのは後々大変でした💦
そんなスバル自動車のステキな名前の由来

プレアデス星団は、日本の自動車製造会社SUBARU**(スバル)の名前と6個の星のロゴ**に影響を与えました。ロゴは会社の歴史を示しています。「スバル」は日本語で「一つになる」という意味で、星たちはスバルの親会社である富士重工業という1つの大きな会社に統合された5つの小さな会社を表しています。

Sky Tonight

太陽の10倍以上

質量が太陽の10倍以上…赤色超巨星ベテルギウスについて

肉眼で観望できる恒星の中では最も直径が大きい恒星の1つである。仮にベテルギウスを太陽系の中心に置いた場合、その大きさは小惑星帯を超えたあたりにまで及び、水星金星地球火星の軌道を超え、木星軌道をも超える可能性がある。

Wikipedia

650光年のロマン

ベテルギウスは太陽系から650光年という途方もない距離にある事からロマン溢れる星です。
この星は数年前に急速に減光したことで超新星爆発間近ではないか?と話題になったことがあります。
その後も光り続けていますが、今見えている光は650年前のものであり、光のスピードではその情報を読み解く事は難しい…タイムラグありすぎ…
足元の地震予知も大変なのに、これから先のベテルギウスがどのような運命を辿るのか?なんて事を予測するのは不可能なのでしょう。

冬の大三角

1️⃣おおいぬ座のシリウス 8.6光年
2️⃣こいぬ座のプロキオン 11光年
3️⃣オリオン座のベテルギウス 500光年←諸説あり!
これら3つの一等星で構成される三角形の星群を冬の大三角と呼ばている。
ベテルギウスだけが異様に遠いのですね!
冬の淡い天の川はこの三角形を縦断しています。
淡い星の筋が見えるでしょうか?

因みにこちらは夏の大三角

本格的に天の川を撮影するようになった頃に撮影した写真です

2021.8.29 撮影
夏の天の川は銀河中心部に近いので明るい
デネブ 1400光年
ベガ 25光年
アルタイル 17光年

冬のダイヤモンド

6つの1等星を結んで出来る六角形の星群
1️⃣おおいぬ座のシリウス 8.6光年
2️⃣オリオン座のリゲル 860光年 → これまた遠い!
3️⃣おうし座のアルデバラン 67光年
4️⃣ぎょしゃ座のカペラ 43光年
5️⃣ふたご座のポルックス 34光年
6️⃣こいぬ座のプロキオン 11光年
冬のダイヤモンドは星座ではなく星群(アステリズム)と定義されるそうで、夏の大三角や冬の大三角も星群となる。

14mmの超広角レンズなので冬のダイヤモンドも
余裕でおさまりました
シリウスからカペラに向けて繊細な冬の淡い天の川がのびています

黄道光エックス!?

ところで、この写真を見ていると画全体にうっすらエックスの文字が見えますでしょうか?
右下から冬の大三角を突き抜け左上にのびる冬の天の川(青線)と
左下の水平線から火星、木星の方へのびる光の帯(黄線)の交差

この光の帯は黄道光と言われ、撮影中もその薄明るい光の帯は感じられます。
はじめは漁火とかの光害と勘違いしていました。
黄道光は、天球における太陽の見かけの通り道ですので、地上と黄道光の交点から太陽は昇ります。

線引いてない写真の方が見えると思います・・・
最初の頃は光害の影響と思っていた黄道光
「黄道光エックス」は勝手につけたニックネームです


この日の星図です

2024.10.1 am2:20

黄道光の見つけ方
(太文字部分だけでも読んでいただけると嬉しいです)

黄道光は天の川より淡い為、夜間の非常に暗い所でしか見えない。明るさの分布は太陽に近い部分がより明るい。そのため日が暮れた後の西の地平線から天頂に向かって、大きく細長い釣鐘状の光の帯として肉眼で見る機会がある。

または明け方まだ薄明が始まらない頃、東の地平線から同じく天頂に向かって、同様の光の帯として見る機会もある。天頂の方が空の透明度が良く、黄道の夏至点近くが北半球では高い空に見える為、黄道光には特に見やすいシーズンがある。天候の安定した日本の太平洋側では、夕方の黄道光は1月から3月の厳冬期に見やすい。明け方の黄道光は澄んだ空となる秋の9月から11月に見やすい。空の条件が極めて良い日本国外の未開拓地では、黄道に沿った黄道光の一周全体を見ることができる。

Wikipedia

オリオン座

やはり冬の星座といえばオリオン座ですね!
オリオンの頭、腕や斧?は判別出来ず省略、胴体部分だけ結びました。
まさに和名 鼓星ですね。

青線部分を以下に拡大しました
オリオン座と蠍座くらいしか見つけることができません💦

知識不足ですのでここも引用が得策 笑 ・・・Wikipediaより
天文ガチではないので、π3星、χ1星!?などという専門用語はここではスルーします。

オリオン座の領域には、数多くの明るい星や有名な星雲星団がある。ベテルギウス、π3星、χ1星を除くオリオン座の明るい星々は、年齢や物理的特徴が非常に似ている。これはオリオン座付近に巨大分子雲が存在し、オリオン座を構成する星々の多くがこの同じ分子雲から生まれたためであると考えられている。このような似通った年齢と固有運動を持ち、散開星団よりも大きく広がった星の集団は「アソシエーション」と呼ばれ、オリオンアソシエーションはその代表的なものとされる。

Wikipedia

・ 数多くの明るい星
・ ベテルギウス
・ 星雲
・ 星団
・ 巨大分子雲
・ 散開星団
・ アソシエーション
    などなど…
とっても魅力的な言葉が散りばめらているのがオリオン座です。

青線で囲んだ部分の拡大
中心の三ツ星の名前など改めて調べてみました

---今回はこの辺でおしまいにします---
🔴次回の投稿はこのオリオンアソシエーションをご紹介🔴

感謝!

今回で5回目の投稿となりました。
たくさんの「スキ」を頂き感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願いします。

ちょっと予告的な・・・

同じRAWデーターから赤い星雲をあぶり出してみました。

この写真は宇宙からの赤外線の感度を高めたアストロ仕様のカメラで撮影しているので
天体写真を現像するソフトで現像すると赤い星雲が浮かび上がります
天体現像しているとRAWデーターの底力を感じずにはおれません
この辺はまだスマホでは厳しいのかと思いますが、
流行の電子観望にちょっと惹かれるこの頃

おまけ

この撮影から2時間後!
地球照を抱く、細い月の出に続いて水平線からのぼる紫金山アトラス彗星

アトラス彗星撮影記1~3のリンクを以下に貼っておきます