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#13 エモパ社会の到来:情報消費疲労と感情投資

現代社会において、「エモパ(=Emotional Performance)」という新たな概念を採用します。「エモパ」とは「感情投資のパフォーマンス」を意味し、個人が情報やコミュニティにどれだけ効果的に感情的エネルギーを投資しているかを測る指標です。超民主化社会や超情報消費社会では、日常的に多様な情報やコミュニティと接触し、人々はそれぞれの興味や価値観に基づいて快適な消費行動を追求し、多くのコミュニティに属する選択をします。以下、この社会現象の具体的な側面を詳しく探ります。

情報と感情投資の過剰
エモパ社会において、情報は絶えず私たちを取り囲んでいます。この状況は、個人が無数の情報源に対して注意を分散させざるを得なくなり、各情報やコミュニティとの深いつながりを築くための時間やエネルギーが制限されることを意味します。その結果、多くの人々が表面的なレベルでの関与に留まり、感情的な結びつきが希薄になります。

感情投資の枯渇
エモパ社会での個々の活動が、社会的な豊かさの象徴として捉えられがちですが、表面的な関係や一時的な快楽を求める行動に偏りすぎると、感情投資の枯渇が生じます。これらの活動では、感情的なリターンが得られず、投じた感情が無駄に消費されます。その結果、感情が枯渇し、精神的な疲労や満足感の欠如が引き起こされます。

情報消費疲労と感情疲労
この社会では、情報消費疲労が感情投資の枯渇と直結しています。情報の量が圧倒的に多いため、どの情報に感情を投じるべきか、どれを無視すべきかを選ぶ必要があります。その結果、感情的な反応が鈍化し、全体としての感情疲労が生じます。感情投資の減少は孤立感や社会的なつながりの減少をもたらし、精神的健康に悪影響を及ぼすこともあります。深いつながりや意義ある活動への投資をおろそかにすることなく、感情的リソースの管理に注意を払うことが、枯渇を防ぐ鍵となります。

全人格的に付き合う深い人間関係の必要性
リスクを伴いながらも、全人格的に付き合う深い人間関係を築くことは、エモパ社会において特に重要です。この種の関係は、感情投資を行う上でのリスクが高いものの、感情的なサポートや安定した所属感を提供し、個人の精神的健康を支える基盤となります。深い人間関係を通じて、個人は困難な時期を乗り越える強力な支援を得ることができ、エモパ社会における感情的な枯渇を防ぐことが可能になります。

結論
エモパ社会における情報消費疲労現象は、情報の過剰だけでなく、感情投資の減少という重要な側面を含んでいます。この問題に対処するには、情報の質を選び、感情を投じる対象を慎重に選定することが重要です。また、質の高い少数のコミュニティへの参加を通じて、より充実した社会生活を送ることが求められます。これにより、エモパ社会の中で個人が真の満足と充足を得る道を模索することが可能となります。


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