【地歴学習Tips#01】 国府に寄ってみよう!
林間学校や移動教室のバス移動で、国府に寄ってみよう
小学校での林間学校・移動教室は、行政区によって行き先が決まっていて、都内の品川区などでは日光に毎年行っている学校が多くみられます。校外学習などでのバス移動は貴重な機会なので、少し遠回りして『国府』に寄ってみることをお勧めします。国府は天災を避け見晴らしの良い土地に作られていることが多く、現在の鉄道の駅からは離れていることが多いためです。
国府は全国に置かれ、「府中」「国府」「国分寺」等はそれにちなんだ地名です。東京都内には武蔵国府跡もありますが、行き先が栃木県や福島県の場合にはぜひ下野国府跡・下野国分寺跡に寄ってみてください。ここは昭和に文化財として登録されて以来長年にわたって整備され、国府の広大なスケールがよくわかる場所です。
最近、陸奥国府でも多賀城南門の復元が始まりました。もし大宰府が目的地である場合には、天満宮だけでなく政庁跡にもぜひ行ってみてください。
国府を観るとこんなことがイメージできる
国府が置かれてから、奈良や京都から地方に赴任したり、下向、配流され、土着した人々が、のちに歴史を動かすきっかけになっていきました。配流・下向というとイメージがつかみにくいですが、国府を観ておくとより明確に想像することができます。守、介といった官史の役職名も身近に感じられ、後世の歴史をみていていく際に理解度が深まります。
国府には国分寺や国分尼寺が併設されたため、役人の他に瓦職人など技術集団が都から移住し、土着していきました。こうした人の流れを実感してみて下さい。
国府をつなぐ古代の官道は、幅が10メートル前後もあったと言います。五畿七道の七道「東海道」や「東山道」は道を表すだけでなく、行政区分とされたものです。それまでに崇敬されていた神社に一宮、二宮という社格を与え、まとめた神社を総社としました。先住していた人々の祖神を祀ることで、中央政権が表向き平和裏に国府を置いていったことが伺えます。
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【行政Tips#01】修学地に大型バス駐車場や多機能トイレを
修学旅行でバス移動は少なくなる傾向にありますが、その分コース作りには制限がかかっているようです。修学地にはやはり、大型バスがつけられるスペースがほしいと思います。静岡県の温泉街・修善寺では一番奥にバスプールが新設されました。歩きやすくなり、結果的に観光客が戻ってきているようです。修学地・観光地の奥や北、川があるなら上流、高低差があれば高い所にバスプールがあると、拠点となって散策の出発点となり、都市や街が理解しやすくなるかと思います。
駐車場や昼食がとれる広場には、多機能トイレや化粧室が整備されていることが必須です。管理が難しい面や、飲食店への誘導などの問題もあるかもしれませんが、修学地の広さに比べてトイレが少ないととても困ります。お子さん連れなどでも、安心して歩くことができる環境が整えられてほしいと思います。
修学地として、遠足や修学旅行に訪れる生徒さんに配慮した街づくりは、結果的に優しい街づくりになります。生徒さんは楽しみと同時に不安を感じながら遠足や修学旅行に出発します。街に安心を持てば大人になっても訪れたい街として記憶され、何度も訪れ食事や宿泊をして楽しむ好循環が生まれると思います。