無印良品(日本)が中国に商標登録の控訴で負けた(二審)ニュースに違和感があったので考えた

中国でずっと生活している私から見ると、無印良品が商標問題で敗訴したニュースを見て違和感を感じました。

中国はパクリが勝つ国だ!

中国人はそういうことを平気でやるから信用ならん!

みたいなコメントを見るとなんかすごい違和感感じます。

特に今回の件はちゃんと中国の文化と時系列をしっかりと理解した上で考えた方が良い。

私の結論から述べると、

中国の無印良品悪くない。

です。

はい、絶対に批判されると思います。

でも本当にそう思います。

キャプチャ

何を言っている?と思った方多いかもしれませんが、ここ最近まで日本無印良品の知名度ってほとんどなかったし、中国で無印良品って日本人のあの文房具とかMUJIでおなじみの無印良品って思わないですよ。

まぁ今は中国でいたるところに進出しているので現時点では日本と同じ認識の人が多いと思いますが、中国で無印良品って歌手グループが1990年代に流行ったんです。

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光良っていう有名な歌手がいるんですがその人がいたユニットです。

光良は童話っていう日本人駐在員が最初に覚える曲としてもお馴染みです。

2000年代に日式キャバクラで間違いなく一番歌われていた中国曲の一つ。

無印良品(歌手の方)の歴史

光良(1970)と品冠(1973)のユニット

1995年 マレーシアで「掌心」というアルバムでデビュー

1996年 台湾で「掌心」発売 新人賞受賞

1996年 アジア全土で「无印良品X2」発売 爆発的大ブームに

1999年 解散発表


無印良品が歌手というのはまぁ今回の争点ではないんですが、なんかあまりに日本のメディアで見る無印良品に対する印象が、無印良品は日本が長年育てたブランドだ!それを黙って盗んだ!みたいな論調が多いのが気になってミニ情報添えておきます。


日本の無印良品の歴史を見てみると

1980年初頭頃 運営する良品計画のラインナップとして無印良品展開開始

2005年 中国進出

2017~2019年 訴訟 全て中国側の勝訴


35類のうち24類が今回の控訴にあたる部分

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もめている経緯は以下の通り

2001年、海南南華実業貿易が「無印良品」の商標を登録。クッションやタオル、枕カバー、ベッドシーツなど「24類」での商標権を認められた。
2004年、「無印良品」の商標が北京綿田に譲渡される。
2011年、北京綿田が「北京無印良品」を設立。2017、2018年ごろから日本の無印良品にそっくりな「無印良品Natural Mill」の展開を始める。
2017年12月、一審で良品計画側が敗訴、良品計画は上告。
2018年11月、両社の訴訟が表ざたになり、良品計画が状況を説明するコメントを発表。

ただ当然中国でも商標に対する法律は決まっていて、中国の場合は下記に準拠している。

① 商標は登録申請を行った後、3ヵ月以内の公示期間に異議申立てが成立する場合、登録申請は退けられる。
② 商標が登録された場合、5年以内に異議申立てがあり、認めた場合、登録が取消される。
③ 商標が登録された場合、 3年以上商標を使用していない場合、取消申請ができる。

2001年、海南南華実業貿易が「無印良品」の商標を登録したとき、当然日本無印も異議申し立てを何度もしましたが却下されたようです。

このあたりが最大のポイントかと思うんですが、ブランドを作るときって将来海外展開を見据えて海外での商標とか調べたりしないんですかね?

少なくとも無印良品というブランドを世界で広めたいと考えている企業であればその名前を決める段階で調べて、自社で取得しておくのが良かったと思うんです。もしくは買い取るとか。

今回の件を見て思ったことは

中国で一度取られた商標を取り返すのはムズかしい

日本側にも事前に取れる方法を取っていなかったのでは?

無印良品の掌心は良い曲

というところです



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